漸く全員登場な件について(仮)
「くそ! なんて強さだ!」
宗孝は、人生で始めて恐怖を覚えていた。
確かに、宮内家前当主である、宮内清は強かった。
戦ったことはないがそれはわかるほどのオーラがあった。
しかし、これほどではない。
こんなオーラは初めてだ。
こいつ、本当に人間なのか?
「どうしたんや?」
目の前の人物が、首をかしげた。
「攻撃をしてこーへんのか? なら、こっちから行くで」
と、相手が言った瞬間、距離にして50メートルはあった宗孝との距離がほぼゼロになる。
「な!」
相手の鉄拳が宗孝の顔面に向かってくる。
そのこぶしを見て、宗孝は悟った。
(これを受ければ死ぬ!!)
しかし、宗孝に相手の攻撃を防ぐだけの力はない。
彼はそこで、死を受け入れた。
「うわあ!」
そのとき、宗孝と相手との距離が開く。
相手がなぜか遠く飛ばされたのである。
「くそ! なんや?」
「これが、江良昌樹か・・・・」
そのとき、宗孝の隣に、ある人物が来る。
「あなたは・・・・!!」
「大丈夫かい? 川口家当主」
宗孝の隣に立っている人物は、現在の宮内家当主、宮内努。彼だった。
(宮内家は敵なはずじゃ?)
努は、宗孝の表情から、彼の疑問を感じ取ったようだ。
「あなたの疑問もわかりますけど、ここは一緒に共闘と行きましょう。相手は強大だ」
「いくら2人がかりでも・・・」
宗孝は、努の実力をある程度把握している。
優秀ではあるが、非凡ではない。
平凡の人間の努力型。
そんな印象だった。
だから、今の努を見て思う。
(いったい、誰だ?)
まるで、宮内清と同様の圧力、それが、努から出ていた。
「2人がかりでも、厳しい。その通りです。ですが、ここで諦めては、川口家の名が廃れますよ」
「は?」
「あの、武等派といわれた川口家が、たった一人の高校生にやられては、爆笑物ですね」
宗孝は、一つため息を吐いて、立ち上がった。
そう。そもそも戦争を起こした時点で、覚悟は決めたはず。
(まったく、この人のこういうところが、嫌いなんだ)
「それで、どう対処するんですか?」
江良昌樹と呼ばれた人物は、今、川口家の部下が放った蝋人形と戦っていた。
戦うといっても、どれも一発で破壊している。
「私の能力は風です。相手がいくら強大でも、体を飛ばされてはしょうがない。といっても、もちろん相手は足の握力もあるので、簡単には飛びません。だから、先ほどのように攻撃に集中したとき、そのなら、意識が別に言ってるので、飛ばせる。だから・・・」
「自分がおとりになるんですね?」
「ええ」
努はそこで微笑んだ。
助けに来てくれたことはうれしいが、もっと他にまともな作戦はないものなのか。と宗孝は思う。
「はあ、わかりました。でもそれでやつが倒せるんですか?」
「いえ、私達は時間稼ぎです、もうすぐ、仲間が彼の力を半減させてくれる。そして、もう一人こちらに向かってきてくれます。それまでの辛抱ですよ」
簡単に言ってくれる。
宗孝は自身にもう一度、かつを入れた。
人生で始めて感じた恐怖と、死。
正直、体の硬直が取れたわけではない。
だが、彼を信じるしかない。
「とりあえず。遠距離攻撃ができる人以外は下がらせてください。近距離では簡単にやられます」
宗孝はうなずく。
彼は無線で指示を出した。
「では、行きますよ」
「はい!」
宗孝と努が、江良に向かっていく。
彼は大量生産された、蝋人形と蹴散らしている。
「斬撃剣!!」
宗孝は、自身が本気になるときだけ使用する。日本刀を取り出した。
それを構えて、江良に向かう。
「はああああ!」
宗孝の刀が、江良さんを真っ二つにせんと、上から振り下ろされる。
「刀か!」
だが、江良さんはその刀を軽く片手で防いだ。右手の人差し指と親指で器用にはさんでいる。
「くっ!」
宗孝は刀を諦めて、それから手を離し、魔力を込めた衝撃波を、近距離から放つ。
「はああああ!!!」
それが江良さんの体に直撃して、あたりが爆風に巻き込まれ、見えなくなる。
「おいおい、刀もったいないやんけ」
予想できていたことだが、相手はまるでダメージを負っていない。
ただ、その体に着られている服が多少のダメージを負うだけ、そして、右手に刀を握っていた。
「わし、日本刀って使ったことないねんなあ、いっちょ使ってみるか!」
江良さんが、日本刀を握りなおし、それを振りかぶって宗孝に向かってくる。
眼にも留まらぬ速さで、移動し、今度は宗孝を真っ二つにしようと、攻撃してくる。
しかし、それは成功しなかった。
江良さんの手から刀が消えたからだ。
「それは私の刀だ。お前などにくれてやるか!」
そして、今度は宗孝の手にそれがあらわれる。
それを横に一振りする。
しかし、それももちろん、簡単に江良さんに防がれる。
「なんか、お前むかつくな。一旦眠っとけや!」
江良さんが、鉄拳を宗孝に放ってくる。
もう、彼になすすべはない。
「うわあ! またか!」
だが、その瞬間、江良さんの体が浮き、遠くに飛ばされる。
「ちっ! めんどくさいやつが一人おるのお!」
「それは、私のことか?」
「ああ、お前のことや! お前、大罪悪魔やろ!」
「流石だね。一目みて気が付くとは、そう、私は大罪悪魔が一人、暴食を司る、ベルゼブブだ」
「やっと七人揃ったね」
「まあ、七人ではないんだけどな。実質2人消えてるから・・・」
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。




