すべての生みの親な件について(仮)
「そうだよ。彼は今前線に出てる。そして、今、対峙してるのが川口家当主、川口宗孝と、大罪悪魔ベルゼブブを宿した宮内家当主、宮内努だね」
かおるはそれを聞いて、努が気を聞かして、予定よりも早く現場に行ってくれたのだと理解した。
「2人の力は確かに強大だね。2人がかりなら、君でも苦労するだろう。だけど相手は彼だ。君達はおそらく彼に対するときの作戦を考えているから、簡単にはやられないとは思うけど、もっと十分だね」
万が一、かおる達の作戦、霊脈起点を破壊し、江良さんの力を半減させることができなかった場合、かおる達の敗北は決定的だ。
ベルゼブブの力は暴食、自然界のエネルギーを食らうことで、ほぼ無限の魔力を使うことができる。
努はその力を使って、風魔法を駆使して、江良さんとの距離を上手くとりながら戦っているだろう。
これは、彼と対峙したときに、どうすればよいのかを考えた結果たどり着いた答えだ。
「それがわかってるなら、そこをどいてもらいたいんだけど」
「それは駄目だよ。私も流石に、ここまで来たら、君と敵対しないといけない」
「君は、天邪鬼側だったのか?」
「いーや。正確には違うけど、今はそうだね」
上野、かおると、子供ハルカとの距離が縮まってくる。
「なら! 力ずくで通るしかねえな!」
上野が、炎を右手から出し、それを彼女に向かって放った。
「無駄だよ」
しかし、その攻撃は彼女の手前で消失する。
「神が私に付加した力、いや、存在は君達の生みの親なんだからね」
「八つの枢要罪・・・・」
かおるがつぶやく。
「そう、八つの枢要罪。それは七つの大罪の元になったものだ。「暴食」、「色欲」、「強欲」、「憂鬱」、「憤怒」、「怠惰」、「虚飾」、「傲慢」からなる枢要罪、これを元にして君達はできている」
唯一神が、自らに歯向かった七人の人間を大罪人として、七つの大罪とする前。
神は、自らに歯向かうまでいかなくても、それに順ずる人間を八つの枢要罪としていた。
しかし、彼らは大罪悪魔ができると共に消滅。その役目を終えた。
その力を天邪鬼は呼び覚まし、それをハルカから引き離した六才の子供に付加したわけだ。
「やっぱり駄目か」
上野は、自身の力が消滅したのを見て納得した。
「残念だけど、君達はここでジ・エンドだよ。君達からすれば、あの江良昌樹よりも、私は強大な存在だからね」
上野や、かおるの攻撃はどれだけ逆立ちをしても、彼女に届くことはない。
八つの枢要罪は、大罪悪魔の生みの親、つまり、彼らの力である漆黒の力自体は、八つの枢要罪の門を一度通ってから大罪の力として出現する。
これは、唯一神が決めた法則で、絶対的法則、つまり真理だ。
そして、八つの枢要罪の力を持つ彼女は、その門を閉じることができる。
ということは、結果として漆黒の力すべてを却下できるわけだ。
上野はそれが本当なのか先ほど試したわけだ。
このことについても良太郎はすべて調査していた。
「例え俺達の力がお前に届かなくても、お前自体の力はどうなんだよ? 門を閉じるってことはお前自体も力を使えないってことだろ?」
確かにそうだ。
八つの枢要罪の力も、もちろん、そこから使うということは、それを閉じてしまえば、彼女も力を出すことはできないはず。
「私には、もう一つの力が付加されているのよ。これは天邪鬼がしたものじゃないけどね」
そういって、微笑む彼女は天に手を掲げた。
すると、そこから、ロケットランチャーが出現する。
「私の力、それは全生成、すべての武器を生成することができる」
「は?」
彼女はそのロケットランチャーを上野に向けて、引き金を引いた。
ロケットランチャーから飛び出した砲弾が彼を襲う。
「おいおいおいおい! それは勘弁だろうが!」
上野は、その攻撃をなんとか横っ飛びして避けた。
砲弾が、後ろにある木々にぶつかる。
そして、大きな音を立てて、木々を燃やした。
「これがあれば、生身の君達くらいなら、簡単に倒すことができるでしょ?」
そういい、微笑む彼女は、周りにさらに複数の武器を生成した。
そして、それを組み合わせて大きな超高性能の武器を作り出す。
「じゃあ、さようなら!」
その武器の引き金を引く。
すると、そこから、銃弾、砲弾、やり、散弾、火炎放射、毒針、電撃、かまいたち、圧縮弾、ミサイル、その他もろもろ、100以上のものが、かおる達に向かってくる。
(間に合ってくれ!)
かおるは目を瞑り、祈った。
神でなくてもいい。悪魔でもいいから、ここで彼女達が来ることを・・・。
ドガーン、ドガドガドガドガドガドガドガドガ!!!!!!
かおる達がいた場所に大きな爆音が鳴り響き、そして大きな爆風が巻き起こった。
通常の彼らなら防げる攻撃、しかし、今の彼らは力を失っている。
防ぐことは不可能・・・・。
「あらら、まさか、そういうことなのね。これが、ルシファーが考えた私対策ってこと」
「遅れて申し訳ありません!」
「ちょっと、道に迷っちまった」
「でも、これでもう大丈夫ですわ」
爆風が風で巻き上げられる。
すると、そこには、八つの枢要罪の攻撃をすべて防御した防壁が出現していた。
「ったく、世話の焼けるやつだ」
そこには、五人の人物が立っていた。
「ちゃんと、連れてきたわよ」
かおるに、最後アリスが微笑む。
「すべての生みの親あああ、その名もおおおおお!」
「やめろ、その某サンシャインみたいな話し方は!」




