表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇王日記 〜闇の神様、人間の幼児になって無双する〜  作者: S


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/16

異変

これは全て私の妄想の話しです

私は闇。


私の世界は実に退屈だ。


退屈極まりない。


私はこの世界全体を感知することができる。だが、この世界には何もない。


どこまで見渡しても、ただひたすら黒い。


私の色だけが果てしなく続いている。


つまらぬ。


かつて光と共にいた頃が懐かしい。


あやつは今頃どうしているのだろうか。


……眠るとしよう。


眠れば、この退屈さも少しは紛れるだろう。



どれほど眠ったのかは分からない。


目覚めた時、異変が起きていた。


光のオーラが強くなったり弱くなったりを繰り返していたのだ。


そして、光が強まった瞬間――


遥か彼方から、一筋の光が飛んできた。


まるで流れ星のように、光の粒が闇の中を駆け抜けていく。


何のつもりだ?


なぜそんなものを飛ばしている?


光の考えることはよく分からぬ。


まあ、私には関係のないことだ。


馬鹿馬鹿しい。


また眠るとしよう。


だが、その光の粒は何度も何度も飛来した。


私が目覚めるたびに同じ光景が繰り返される。


やがて私は、その光景に慣れていった。



それが何度目の目覚めだったのか。


ずっと遠く。


本当にずっと遠くの方で、何かの気配を感じた。


――何?


そんなはずはない。


この世界には何もいなかったはずだ。


光の世界から飛んでくる粒はあった。


だが、気配など存在しなかった。


存在しなかったのだ。


気になった私は、その方向へ意識を向けた。


すると――いた。


何かがいた。


黒く、半透明な何か。


それがふわふわと漂っている。


しかも一つではない。


複数いた。


あちらこちらを飛び回り、互いにぶつかっては一つになり、またぶつかっては大きくなっていく。


とはいえ、私に比べればあまりにも小さい。


弱々しい存在だった。


つまらぬ。


寝る。


私は再び眠りについた。



どれほどの時が流れたのか。


今度はカサコソという音で目を覚ました。


また何か現れたのか。


そう思い、音のする方へ意識を向ける。


そこにいたのは、黒い六本足の生き物だった。


前方には触角があり、口には牙がある。


長い列を作って歩くもの。


一か所に群がり、小山のようになっているもの。


その姿は実に気味が悪い。


挿絵(By みてみん)


弱々しく、見ていて面白くもない。


寝よう。


私はまた眠った。



次に目を覚ましたのは、ドスンドスンという大きな音のせいだった。


今度のやつは大きかった。


全身は黒く、大きな顔に鋭い目。


口を開けば無数の牙が並んでいる。


腕は短く、太く長い尾を持っていた。


「ギャオオオオ!」


そう鳴きながら歩き回っている。


個体によって強さが違うらしく、強いものは弱いものを食らっていた。


だが――


大きいだけだ。


私に比べれば弱い。


つまらぬ。


寝る。


そうして私は再び眠りについた。



今度は深い眠りだった。


ずいぶん長い時間が過ぎたようだ。


ズシン。


ズシン。


ズドン。


コツン。


コツン。


「ズオオオ!」


「ワオオオオーン!」


「ギャオオオ!」


様々な鳴き声と足音が世界中に響いていた。


目覚めた私は世界全体へ意識を広げた。


すると驚いた。


いつの間にか、この世界には無数の生き物が存在していたのだ。


しかも種類も様々だった。


以前は同じ種族同士で争っていた。


だが今は違う。


強い者が、弱い別種の者を襲っている。


中にはなかなか見どころのある強者もいた。


だが――


誰一人として私には近づいてこない。


私を恐れている。


それが分かった。


強い者も、弱い者も。


誰も彼もが私を避けている。


なぜだ?


近づいてくればよいではないか。


強い者もいるのに、なぜ来ない?


私はしばらく観察を続けた。


そして気づく。


力だけが強さではないのだと。


弱くても、自ら放つ闇のオーラによって相手を怯ませ、勝利している者がいる。


なるほど。


そういうことか。


この世界で最も強大な闇のオーラを放っているのは私だ。


こやつらは、それを恐れているのだろう。


力では私より上の者もいるというのに、オーラに怯えるとは情けない。


私は思わず笑った。


そして、この者たちに名前を与えることにした。


【魔物】


それがこやつらの名だ。



だが、異変は魔物だけではなかった。


闇の世界の一角に、巨大な光が生まれていたのだ。


まるで小さな太陽のように輝いている。


その光からは、あの光の粒と同じ気配が感じられた。


そして光の中心には、大きな球体が浮かんでいる。


その中からは無数の魂の気配がした。


何だ、これは?


私は戸惑った。


しかし同時に、胸が高鳴る。


ふふふ……。


面白い。


やられたぞ、光。


相変わらず抜け目のない奴だ。


あの光の粒は、これを生み出すためのものだったのか。


考えてみれば当然だ。


私の世界に勝手に命が生まれるはずがない。


魔物も、この光の粒の影響なのだろう。


命を生み出すとは。


実に興味深い力だ。


だが、それ以上に気になるものがある。


私の世界に現れた、この光の世界だ。


中はどうなっている?


何が存在している?


見えない。


魂の気配だけが伝わってくる。


これは調べる必要があるな。


私は一つの魂に座標を定めた。


そして、自らの魂の欠片と意識をそこへ送り込む。


こうして後に【闇王】と呼ばれる存在は、初めて光の世界へ干渉するのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ