スパイばっかな件について(仮)
「やる気になったか?」
「ああ、貴様を倒して、ここから我は出る」
「いいね」
かおるは、全身に黒雷炎を纏った。
天邪鬼は全身が発光する。
「じゃあ、やりますか・・・」
その瞬間、天邪鬼の視界からかおるが消えた。
「黒雷炎竜の咆哮(ブラックライトニングフレイム・ドラゴン・ローア)!!!!」
天邪鬼が声のする後ろを振り向く。
(転移で後ろに移動するのは定石だ! そんなもので我をやれると思っているのか!)
しかし、天邪鬼にかおるを捕らえることはできない。
「なっ!」
「転移で後ろを取るのはもちろんだ。だけど、俺が転移させたのは、声だけ」
天邪鬼の後ろ、先ほどかおるがいた場所から声がする。
「俺は自分の姿を周りと同化させただけだよ。この空間じゃ容易い。じゃあ、まず挨拶代わりだ」
かおるが突き出した両腕の先から、禍々しい力を放った黒雷炎の竜が放たれる。
「くっ!!」
天邪鬼はなんとか、上体を整える。
「庇護の章! 第三章! 天の鏡!!」
天邪鬼の両手に鏡が創造される。
そして、それにかおるの攻撃を当てた。
すると、鏡の中に黒雷炎竜が吸い込まれていく。
「くうううううううう!!」
天邪鬼は全身でなんとかその衝撃を耐える。
すると、竜が最後まで入りきった。
「お前の攻撃を自分自身の手で!・・・・・」
天邪鬼は鏡の力である反射をかおるに向けて放とうとするが、かおるはすでにいなくなっていた。
(また、隠れているのか・・・?)
「お前の出方なんか一々みてられるかよ!」
天邪鬼がきょろきょろと辺りを見回していると、自身の左わき腹に激痛を感じる。
「うぐぅ!」
そして、そのまま吹っ飛ばされた。
相手は猛追をやめない。
天邪鬼に後ろから、綺麗な回し蹴りを天邪鬼にぶち込んだかおるは、吹っ飛んだ天邪鬼にすぐに追いつき、その手から鏡を奪い取った。
「この中に俺の力はまだ入ってるんだろ?」
「貴様、何を?!」
かおるは、天邪鬼の襟を持ち、地面にたたきつけた。
「ぐはあっ!!」
「せっかく出したんだ。一回くらい喰らっとけよ」
かおるは鏡を天邪鬼の顔に近づける。
「や・・・やめろ!!」
「これくらいでへばるなよ。クソ神が、まだまだ、こっちは気が治まってないんだからな」
「や、・・・・・やめ・・・・」
「まずはハルカの十年分の一日分くらいか?」
かおるは鏡を天邪鬼の顔に押し付けた。
それと同時に中から、竜が出てくる。
「うあああぅたあだああああdふぁうあうああだああああっだあだああだあだあだだああwf!!!!!」
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「こりゃいったいどうなってんだ?」
「あら、あなた達遅かったのね」
「アリス、お前、いや、というか、この状況を説明してくれよ・・・」
上野と努は、かおるからの緊急通報から、20分、なんとか中根家の家の近くまで来た。
目の前には、横になっているかおる。
そして、その周りに六人の人間がいる。
正子、トシコ、孝子、アリスともう2人だ。
四人の人間についてはわかる。
八つの枢要罪との戦闘を終えてここまでやってきたのだと、理解ができる。
後のもう一人もだ。何せ、上野たちはその人物を救うために働いてきたわけだから・・・。
だが、もう一人が・・・・。
「なんで、そいつがいるんだ?」
「説明が必要みたいね」
アリスが上野たちに微笑んだ。
上野は、かおると同じように意識を失っている井上ハルカの頭を膝に乗せている人物をにらむ。
相手も、それにきが付く。
「はは、そう邪険にしないでよ。今は君達の味方だよ」
そういい、八つの枢要罪は微笑む。
「味方ねえ?」
上野は周りを見た。
ここには、彼ら以外誰も、何もいない。
「井上ハルカの体がここにあるってことは、取り戻したのか? かおるは」
「それも途中ってことみたいよ」
アリスが苦笑いをした。
それから、上野と努に今の現状とこれまでの経過についての説明がされた。
「ってことは、今、かおるは精神の中で天邪鬼と戦ってるってことか」
「そうみたいね」
「はあ、わけわからんけど、それが最初から良太郎の作戦だったってわけね。スパイ対策ね」
上野は横をちらりとみる。
そこには、ぐるぐる巻きに拘束されている竹市がいた。
彼は、天邪鬼からのスパイだったらしい。
どうりでこちらの作戦が筒抜けだったわけだ。
「でもよ。そこまでやってくれるなら、その唯一神が全部解決してくれたらいいのにな。別に最後戦わす必要性なくね?」
「あの方が関わりすぎてしまうと、駄目だからだよ」
八つの枢要罪が言う。
「お膳立てくらいはしても、最後は自分で壁を乗り越えてこそ意味があるってもんだね」
「で、お前はその唯一神が、天邪鬼に送ったスパイだったと?」
「そう」
八つの枢要罪が微笑む。
「井上ハルカの六才までの体に天邪鬼が八つの枢要罪を付加しようとしてところに、私が割り込んだわけ」
八つの枢要罪は、戦闘で正子たちを圧倒してから、アリスが転移してきたときに、彼女達にすべてを話した。
そのときに、天邪鬼が大木から移動したからだ。
それにより、八つの枢要罪に対する監視の目がなくなり、自由になった。
そして、すべてを話し終えて、正子たちの傷の手当を終えてから、ここまで来たということらしい。
「まったく、カオスだよ。カオス」
上野は、ため息をついた。
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。




