もしかして・・・な件について(仮)
「ちょっと上野、俺、わき腹が痛くなってきたわ」
「は?」
「ちょっと、逃げるのもしんどくなってきた・・・」
「はあああああ?!」
かおるは横腹を押さえながら、苦悶の表情で上野に訴えてきた。
かおると上野は、最初の公民館の地下にあった。霊脈起点の破壊に成功した。
2人はその後、さらに2つの霊脈起点の破壊に成功し、今、先ほどよりお大勢の天使から逃げながら、次の場所である。彦ノ神社に向かっていた。
「お前、体力なさすぎるだろ!」
「俺はインドア派なんだ。転移できるならまだしも、こんなに走るのは誤算だった」
「俺なんて、人一人担いでるのに、お前それはないんじゃないか?」
「いや、そんなこと言われても、体力はどうにもならないだろ?」
2人は、天使からの攻撃を防ぎならが会話している。
「身体能力強化で、なんとかなるだろ?」
「だから、最後の戦いのために、今、体力温存中だからさ」
「いやいや、本末転倒もいいところだぞ? 今体力なくしてるからな!」
かおるは、それを聞いて、納得した表情になった。
「それもそうだな。というか、ここまで来たら、転移したほうがよさそうだ」
「それは・・・・うん。確かに・・・」
まさか、ここまで天使にてこずるとは思ってなかった。
それに、天使に見つかったということは、居場所は特定されたと同じだ。
(いやあ、変に考えすぎたみたいだな)
かおるは、気を張りすぎていて自分が無駄に空回りしていたことに、そこで気が付いた。
緊張を保っておかなければならないのはもちろんだが、そこで萎縮してしまっては元も子もない。
かおるは、神と対峙し、江良さんとの戦いでボロ負けしたことを、自分が心のどこかで引きずっていたことに、そこで気が付いた。
(まさか、そんなことに今まで気が付かなかったとはな・・・)
上野とかおるが道のど真ん中で、止まったので、それを好機として、天使が一斉に襲い掛かってくる。
その全員がウリエルの炎をもちろん付加していた。
「ああ、もういいや」
かおるが、全身に黒雷炎を纏う。
そして、それを周囲の天使に向かって全方向に放った。
天使がそれをウリエルの炎で防ごうとする。
「無駄だよ」
だが、かおるの攻撃はウリエルの炎では防ぐことができなく、周囲の天使は一掃された。
「やべえな。かおる。力増してんじゃね?」
「まあ、このためにいろいろやってきたからな。じゃあとりあえず。転移しますか」
「頼んだぜ」
「テレポート!」
上野と、かおる、そして上野に担がれた岡本がその場から転移した。
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「どうですか?」
「結構調子いいんじゃないかしら、どの家も、順調に中心に向かって進めているわ」
杉村と、中田は大画面のモニターを見ながら会話していた。
その部屋は、各拠点をつなぐ役割をしていて、それぞれの家に対しての補佐をしているわけだ。
一応、本拠地としているが、その実態は2人の能力者がいるだけである。
「川口家が、一番早いですね」
「まあ、一番の武等派だしね。でも木藤家も調子がいいわね。東西からの攻撃がいい感じね」
2人の会話はまるで、ゲームの実況でもしているかのような雰囲気である。
といっても決っして2人はふざけているわけではない。
会話こそ軽いが、その眼は真剣であり、適宜あらゆる状況を見ながら各家に対して適切な指示を与えていた。
そのおかげもあり、すべての家が、ほとんど被害がなくここまで進んでいた。
「ここまでで、どれくらいって感じですか?」
「うーん、三分の一くらいじゃないかな」
戦争が開始してから、すでに一時間が経とうとしていた。
戦況は、かおる達が有利であり。
こちらの土地の占有率も、すでに四割ほどとなっていた。
「まあ、でもまだ。外を固めただけだからね。問題は中心、そこにいる人物よね」
「江良昌樹ですね」
「ええ、彼が出てくれば戦況はいっぺんする。稲垣君ですら、かすり傷くらいしか付けれなかった相手だものね。正直、倒し方なんて思い浮かばないもの」
「ですよねえ。だからこそ霊脈の破壊が大事になってくる」
「そう。彼を弱体化させない限り、無理なのよ」
杉村はそういって、微笑んだ。
江良さんに対する対処法は、霊脈起点を、半分以上破壊する。
そうすることによって、彼の力が半減するということが、良太郎の調べでわかった。
そして、彼には上野が対峙する。
(半減したとしても、いったい上野はどうやって、戦うのか・・・)
中田は思った。
ピピピピピピピ!!!!
そのとき、緊急アラートが鳴った。
これは、緊急事態に陥ったときに鳴らすものだ。
それが、川口家から鳴った。
「はい! どうしましたか?」
杉村が出る。
『こちら、高岡! やつがあらわれた! 至急応援を頼む!』
「やつ?」
『やつだ! 江良昌樹だよ!!』
(そんな?!)
予定と違う。
本来なら、彼は宮内家にてまだ、警護を行っている予定のはず。
全軍が、中心街に入ってから、彼が出てくる。
それが、予想される展開だった。
「どのくらいなら耐えられる?」
『宗孝さんが、がんばってるけど、流石に無理だ!』
まだ、かおる達からの連絡はない。
ということは、まだ霊脈起点の破壊のノルマが達成されていないということだ。
「私が行こう」
そのとき、部屋に入ってきていた。宮内努が言った。
「かおる馬鹿じゃん」
「いや、なんかね。凝り固まってしまったわけだな」
「ばーかばーか」
「おい!」
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。




