決着な件について(仮)
かおるの体が発光する。
「かおるさん! かおるさん!」
「おい! かおる!」
「大丈夫ですわの?」
「信じるしかねえだろう!」
かおるの周りで各々が必死に彼に力を送り続ける。
「これはいったいどうなっているの?」
「戦いも大詰めになっているってことだね」
アリスの疑問に答えたのは八つの枢要罪だった。
彼女は、ハルカの頭を膝の上に乗せ、横から、かおるの覗きこむようにしてみている。
「ってことは、もうすぐ決着ってことか?」
上野が言う。
「うん。多分ね。体が発光しているってことは、精神の中でド派手なやりあいがあったってことだとおもうよ。そこまでのやりあいがあったなら、まあもうすぐ終わると思う」
「そうか・・・」
「かおるさん・・・」
「大丈夫だ。正子、かおるなら必ず戻ってくるに決まってるぜ!」
「孝子・・・」
「そうですわよ。あのかおるさんですもの、どんなに逆境であっても戻ってきますわ!」
「2人とも・・・、うん! そうだよね! あのかおるさんだもん!」
(本当にいい仲間を持ったね・・・)
八つの枢要罪はそれを見て思った。
もし、稲垣かおるが敗れ、天邪鬼が彼の精神を乗っ取るようなことがあれば、彼のことを殺さないといけない。
八つの枢要罪は、それは自分がやろうとここで心に誓った。
彼女達にその重荷を背負わせすことはできない。
それほどに、彼女達の絆は厚いものだと感じた。
(大丈夫、君なら戻ってこれるよ・・・)
八つの枢要罪は、井上ハルカの体にはいっている。
だから、今の体の井上ハルカとは根本的に違う。
だけれども、この体の中にあるわずかに残った井上ハルカの精神が、稲垣かおるに対して、溢れんばかりの感情を向けていた。
それにより八つの枢要罪は、今すぐにでも、彼の精神に入って彼の手助けをしたい。
しかし、それをしてはいけない。
これは、人が乗り越えないといけない試練。
何人も手出しをすることは許されない。
八つの枢要罪は、そっと、かおるの肩に触れた。
だけど、少し、少しだけ、彼に小さな幸福を・・・・・・。
かおるの体が、震える。
****
ごほごほごほ・・・。
かおるは、自身の周りの爆風を、片手でなぎ払った。
体中がきしむ。
別に今は実体を持っているわけではないが、今すぐにでも眠れるほどの疲れを感じていた。
(やつは・・・どうなった・・・?)
先ほどの互いの攻撃、あれにより、かおるは先ほどいた場所から、軽く数百メートルは吹っ飛んだ。
辺りをみると、かおるの精神が、今にも悲鳴をあげるように、白い空間にヒビが入っていた。
「!!」
かおるは、頭で考えるよりも早く、首を横に傾けた。
そこに、白いこぶしの鉄拳が、音速を超えるスピードで延びてくる。
「あぶないな!」
「このクソがあああああ!!」
かおるは、転移で、相手との距離をとった。
「人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、人間、にんげんがああああああああああああああああああ!!!!!!!」
天邪鬼が暴れだす。
彼はの体は、かおるの精神空間と同様に、全身にヒビが入り、今にも崩壊寸前といった感じである。
先ほどの攻撃、かおるには、相手の攻撃が届いていなかったが、かおるの全力の攻撃は、見事天邪鬼を打ち抜いていた。
「貴様ごときがあああああああああああ!!」
天邪鬼は目を見開き、口からはよだれを憤まんに飛ばしながら、叫ぶ。
(完全に、壊れやがったか)
かおるは、相手みて冷静に分析していた。
そして、相手に向かってゆっくりと向かっていく。
「最後の最後に、神が獣に落ちたかよ」
「うううううううう!!」
「ってことはやっぱり、お前は駄目だな」
「があああぐぐあうああうああうあ!!」
「俺が最後くらいは綺麗に終わらしてやるよ!」
かおるが、天邪鬼の懐に瞬間移動する。
これは上野の時間停止を使った。
(副作用も今なら来ない気がする)
「がああああああ!」
今にも口からの唾液が飛んでこようという距離で、天邪鬼の攻撃をかおるはかわし、相手の顔面に鉄拳をヒットさせる。
天邪鬼の体がそれにより、後ろによろめき、それから、さらに二発、三発と、相手に猛追をかける。
「お前が一番罪深いやつだったんだよ!」
かおるの回し蹴りが、相手の横腹にめり込み、天邪鬼は、横に吹っ飛んだ。
地面に転がった天邪鬼の左腕が取れる。
「立てよ。クソったれが、お前と俺の信念の差ってのを見せてやるからよ!」
「ぐうううううあががああああ!!」
天邪鬼が立ち上がった。
それと同時に、かおるは相手の腹に一発、顔に二発、最後は黒雷炎を最大に纏った攻撃を全身に放ち、天邪鬼の体を焼いた。
「ぐあががガがガううあうあがあががががあああああうあうあうあうああ」
「最後だ!!」
全身を焼き尽くされる激痛にもだえる、天邪鬼に向かって、かおるは腰にためた拳を、その顔面に向かって、光速を超える速さで、放った。
鉄拳と呼ばれる攻撃が、見事ヒットし、天邪鬼の体は揺らめいて、そして・・・。
「お前じゃ、ハルカの体は似合わないんだよ。くそったれ・・・」
天邪鬼は沈んだ。
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。




