退屈な件について(仮)
正子たちの背後に一瞬で八つの枢要罪が移動する。
「なっ!」
3人に向かって八つの枢要罪が黒炎による攻撃を放つ。
正子はそれをなんとか雷で、そしてトシコは変わり身の術で、孝子は結界を張り防ぐ。
正子はその炎を見たことがあった。
かおるの黒炎とは違う黒炎、かつて上野が使っていた力。
彼はそのとき、ある人間からその力を授かったといっていた。
「あなた大罪悪魔の下位互換の力を使うことができるわけですね」
「下位互換とはひどい言い方だね。でもまあ、そうだよ。私の使う力は彼らの力の足元にも及ばない力だ。だけど、君達にとってはどうかな!」
今度は八つの枢要罪は黒雷を3人目掛けて飛ばす。
正子はその雷撃をかわしながら八つの枢要罪に近づいていく。
先ほどの圧力に対する恐怖心は今はもうない。
こんなところで心が折れていては、今まで助けてくれたかおるに申し訳がない。
それは他の2人も同じだった。
孝子は一旦下がり、二人に結界と強化魔法をかける。
トシコは、クナイと手裏剣を放ちながら、相手をかく乱する。
八つの枢要罪は、右手から黒炎を、そして左手から黒雷を出して、それをあわせた。
「君達なら、この力の強大さはわかるだろう? إطلاق النار "البرق الأسود"(黒雷炎)!!」
八つの枢要罪を中心として、辺りが巨大な爆発に包まれる。
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社にて起こっている大きな爆発を、かおるは遠くから確認した。
(みんな・・・・)
「おい、大丈夫なのか?」
「うん、もう回復はした。次の霊脈起点に向かおう」
かおるは、3人が大丈夫であることを願って、次に向けて転移した。
「ここは?」
「ここは、五つ目の霊脈起点がある駅のターミナルの地下だ」
竹市の問いにかおるが答える。
2人は薄暗い明かりの中を進んでいく。
霊脈起点はあと三つ。
それをすべて移動することができれば、ハルカを救うことができる手はずが整うはずだ。
「竹市君、止まって」
その言葉で岡本を抱えている竹市が止まった。
「まったく、こういう地下で、出てくるなんてなんか懐かしいな・・・」
そういったかおるの視線の先には、数十体の生き物が口からよだれをたらしながらこちらに向かってきていた。
ガルルルルルル!!!
グアアアアアア!!!
数種類の珍獣が姿を現す。
「キメラか・・・・」
竹市がそれを見ていった。
キメラは後ろからも来る。
ライオン型や、空を飛んでいるもの、また、ケンタウロスのようなものや、巨大蛇のようなもの、その他かなりの数がいた。
「多分、もともとここを守護していた連中だろうな。こんなやつらで、まさか俺達を止められるとは思ってはないだろうから」
かおるはふっと笑った。
こんなキメラを見ても、何も思わなくなった自分が少しおかしい。
もう普通ではない生活に順応してしまっているということだ。
「一瞬で終わらすよ」
こんな洞窟染みた一方通行の道で、左右から挟まれたところで問題はない。
かおるは両腕に黒炎を纏った。
そして、それを広げて、前と後ろに向けた。
「次はどこなんだ?」
竹市と、かおるは五つ目の霊脈起点を移動さして、六つ目へと向かっていた。
「六つ目の場所は、転移できる場所にないんだ」
「それってどういうことだ?」
「その場所の周りに結界が張られていて、時空をゆがめられている。だから座標がはっきりとしない」
「それは、敵の罠ってことか?」
「多分な」
2人は、途中で車を拝借して、竹市の運転で六つ目の場所である宮内家の分家である。中根家へと向かっていた。
中根は、大罪悪魔アウモデウスが宿っていた人物だ。
その人間の家に霊脈起点があるということは何かあると間がえるのが普通だろう。
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「さてと、休憩も終わりですね」
上野が立ち上がって延びをする。
「これからどうするんだい?」
宗孝が上野に聞いた。
天使からの攻撃はまだ終わっていない。
だが、川口家と、忍衆の参加と天使の属性の把握で、かなりこちらがすでに優勢だ。
「これから、本格的に神殺しの準備に取り掛かるんですよ」
「君達は、はなからどの家の人間にも神を殺させるつもりはないんだろ?」
「どうしてです?」
「いや、神殺しは成し遂げるつもりではあるが、我々の周辺の土地の人間は、ただのお飾りだ。つまり、利用したってことだろ?」
上野はその問いにすぐには答えなかった。
数秒宗孝に笑みを向けてから、口を開く。
「その通りです」
そこで、さらに微笑んだ。
「ははははは!」
宗孝は大声で笑った。
まさか、ここまで盛大にだましてくれるとは思っても見なかったからだ。
しかし、その可能性を頭の中で考えたわけではない。
それなのに、この話を受けたわけ。
それは、おそらくどの土地の人間も同じことだ。
退屈・・・・・・。
それが、異能力者の中の世界では蔓延している。
力を持っていたとしても、それを本気で使用する場面がない。
何か大会があったとしても、それは制約付きのものだ。
そんなものでみなが満足できるほど、人間が成っているものばかりではない。
「怒りました?」
「いいや、全然、力が使えるならそれでいいと思う連中ばかりだよ。多分ね。だから、むしろ感謝しているくらいだ。私だって、あそこまで本気をだせて楽しかった」
「はは、それはよかった」
「あの、懐かしいキメラがあああ!」
「すぐに退場したな」
「おい! 作者もっと丁寧に!」
「作者は勢いで書くタイプだからなあ・・・」
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。




