第21話:変身封印!? 誕生・女王クイン=チカノコと絶望の選択!
【アバン】
昨日の冷たい雨は上がっていたけれど、空はどんよりとした灰色に固まったままだった。
事務所の控室。テレビの画面に映し出されていたのは、街頭の防犯カメラが捉えた惨状だった。
『本日早朝、煌星市内の商店街にて、謎の覆面集団「カガヤキタインジャー」を名乗る者たちが商品を強奪、街頭のポスターや看板を次々と破壊する事件が発生しました』
画面の中、あの安っぽいビニール地のスーツを着た赤や黄色の泥人形どもが、高笑いしながらお店のショーウィンドウを叩き割っていた。
しかも、胸元には私たちが着ているパステリズムの衣装を模した、汚く歪んだロゴマークがでかでかと貼り付けられている。
『警察によりますと、彼らは「我々こそが真のキラリンジャーだ」「地上のアイドルなど偽物だ」と主張しており……』
アナウンサーの声が、頭の奥でキーンと嫌な音を立てて響く。
「なによ……あれ……っ」
咲が、震える手でリモコンを握りしめたまま、掠れた声を漏らした。
ポニーテールはボサボサのままで、昨日カガヤキタインジャーに叩きのめされた膝の擦り傷には、痛々しい湿布が貼られている。
「私たちが……街の人を守るために頑張ってきたのに……あいつら、私たちの名前を使って……街を壊してる……」
「ネット上のトレンドも最悪です」
葵が血の気を失った顔で、タブレットの画面を私たちに見せてきた。
『キラリンジャーが悪堕ちした?』『パステリズムの自作自演か?』なんていう悪意に満ちた書き込みが、怒涛の勢いで拡散されている。
「私たちの評判を落とし、市民の信頼を失わせるのが彼らの狙いです」葵の指先がカタカタと震えていた。「論理的な反論動画を作成しようにも……昨日の敗北映像が流出している以上、説得力を持ちません。完全に……詰んでいます」
「嫌だよぉ……」
桃がソファの片隅で膝を抱え、涙をぽろぽろと零した。
「私……街を歩くのが怖い……。みんなが私たちのこと、嫌いになっちゃったのかな……」
「……クソがッ!」
翠が突然、壁を拳で激しく殴りつけた。
ドカン、と鈍い音が部屋に響き、飾られていた小さな観葉植物の葉が揺れる。
「負けたからって、手も足も出ねぇで泣いてるだけかよ! 悔しくねぇのかよ! あんなパチモンに私たちの場所を奪われて……黙って見てる気かよ!」
翠の叫びは、だけど途中で力なく消えてしまった。
壁を叩いた自分の拳を握りしめたまま、翠の肩が激しく上下している。
分かっているのだ。怒ったところで、今の私たちにはどうすることもできないってことが。
私は自分の左腕をそっと撫でた。
ジャージの袖の下。そこに巻かれているキラリンチェンジャーは、あの激しい衝撃で焼き切れたみたいに冷たく沈黙したままだった。
心の中の火が、消えかけている。
一度は泥の中から立ち上がったはずなのに。仲間と手をつないで奇跡を起こしたはずなのに。
『自分たちの放つ光が、誰かの怨念を生み出していた』という事実が、私たちの足元を底なしの沼みたいに崩し去っていたのだった。
---
【Aパート】
カツン、カツン、カツン。
控室の静寂を切り裂いて、重く冷たいヒール音が近づいてきた。
ドアが静かに開き、白いパンツスーツ姿の月城玲奈さんが姿を現す。
その背後には、愛咲美玲さん、火ノ宮紅葉さん、雷咲ひかりさん、美咲あきさん、天照陽菜さん――ステラプリズムの先輩たちが、全員揃って控室へ足を踏み入れようとしていた。
誰も口を開かない。
先輩たちの瞳に宿っていたのは、同情でも呆れでもなく、重苦しい『厳意』だった。
「全員、手首を出しなさい」
玲奈さんの第一声は、氷のように冷たかった。
「え……?」私は顔を上げた。
玲奈さんは手に持っていた黒いバインダーを脇に挟むと、金属製の重厚なトランクケースをテーブルの上に置いた。パチン、とロックが外れる甲高い音が響く。
「な……なんですか、玲奈さん……?」
咲が怯えたように身を引く。
「チェンジャーを回収します」
玲奈さんは一切の感情を排した声で命じた。
「あなたたちの『キラリンチェンジャー』、およびセットされている【五つの属性キー】を、これより当事務所のセーフティルームにて一時保護……全機能を完全封印します」
「っ!???」
部屋の中の空気が、一瞬で凍りついた。
「封印って……どういうことですか、玲奈さん!?」
私が弾かれたように立ち上がった。
「変身能力を奪うってことですか!? 今、街ではあの偽物たちが暴れていて、私たちの名前が汚されているんですよ!? チェンジャーが使えなくなったら、私たちはどうやって――」
「今のあなたたちに変身を許可することは、自殺行為だからです」
玲奈さんが、私の言葉をバッサリと遮った。
「あき。数値を提示しなさい」
「はい」あきさんがタブレットを操作し、ホログラムの数値を空中に投影する。
「昨日の敗北以降、あなたたち五人の精神波動は極度に低下……同調率(シンクロ率)は過去最低の12%まで暴落しています。属性キーのエネルギー波形も酷く歪み、いつ拒絶反応による暴走を起こしてもおかしくない状態です」
あきさんの冷静な声が、私たちの胸に刺さる。
「この状態で変身を試みれば、スーツが構築できないばかりか、敵の持つ『暗黒波動』に属性キーが浸食されます」あきさんは私をまっすぐに見つめた。「結果として……あなたたちが大切にしてきた属性キーは敵に強奪され、あなたたち自身も再起不能の精神破壊を被る。……それが、現在の客観的な予測データです」
「そんな……っ」葵が言葉を失い、自分の胸元を押さえた。
「納得がいきません!」
翠が玲奈さんに詰め寄った。
「たしかに昨日はヘカした! メンタルもボロボロだ! けどな、チェンジャーまで取り上げられたら、私たちは本当にただの落ちこぼれアイドルに戻るじゃねぇか! 泥の中から立ち上がるって……約束したのに!」
「立ち上がるための足腰が折れていると言っているのです、翠」
玲奈さんは一歩も引かなかった。銀色の瞳が、鋭く翠を射抜く。
「あなたたちは『自分たちが光になれば、世界は救われる』と無邪気に信じていた。ですが、光が強くなればなるほど、足元の影は深く、暗くなる。……その『影の泥圧』に押し潰され、自分たちのアイデンティティすら見失った者に、戦隊を名乗る資格はありません」
玲奈さんは手際よく、私たちの左腕から冷え切ったチェンジャーを外していった。
金属が皮膚から離れる感触。
まるで、身体の一部を引きちぎられたみたいな、虚無感が全身を駆け巡る。
「嫌……嫌だよぉ……」
桃がチェンジャーを抱きかかえるようにして泣いた。
「私……歌うことも……戦うこともできないなら……私、何のためにここにいるの……っ!?」
「自分自身で考えなさい」
玲奈さんは五人のチェンジャーをトランクケースに収め、重い音を立ててフタを閉じた。カチリ、とダイヤルロックが回る音が、私たちの死刑宣告みたいに響く。
「変身能力に依存し、歓声という甘い毒に酔いしれていた自分たちと向き合いなさい。……それができない限り、あなたたちに二度とこのケースが開かれることはありません」
玲奈さんはトランクを持ち、背を向けた。
「玲奈……本当にいいのか?」
紅葉さんが低く尋ねたが、玲奈は振り返らなかった。
「出撃準備を始めなさい、ステラセイヴァーズ。……カガヤキタインジャーの処置は、私たちが執り行います」
静かに閉ざされた控室のドア。
残されたのは、手首にぽっかりと冷たい空洞を抱えた、傷だらけの私たち五人だけだった。
---
【Bパート】
静まり返った控室。
エアコンの微かな送風音だけが、部屋の中に虚しく響いていた。
チェンジャーのなくなってしまった私の左手首。
そこには、今までずっと一緒に戦ってきたエンブレムの重みも、あの温かい情熱の脈動も、何一つ残っていなかった。
「……っ……ふぐっ……」
静寂を破ったのは、咲のすすり泣く声だった。
膝に顔をうずめ、ポニーテールを丸めるようにして小さくなっている。
「変身もできない……アイドルとしても歌えない……正体もバレそうになって……街の人からも嫌われて……」
咲の途切れ途切れの声が、胸を刺す。
「私たち……もう終わりなの……? どん底から這い上がってきたと思ったのに……ここが本当の……本当の終わりなの……?」
「葵ちゃん……」桃が涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げた。「データで……計算してよぉ……。私たちがまた笑える確率……出してよぉ……っ」
葵は、自分の膝の上に置いた両手を固く握りしめていた。
メガネのレンズが、室内灯の光を反射して白く光っている。
「……計算、できません」
葵の声は、今まで聴いたことがないくらい小さく、震えていた。
「同調率12%……変身能力の封印……世間のバッシング……。あらゆる変数がマイナスに振り切れています。現在のデータ構造から導き出される未来は……全滅、以外に存在しません……」
葵の指先から、ポロポロと涙がこぼれ落ち、制服のスカートに黒い染みを作っていった。
知性派の葵が、データで自分たちの絶望を証明してしまうのが、何よりも痛々しかった。
「クソッ……! クソッ!!」
翠が木刀を床に叩きつけた。ガツンと甲高い音がして、木刀の先端に亀裂が入る。
「泥の中から立ち上がるって言ったのは……嘘だったのかよ……!? あの合宿も、あの激闘も……全部全部、ただのごっこ遊びだったのかよ!!」
翠の叫び。だけど、誰も答えられない。
悔しい。情免ない。
私たちは、強い敵(ヴァルゴやカゲノコ軍団)には立ち向かえた。命を懸けて仲間を守ることもできた。
だけど――『誰かからの酷い嫉妬』や『自分たちの存在が誰かを傷つけているという罪悪感』には、あまりにも脆かったのだ。
(私……リーダーなのに……)
私は自分の胸に手を当てた。
心臓が、トクン、トクンと弱々しく打っている。
(何のために、戦ってきたんだろう。何のために、みんなと手を繋いできたんだろう……)
答えてくれるものは、何もなかった。
◇
その頃。
煌星市の最深部。棄てられた旧地下水路の、ドロドロとした暗闇の中。
『ヒハハハハ! 見たか! あの高高しいキラリンジャーの無残な姿をよぉっ!』
カガヤキタイ・レッドが、奪い取った大量の『応援エネルギー』が詰まった黒い瓶を掲げて高笑いしていた。
周囲には、何百体ものチカノコたちが集まり、黒いケミカルライトを狂ったように振り回している。
『スゲェぞレッド! 地上の連中、オレたちの動画を見てキラリンジャーを叩いてる!』
『ザマァ見ろ! オレたちも路上でチヤホヤされたい! 地上の光を全部奪ってくれぇっ!』
『ケケケッ! まだ足りねぇな! たかがニュースで騒がれたくらいじゃ、アイツらの心は完全に折れてねぇ!』
カガヤキタイ・レッドが、仲間である黄色、青、ピンク、緑のパチモンスーツの4人を見回した。
『もっとだ……! もっと圧倒的な存在になって、あいつらを……地上の連中を、二度と立ち上がれないくらいの絶望に叩き落してやるんだよぉぉぉっ!』
『オォォォォォッ!! カガヤキタイ! オレたちも真の王になりたいーーっ!!』
5人のパチモン戦隊が、奪った応援エネルギーの瓶を、自分たちの胸元へと直接突き刺した!
ズズズズズズズズッ!!!!!
『ギシャアァァァァァァッ!??!?』
絶叫。
5人の体から、どす黒い紫色の毒気と、腐敗したドロドロの怨念が津波のように溢れ出した。
ビニール地の安っぽいスーツがドロドロに溶け合い、5人の身体が骨ごと不気味に歪み、重なり合っていく!
『もっと……愛せぇぇぇっ! オレたちだけを見ろぉぉぉっ!』
地下水路の天井がガラガラと崩れ落ちる。
怨念の渦の中から立ち上がったのは――。
身の丈十メートルを超える、巨大な合身怪人。
全身を黒いドレスのような甲殻で覆い、頭部には歪んだ女王の冠。その顔面は、5人のパチモンスーツの面が苦悶の表情で浮き出た、悪夢のような怪物。
『我は……日陰の落とし子たちの女王……【クイン=チカノコ】……!!』
ドガアァァァァンッ!!
地底から解き放たれた絶対的な毒気が、煌星市の地上へ向かって、一気に吹き荒れ始めた!
---
【Cパート】
ドスン……ッ! ドスン……ッ!
地鳴りだった。
事務所の控室にいた私たちの足元が、激しく揺れた。
窓の外を見ると、澄み切っていたはずの秋の空が、街の中心部から湧き上がった紫色の不気味な煙幕によって、一瞬で黒く覆われていく。
「な……なに……!?」
咲が窓にしがみつき、目を見開いた。
「巨大なエネルギー反応……! 地下最深部から、未知の生命体が浮上しました!」
葵が血の気を引かせた顔で、端末の警告音を聞いていた。
「計測不能の暗黒波動……! カガヤキタインジャーの反応が消滅し……ひとつの巨大な個体へと融合しています!」
モニターに映し出されたのは、駅前広場を巨大な黒い爪で踏みつぶす、『クイン=チカノコ』の姿だった。
『オホホホホ! 聞こえるわ、地上の虫ケラどもの悲鳴がぁ!』
クイン=チカノコの口から放たれた黒い超音波が、周囲のビルのガラスを根こそぎ粉砕していく。
黒いケミカルライトの光線が街を焼き、逃げ惑う人々が悲鳴を上げて転倒する。
『見なさい! これがあなたたちが無視し続けた、地下の怨念の姿よ! すべてを闇で塗り潰してあげるわぁぁっ!』
「そんな……あんな巨大なバケモノ……」桃がガタガタと震える。
「嫌……もう誰も傷つけたくない……でも、私……動けないよぉ……っ」
その時だった。
画面の中で、一閃の純白の光が弾けた。
『――星の威厳にかけて、悪しき暗悪を討つ!』
セーラー服の魔法装束に身を包んだ、ステラセイヴァーズの6人――ルナリア、ウェヌリオン、フレイム、エクレール、シヴァイアサン、ソラリアが、クイン=チカノコの前に立ち塞がったのだ!
「先輩たち……!」翠が息をのむ。
「烈火の結界!」「雷鳴破砕!」
フレイムとエクレールが、果敢に必殺技を叩き込む!
だが――!
ドガアァァァンッ!!
『無駄よぉっ! あなたたちの眩しい光など、我が深遠の闇には届かないわぁっ!』
クイン=チカノコが放った黒い怨念の波動が、先輩たちの必殺技を正面から呑み込み、そのまま6人をまとめて吹き飛ばした!
「くっ……あぁぁぁぁっ!?」
ルナリア(玲奈さん)の白い装束が激しくスパークし、瓦礫の上を転がる。
「そんな……!? あのステラセイヴァーズの先輩たちすら……一撃で……!?」
咲の絶叫。
あの強くて、完璧で、雲の上の存在だった先輩たちが、クイン=チカノコの圧倒的な暗黒体力の前に、追いやられていく。
画面の中で、倒れ込んだ玲奈さんが、血のついた手で剣を握り直し、街の人々を庇うように立ち塞がっていた。
そして、その背後の崩れたビルの陰から、幼い女の子とお母さんが、恐怖で抱き合いながら泣いている姿が映し出された。
「あ……」
私の喉から、かすかな声が出た。
チェンジャーはない。変身能力は封印された。
スーツも、属性キーの武器も、私たちには何もない。
ジャージ姿の、ただの傷だらけの女子高生。
だけど――。
あの画面の向こうで泣いている女の子の顔。
有明のステージで、公民館で、一日警察署長で、私たちに「ありがとう」って笑ってくれた人たちの顔が、脳裏を駆け巡った。
(私たちは……何のために立ち上がってきたんだっけ?)
ちやほやされたかったから?
格好いいヒーローになりたかったから?
違う。
誰かが泣いている時、その手を握り返してあげたかったからだ。
泥の中でも、笑い合える仲間がいたからだ。
「……行くよ」
私はぽつりと呟いた。
「え……?」葵が私を見た。
「茜……? 何言ってるのさ……チェンジャーもないのに……!」咲が私の服の袖を掴む。
私は、自分の左手首――何もない、冷たい皮膚を強く握りしめた。
「チェンジャーがなくても……変身できなくても……関係ない」
私は振り返り、四人の顔をまっすぐに見つめた。
「あの場所で泣いてる人がいる。玲奈さんたちが、命がけで街を守ってる。……だったら、足が動かないなんて言ってられないよ!」
「茜ちゃん……でも、私たち生身だよ!? 行ったって……何もできないよぉっ!」
桃が涙を流して叫ぶ。
「何もできなくても……傍に立つことはできる!」
私は、泥のついた自分の靴紐を強く結び直した。
「泥の中から立ち上がるって……私たちが自分で決めたんだ。……光があるから走るんじゃない。暗闇だからこそ……私たちが走るんだよ!!」
---
【エピローグ】
事務所の廊下を、生身の足音が駆け抜けていく。
タッタッタッタッ……!
ジャージ姿の五人が、雨上がりの街へ向かって、控室のドアを蹴破るようにして飛び出していった。
誰一人、引き止める者はいなかった。
静まり返ったコマンドルーム。
モニターの前で、月城玲奈が手元のトランクケースを見つめていた。
ロックされたトランクの中で――。
真っ黒に焦げていたはずの五つのチェンジャーが、ほんの微かに、命の鼓動のように……トクン、と赤い熱を宿し始めているのを、センサーの数値が示していた。
「……バカな子たち」
玲奈は、薄く口元を緩めた。
「武器も防具もない生身で、あの化け物の前へ向かうなんて……プロデューサーとして、大失格です」
玲奈は手元のバインダーを静かに閉じると、トランクケースのロックコードに手をかけた。
「ですが……ヒーローとしては、満点ですよ。……パステリズム」
黒い毒気が渦巻く、崩壊した煌星市の中央広場。
倒れ伏すステラセイヴァーズの前。
絶叫するクイン=チカノコの巨大な影の前。
そこに、五人の小さな影が駆けつけていた。
変身スーツはない。手には武器もない。
ジャージの袖を捲り上げ、傷だらけの身体で、まっすぐに巨体を見上げる五人の少女たち。
「……来やがったな、泥人形ども」
血を流した紅葉が、驚愕の目で見上げる。
「逃げなさいと言ったはずです……!」
ルナリアが掠れた声で叫ぶ。
だが、茜は……煌坂茜は、前に一歩踏み出した。
風が吹き抜け、ボサボサの髪が揺れる。
その瞳には、どんな闇も、どんな絶望も、決して消すことのできない……激しい『命の火』が燃え上がっていた。
「私たちは……逃げない!」
茜の叫びが、暗雲を叩き割るように、崩壊した街に高く響き渡った。
変身を失ったヒーローたちの、本当の『覚悟』の戦いが、今まさに始まろうとしていた。
---
【次回予告】
茜「チェンジャーを失ったまま、クイン=チカノコの前に立ち塞がった私たち!」
咲「武器もない、スーツもない……でも、私たちにはこの拳と、繋いだ手がある!」
葵「同調率上昇……! 私たちの『覚悟』が、封印された属性キーを呼び覚まします!」
桃「みんなの笑顔を……もう一度取り戻すんだから!」
翠「見せてやるよ……泥の中から掴み取る、本当の『煌めき』を!!」
茜「絶望を切り裂け! 解放された光よ、再び世界を照らせ!」
次回、煌戦隊★キラリンジャー 修行譚 第22話:
『生身の覚悟! 呼び覚ませ、奇跡の真同調!』
燃え上がれ、命の火★!




