332話 食べなれた料理
洞穴の事はエンルージュの戦闘部隊に任せ、私たちは美味しい料理屋を探し始めた。
「美味しい料理屋……今から探すと言っても、見当は付かないよね」
「そうですよね、どこに住んでるかの情報は無いんですか?」
「記録は取っていたはずなんだよ。でも料理屋は一律でとあるマークが……」
ルーピンは話をしていたが急に止まった。
「……いや聞き覚えがあったな。その料理屋の事」
「本当!?」
「ええ、とある戦闘部隊の1人が噂で聞いたことがあると……それは隠れ家的な場所で料理屋の看板はかかってたと……それで場所は」
「待って待って、場所も知ってるの?」
「知ってる、それほど美味しい料理屋だろうね」
ルーピンは今欲しい情報を持っているようで、場所までも知っていることで料理屋の場所をすぐに特定できるのだった。
「確かこっち」
「こっちにあるのね」
「とても美味しいと聞いたことがあるけどな……その時は毒を盛られなかったのだろうな」
(普段は毒を入れず、必要な時に毒を入れるのかなぁ)
「場所が変わってなければここだな」
どうやらその料理屋に着いたようでルーピンは料理屋の扉を開けた。
「いらっしゃい~何名でしょうか~?」
(このエンルージュが毒を盛ってるエンルージュなのかな?)
「すまない、料理を食べに来たわけではない。少し調査をしたくてな、この店を最後に消息を絶っている同胞がいる。その行方は知らないか?」
ルーピンは料理人に詰め寄り、それと同時に周りの棚を舐めるように見ていた。
「いや、まったく知らないですけど……」
「当事者の証言がある、料理を食べた後に衰弱したことをな。それにこのキッチン、明らかに私や同胞には扱えない調理道具があるな……」
ルーピンはエンルージュは扱うことが出来ないものがあることを指摘した。
「今言えば自首という扱いで取り調べをする、どうだ?自白するか?」
「……まぁあいつらがこの情報をゲロったのなら、もう逃げ道はないって事だよね」
「それって自白っていう事か?」
「ああ、私がやった。私が毒を盛って衰弱させた」
ルーピンはやっぱりかと言わんばかりのため息を吐き、縄で料理人のエンルージュの腕を縛った。
「とりあえず話は取調室で行う、ついてこい。瑞希さんとロンさんは魔法で上に」
「……分かった、それじゃまた後で」
こうして毒を盛った料理人をあっさり捕まえ、一連の騒動は収まったかのように思われた。だが根本的な問題はまだ残っていて人間とどう向き合っていくかを考えていく必要があるのだった。
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