引きこもりなはずな件について(仮)
「よし、次は七つ目だな」
かおると、竹市は六つ目の霊脈起点を移動した。
周りには、見るも無惨なキメラの残骸が所狭しとならんでいる。
かおるはそれを最後黒炎で、一掃した。
「よし、いこうか。テレポート(転移)」
2人は地上に出る。
上野たちからは、先ほど連絡があった。
そして、最後の霊脈がある場所までは全員で行くことになった。
もちろん、天使達もまだ活動はやめていないので、来るのは上野と努の2人だけだ。
後の人間は天使対峙を続けてもらう。
かおるは、空を見上げる。
正子たちからの連絡はまだない。
相手はあの八つの枢要罪だ。
強大なのは確実・・・。
(信じるしかないか・・・)
竹市とかおるは集合地点である。宮内家の家へと向かう。
宮内家は大きな結界に囲まれているため、転移することはできない。
2人は再度、車に乗り込んで、竹市がエンジンをかけた。そのとき・・・・。
「テレポート!!」
かおるが急転移を行った。
それにより2人は、中根家の外に転移する。
「な! なんだこれは?!」
竹市は中根家を見て唖然とした。
目の前にあったはずの中根家の家はもうない。
それはすでに業火に焼きつくされ跡形もなくなっていた。
竹市は上を見上げる。
体長何十メートルという巨大な人型・・・巨人?
「どうだ? 巨神を見た感想は?」
見上げるほど大きな巨人の上から、綺麗な容姿をした女性が言う。
「急な登場じゃないか」
かおるは、その人物に向かっていった。
彼の額には汗が流れている。
「ははは、ここまであがいたご褒美だ。しかと受け取れ!」
巨神と呼ばれたそれは、のぼーっとした体に、淡い発光をしている。
おそらく顔だと思われる場所には、黒い点が2つと、大きく開かれた口のようなところがあった。
全体としては、何かスライムが人型をかたどったような印象を受ける。
「巨神にしては、随分ぞんざいなつくりじゃないか?」
「姿、形などどうでも良いのだ。大事なのは、本質だろ?」
巨神がその間抜けに開かれた口をさらに大きく開く。
そして、そこから、巨大なビームをかおる達に放射してきた。
「テレポート(転移)」
かおる達はそこから、巨神の反対側に移動する。
ドガーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!
転移してから、見える先ほどまで自分達がいた場所は、大きな発光と、爆音と共に跡形もなく消え去った。
「ちょこまかとしおるな」
「不服かよ? それにしてもフライングが過ぎるんじゃないか? お前は七つ目の霊脈起点で待ってないと物語的に駄目だろうよ」
「これは我の物語だ。貴様のものじゃない。わざわざ待ってやる義理はないな」
「直接的な力を持たないお前が、俺達に対峙するために作り出したのが、その巨神だってか?」
「これは、我の力そのものだ。つまり、この巨神こそが我だ!」
「ふーん」
かおるは全身に黒雷炎を纏った。
「そのスライムなんか、俺が焼き尽くしてやるよ!」
かおるが巨神に向かっていく。
<><><>
『稲垣君からの緊急信号よ!』
上野たちのもとに、杉村から通信が入る。
「どこでだ?」
上野が聞く。
『六つ目の霊脈起点の場所、中根家よ!』
「くそ! いったいどうなっている! 相手は誰だ? 江良昌樹なら飛ばしたぞ! まさか、もう戻ってきたなんてことないよな?」
『おそらく、天邪鬼本人よ・・・』
「何!?」
そんな馬鹿な・・・。
天邪鬼は大木の下からまだ離れることはできないはず。
井上ハルカの体に、神の魂がしっかりと適合するには、まだ時間が掛かるはずだ。
その間は、安定した場所である。大木の側からはあまり離れるべきではない。
霊脈を通して、人間と神とのズレがひどくならないようにするためだ。
「とりあえず、考えている暇はないようだね」
努が立ち上がった。
「急ぐしかないってことですか」
アリスは今はここにいない。
ということは、転移することができないというわけだ。
「宗孝さん! それじゃ、後の天使狩りお願いしますよ!」
宗孝を連れて行きたい気持ちはあったが、彼にはここにいてもらわないといけない。
いくら天使を効率よく倒すことができるようになったとしても、まだ彼の力はここでは必要だ。
万が一ということもある。
宗孝は静かにうなずいた。
上野と、努は、車を借り、急いで緊急信号のあった場所へと向かう。
(時間にして、30分くらいか!)
<><><>
「貴様ごときが、我の巨神を倒せるわけがないだろう」
「引きこもりだったはずのお前が、どうやって引きこもりを脱出することができたんだ?」
かおるは、巨神からの攻撃を転移を駆使して避けながら、黒雷炎で巨神に向かって攻撃をしていた。
だが、あまり効果があるようには思えない。
(物理攻撃は効かないってか?)
「貴様は霊脈起点の近くにいなくてもいいかということを聞いているんだろ?」
かおるは転移して、天邪鬼の近くに転移しようとするが、その近くは磁場の乱れがあり、上手く転移できるところではなくなっていた。
(予防済みか・・・)
「それなら、ここにあるから充分だ!!」
そういうと、天邪鬼は胸を開いた。
すると、そこには禍々しく光る大きな石が、ハルカの胸に埋め込まれていた。
「楽しい展開になってきたね!」
「終わりが近づくぜ!」
「こら! そんなこといわない!」
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。




