第16話:赤点即即活動停止!? 試される学業とヒーローの絆!
【アバン】
「――以上の理由により、明日、全校一斉の緊急・学力テストを実施する!」
ホームルームの終わり際、担任の先生が黒板をパンパンとチョークで叩きながら言い放ったその言葉は、私――煌坂茜の脳みそをダイレクトにフリーズさせるのに十分すぎた。
「え……きん……きゅう……?」
隣の席で、咲が持っていたシャープペンシルをコロコロと床に落とした。そのまま口を半開きにして、魂が口からぬけ出していくみたいな顔をしている。
斜め後ろの桃に至っては、持っていたペットボトルのキャップを閉め忘れて膝の上に盛大にお茶をこぼし、「あ、あわわ……お茶が……テストが……」とパニックになっていた。
「なお、今回のテストは普段の小テストとは違う。各教科、35点未満は『赤点』とみなし、該当者は来週から二週間の特別居残り補習命令を下す。補習期間中、部活動および一切の学外活動……芸能活動の参加も厳禁とする! 以上!」
ガラガラと容赦なく閉められる教室のドア。
静まり返る教室の中で、私と咲と桃の三人は、まるで化石みたいに固まっていた。
「……ねえ、茜」
咲がギギギ……と首を機械みたいに重たく横に向けて、私を見た。その目は完全に死んでいる。
「『芸能活動の参加も厳禁』って……言ったよね……? 先生、いま確かにそう言ったよね……?」
「い……言ってた……」
私自身の声も、掠れてうまく出なかった。
「う、嘘でしょぉぉぉぉぉぉぉっ!???」
咲の絶叫が、放課後の校舎に虚しく響き渡った。
二重生活が軌道に乗ってきたなんて、どの口が言ったんだ。
芸能アナウンサーのまゆさんを味方につけて、身バレの危機を乗り越えたばかりの私たちに突きつけられたのは、異界の怪人よりも、地獄のスパルタ修行よりも恐ろしい……『現役女子高生としてのリアルな壁』だったのだ。
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【Aパート】
「……絶望的です。完全に詰んでいます」
事務所のレッスン控室。
ノートパソコンの画面を前に、葵が冷酷極まりないトーンで数値を弾き出していた。
「葵ちゃん……そんなに悪いの……?」
桃が半泣きで、葵の肩越しに画面を覗き込む。
「悪いどころではありません。直近一ヶ月の皆さんの平均勉強時間、一日あたり平均14分。原因は言うまでもなく、連日のフィジカルトレーニング、山奥合宿、生放送、そして市内の警備活動です」
葵がメガネのブリッジをカチッと押し上げ、冷たいレンズの奥で私たちを順番に指差した。
「予測数値を提示します。明日出題される全五教科の予想得点。……咲、推定22点。桃、推定28点。翠、推定31点。そして茜……推定29点」
「全滅じゃん!!」
咲が頭を抱えてソファの上で暴れ回った。
「なんで私が22点なのさーっ!? 勘が当たれば30点は行けるもん!」
「直近の小テストで『織田信長』を『織田信姫』と解答した人間の勘など、確率統計上ゼロに等しいです」葵がバッサリと切り捨てる。「ちなみに私だけは推定94点ですが、戦隊は五人で一つです。一人でも補習で拘束されれば、変身フォーメーションも合体技も不全に陥ります」
「くッ……敵の攻撃なら木刀で撃ち落とせるが、因数分解は木刀じゃ斬れねぇからな……」
翠が壁に背を預けたまま、苦虫を噛み潰したような顔で腕を組んでいた。あのクールな翠ですら、教科書を前にすると完全に借りてきた猫状態だ。
「どうしよう……補習になったら、ライブのレッスンも出られないし……街に敵が出たら、私……戦いに行けないよぉ……」
桃の目からポロポロと涙が溢れ出す。
「大丈夫だよ、桃!」
私は二人を元気づけるように、自分の胸を叩いた。叩いたはいいものの、私自身の頭の中も『平方根』と『古文の助動詞』の混ざったカオスなスープ状態だったけれど。
「一夜漬けだってなんだってやってやるよ! 徹夜で教科書丸暗記すれば、35点くらい――」
「おめでたい頭ですね、茜」
ヒールの音が、静かに廊下から近づいてきた。
ドアが開き、白いパンツスーツ姿の月城玲奈さんが入ってくる。
その後ろには、愛咲美玲さん、火ノ宮紅葉さん、雷咲ひかりさん、美咲あきさん、天照陽菜さん――ステラプリズムの先輩たちが、全員揃って控室へ雪崩れ込んできた。
「玲奈さん……! 先輩たち……!」
玲奈さんは手に持った黒いバインダーを開きもせず、冷徹な銀色の瞳で私たちを上から下へと見下ろした。
「話は聞きました。明日、全校一斉の学力テストがあるそうですね」
「は、はい……あの、私たち、今から全力で勉強して……!」
「言っておきますが」
玲奈さんの声が、部屋の温度を一気に氷点下まで引き下げた。
「学業すら修められない者に、世界を守る資格も、人々に夢を与えるアイドルとしての資格もありません。高校生としての本分を疎かにし、テストで赤点を取るような浅はかな人間に、この街の未来を託すわけにはいかないのです」
玲奈さんはバインダーをコンと肘に当て、宣告した。
「明日、あなたたちのうち一人でも赤点(35点未満)を出した場合……即座に『煌戦隊★キラリンジャー』の活動を全面差し止めとし、チェンジャーを没収します。ステラプリズムとしてのバックアップもすべて打ち切ります」
「「「「「ええぇぇぇぇぇぇっ!?????」」」」」
部屋中に、私たちの悲鳴が響き渡った。
「ちょっと待ってください、玲奈さん!」私が叫ぶ。「活動差し止めって……もしその間に街に敵が現れたらどうするんですか!?」
「その時は、私たちが対応します」
横から一歩前に出たのは、火ノ宮紅葉さんだった。道着の袖を捲り上げ、相変わらずの迫力で私たちを睨みつける。
「学生の本分も果たせねぇ甘ったれに、戦場に立つ資格はねぇんだよ! 赤点吐くくらいなら、アタシが拳で叩き直してやる!」
「紅葉ちゃん、言い方が激しいよ〜」美玲さんが苦笑しながら間に入ってくれた。「でもね、茜ちゃん。玲奈さんの言う通りなの。日常をちゃんと生きられない人は、誰かの日常を守ることなんてできないんだよ?」
「そういうこと!」ひかりさんがニッと八重歯を見せて、咲の頭をガシガシと撫で回した。「ヒーローだから勉強できませんでした〜なんて、格好悪すぎてファンに示しがつかねぇだろ!」
「データ分析と対策の構築なら、私と葵さんで完了しています」
あきさんが静かにタブレットの画面を提示した。そこには『赤点回避率100%・地獄の十五時間超集中学習スケジュール』という恐ろしいタイトルのファイルが開かれていた。
「今夜は全員、事務所の会議室で徹夜学習合宿です」
陽菜さんが優しく、けれど絶対に逃がさない微笑みを浮かべて宣言した。
「一人でも落ちたら、全員終わり。……試されているのは、あなたたちの頭脳だけではありません。『学業とヒーローの両立』という、本当の絆ですよ」
玲奈さんが背を向け、ドアへと向かう。
「明日の朝まで、一秒の無駄も許しません。……始めなさい」
こうして、異界の怪人との戦いよりも遥かに熾烈な、『地獄の徹夜勉強合宿』の幕が切って落とされたのだ。
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【Bパート】
午後八時。事務所の大会議室。
長テーブルの上に山積みにされた、教科書、参考書、過去のプリント、そして大量の付箋と赤ペン。
部屋の中には、コーヒーの匂いと、シャープペンシルが紙を擦るカリカリという音、そして時折響く悲鳴が充満していた。
「だぁぁぁぁっ! なんで『過去進行形』の中に『was』と『were』が混ざってくるのさーっ! どっちかに統一してよ英語圏の人たちーっ!」
咲が髪の毛をクシャクシャにしながら、英語のワークに頭を叩きつけていた。
「咲、叫んでいる暇があったら単語を暗記しなさい」
隣で赤ペンを振るうあきさんが、容赦なく竹尺で咲のデスクを叩く。
「主語が三人称単数か複数かで動詞の形が変わるのは基本中の基本です。これが理解できなければ、明日の英語は15点確実ですよ」
「じ、15点……! 殺す気ですかぁぁぁ!」
「ほら桃! 算数……じゃなかった、数学のこの因数分解!」
ひかりさんがメガホンを手に、桃の横で熱血指導を繰り広げていた。
「この公式を覚えるんじゃない! 敵の攻撃をかわして裏に回り込むイメージだ! $(a+b)^2$ は、$a$ と $b$ がタッグを組んで爆発する技だと思え!」
「ひ、ひかりさん……数学が格闘技になっちゃってますぅ……! 余計に分かりませんぇん……!」
桃が涙目で参考書にしがみついている。
「翠、古文の助動詞『けり』と『たり』の識別だ」
紅葉さんが腕を組み、翠の正面にドカッと座っていた。
「過去の事実に感動が混ざるのが『けり』だ。お前がバレーボールで最後のスパイクを決めた時の『決まったぁ!』という感動、それが『けり』の心だ! 分かったか!」
「……なんとなくだが、逆に混乱してきたぞ紅葉さん……」
翠がこめかみを押さえて眩暈を起こしかけている。
私はというと、現代文と化学のプリントの間で完全にフリーズしていた。
「茜、手が止まっています」
声にハッとして顔を上げると、葵が温かいほうじ茶の入った湯呑みを私の脇に置いてくれたところだった。
「葵……ごめん。私、理科の公式見ると頭が痛くなって……。私が赤点取ったら、みんなのキラリンジャーの活動まで奪っちゃうのに……」
情けなくて、声が小さくなる。
怪人と戦う時は、身体が勝手に動くのに。
教科書の文字を追おうとすると、どうしても脳が拒絶反応を起こしてしまう。自分が足引っ張りになる恐怖で、胸がぎゅっと押し潰されそうだった。
葵は私の隣のパイプ椅子に静かに腰掛け、自分のノートを開いた。
そこには、びっしりと綺麗で読みやすい文字でまとめられた、私専用の『超要約・全教科対策シート』が挟まれていた。
「茜。あなたはいつも、一番前を走ってくれました」
葵の静かな声が、部屋の喧騒を通り抜けて私の耳に届く。
「山奥の合宿でも、有明のステージでも、あの絶望的な怪人との戦いでも……あなたが最初に『やろう!』と叫んでくれたから、私たちはここまで来られました。あなたのその無鉄砲な情熱に、私は何度も救われてきたんです」
葵がメガネをそっと直し、私をまっすぐに見つめた。
「今度は、私の番です。私の知性は、仲間を勝たせるためにあります。あなたが理解できるまで、何度でも、どんな言葉に置き換えてでも教えます。……だから、自分を責めないでください」
「葵……」
胸の奥が、じんわりと熱くなった。
戦場での信頼だけじゃない。
こうやって、机を並べて、ボロボロになりながら同じテストに向かって足掻く時間。
これもまた、私たちの『日常』であり、大切な絆なんだ。
「うん……! 教えて葵! 私、絶対に赤点回避する!」
「はい。ではまず、この化学反応式を『合体技のレシピ』として覚えましょう」
それからの時間は、あっという間だった。
葵の分かりやすすぎる解説。美玲さんが持ってきてくれた特製の夜食(おにぎりと豚汁)。陽菜さんが優しく肩をたたいてくれたマッサージ。
あきさんと紅葉さんとひかりさんのスパルタ指導も、最初は恐怖だったけれど、そこには「絶対に落とさせない」という先輩たちの深い愛が詰まっていた。
午前四時。
東の空が白み始める頃、五人のデスクの上には、ボロボロに使い込まれたプリントの山が完成していた。
咲がツルンとデスクに顔を乗せて寝息を立て、桃も参考書を抱きしめたまま幸せそうな顔で眠っている。翠は腕を組んだ姿勢のまま静かに目を閉じ、葵もキーボードの上に突っ伏していた。
私は、みんなの寝顔を見渡した。
全員、目の下にクマを作って、泥みたいに疲れ果てている。
だけど……その顔は、あの地下迷宮を突破した時と同じくらい、誇らしくて、強かった。
(守るんだ。みんなで掴んだこの日常を……絶対に!)
私は握りしめたシャープペンシルをそっと置き、窓の外の朝焼けを見つめた。
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【Cパート】
午前九時。学校、二年生の教室。
緊張感がピークに達した空気の中、プリントが配られるパサッという音が教室中に響いていた。
「これより、全校一斉学力テストを開始する。時間は各教科四十分。……始め!」
一斉にカリカリとシャープペンシルが紙を走らせる音が始まった。
(大丈夫……葵と復習した通りだ……!)
私は解答用紙に向かい、猛烈な勢いでペンを走らせた。
現代文、クリア。
歴史……「織田信長」、ヨシ! 咲みたいに信姫なんて書かない!
英語……「was」と「were」の区別、葵の教えてくれた『主語の数チェック』でクリア!
ふと、廊下側の席の咲を見ると、滝のような汗を流しながらも、猛烈な勢いでマークシートを塗りつぶしていた。
桃も、必死の面持ちで計算用紙に数式を書き込んでいる。翠はクールな顔つきを取り戻し、淡々と解答欄を埋めていた。
いける。これなら、全員35点は確実に超えられる――!
そう確信した、三教科目の数学の試験中だった。
ビクッ……!
私の左腕で、制服の袖の中に隠された『キラリンチェンジャー』が、微かな振動を開始した。
続いて、葵のチェンジャーも、翠のチェンジャーも。
(……!? 空間歪み!?)
葵がパッと私を見た。メガネの奥の目が「市内で微小な歪みを検知」と伝えている。
(嘘でしょ……よりによって今!?)
冷や汗が吹き出出た。
今、ここで席を立って教室を飛び出せば、テストは『失格・0点』=即赤点=キラリンジャー活動停止。
かといって、放置すれば街の人々がカゲノコに襲われる!
「くっ……」
私はシャープペンシルを握りしめ、席を立ちかけ――。
その時だった。
校庭の向こう、学校の防音壁の陰で、一閃の純白の光が弾けた。
(……え!?)
窓際の席の翠が、チラリと外を見下ろす。
そこには――制服姿のまま、影で静かに手印を結ぶ火ノ宮紅葉さんと、屋上から跳躍する雷咲ひかりさん、そして校門前で涼しい顔をして立ち塞がる美咲あきさんの姿があった。
『――集中しなさい、修行生たち』
葵のインカムに、あきさんからの超指向性通信が届いた。
『外の雑魚は、私たちが処理します。あなたたちは目の前テストに集中し、全員で35点以上を叩き出しなさい。……それが、今のあなたたちの戦いです』
校庭の影で、ひかりさんの雷の拳が、忍び寄っていた数体のカゲノコを一瞬で撃滅するのが見えた。
紅葉さんの炎の結界が、音もなく敵の存在を消し去っていく。
先輩たちが……私たちの日常を守ってくれている。
テストに集中できるように、陰で戦ってくれているんだ!
(先輩たち……!!)
胸の奥で、熱い涙が込み上げてきた。
「みんな……書くよっ!!」
私は声に出さず、心の中で叫んだ。
鉛筆を握る手に全魂を込める。
カカカカカカカッ!!
文字が、計算式が、解答用紙を埋め尽くしていく。
自分たちの未来のため。
仲間との絆のため。
そして、私たちの日常を信じて護ってくれる、大好きな先輩たちのために!
「――そこまで! 筆記用具を置きなさい!」
終了のチャイムが、校内に高く響き渡った。
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【エピローグ】
同日、放課後。
教室の前立腺に貼り出された、地獄の『全校一斉テスト・赤点該当者一覧』の掲示板。
その周りには、大量の生徒たちが押し寄せていた。
「うぅ……見たくない……見るのが怖いよぉ……」
桃が咲の背中に隠れながらプルプルと震えている。
「見るしかないだろ。腹括れ!」
翠が人ごみをかき分け、最前列へ突き進む。私と咲、葵、桃もそれに続いた。
掲示板の紙。そこに書かれた赤点該当者のリスト。
『2年B組:……』
上から名前を指で辿っていく。
いない。
茜の名前もない。
翠の名前もない。
桃の名前もない。
そして――。
「あ……あった!!」咲が叫んだ。「私の点数!!」
掲示板の端に書かれた、個人の得点一覧表。
【煌坂 葵:98点】
【煌坂 翠:42点】
【煌坂 茜:41点】
【煌坂 桃:38点】
【煌坂 咲:36点】
「「「「「あ……赤点回避ぃぃぃぃぃぃぃっ!!???」」」」」
「36点!! 36点だよ茜ぇぇぇぇっ! ギリギリセーフ! 奇跡の1点オーバーだよぉぉぉっ!」
咲が泣きながら私に抱きついてきた。
「うわぁぁん! 38点取れましたぁぁぁっ! 補習免除ですぅぅぅっ!」
桃も私と咲の首に抱きつき、三人で跳び上がって歓喜の舞を踊った。
「ヒヤヒヤさせられましたが……全員、最低ラインを突破しましたね」
葵が安堵の吐息を漏らし、口元を柔らかく緩めた。
「ふん、まあ上出来だろ」
翠が不器用そうに頭を掻きながら、不敵に笑った。
学校の屋上。
風になびく夕空の下で、白いパンツスーツ姿の月城玲奈さんが、手元のバインダーに何かを書き込んでいた。
隣には、美玲さん、紅葉さん、ひかりさん、あきさん、陽菜さん。
「……全員、赤点回避です」あきさんが報告する。
「知っています」
玲奈さんはバインダーを静かに閉じ、校庭で抱き合って喜ぶ私たちを見下ろした。
「学業という日常の義務を果たし、かつ仲間と助け合って試練を乗り越えた。……これでようやく、彼女たちは『日常を守るヒーロー』としての本当の意味を理解したでしょう」
「玲奈さん、なんだかんだ言って、陰で紅葉ちゃんたちに出撃命じてたもんね〜」美玲さんがクスクスと笑う。
「……プロデューサーとして、効率的なリスク管理をしたまでです」
玲奈さんはフンとそっぽを向いたが、その口元には、いつもの温かい微かな笑みが浮かんでいた。
校門を出た私たち五人。
「ねえねえ! 今日の夜、赤点回避のお祝いにパフェ食べに行こうよ!」
咲が元気一杯に提案する。
「賛成です。糖分を補給しなければ、脳の細胞が破壊されたままです」葵が笑う。
「私、イチゴパフェがいいですぅ!」桃が目を輝かせる。
「奢りならいくらでも付き合うぜ」翠が手をポケットに突っ込む。
「よーし! それじゃあ、パフェ屋さんに……突撃ーっ!」
私は秋の澄み切った空に向かって、思いっきり拳を突き上げた。
二重生活は、相変わらず大変で、ハチャメチャで、綱渡りだ。
だけど――テストも、怪人も、どんな試練が来ようとも。
この仲間と一緒なら、私たちはどこまでだって乗り越えていける。
だって私たちは、歌って踊って、学業も修めて、影で世界を守る……最強の『煌戦隊★キラリンジャー』なんだから!
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【次回予告】
茜「テストも無事に乗り切って、いよいよ待ちに待った『パステリズム新曲発表ライブ』!」
咲「やったぁぁ! 新しい衣装に、新しいダンス! テンション上がってきた〜!」
葵「ですが……今回のライブ会場に、怪しい影が潜入したという情報があります」
桃「えっ……またライブ中に邪魔されちゃうの……!?」
翠「邪魔者は即撃破だ。私たちの晴れ舞台、指一本触れさせねぇ!」
茜「最高の新曲と、最高のパフォーマンスで、みんなに笑顔を届けるよ! 輝け、キラリンジャー!」
次回、煌戦隊★キラリンジャー 修行譚 第17話:
『新曲披露! 狙われた晴れ舞台と私たちの絆!』
燃え上がれ、勇気の煌き★!




