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不運なことが続いじゃって死んじゃったら幸運に宿る神に魅入られ転生したら所持特殊スキル{LUCK}の一つだけだったので私は平和な土地でスローライフを過ごしていきたい!!  作者: 猫こんた
6章 白き翼と欲望の渦

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328話 裏切者は一人とは限らない

数分が過ぎ、この場に居る全員の視界がほぼほぼ戻り、場の後始末を始めた。


「とりあえずこいつらどうするの?」

「当然拷問だろ、情報を出すためにな」

「いいえ、拷問はしません。ですが情報は搾り取りますけどね」

「この……悪魔め!!」

「今は悪魔で結構、さぁ今までやってきたことを洗いざらいに話してもらう、こっちに来い!!」


ルーピンは洞穴の奥に向かっていき、私たちもルーピンの後を追って行った。


(明らかにルーピンは怒っていた、恐ろしいなぁ)

「おい、あの怒り具合、いつもあれなのか?」

「いつもは優しいけど……多分今は虫の居所が悪いんだろうね」

「怖ぇ……これが終わったらさっさとずらかるか……」


ルーピンの怒気に気圧されてる私たちは松明の灯りだけが頼りの部屋に辿り着いた。


「これは……」

「檻の中に……酷いな」


空間の至るどころに居たのは衰弱しているエンルージュが牢に囚われていた。


(とても衰弱してるように見える、だけどご飯はきちんと与えられているし水も与えられてると来た。ならどうして衰弱しているんだ?)

「おい、どうして同胞が衰弱してるんだ?」

「知らない……でもここに運び込まれた時にはあんな感じだった!」

「そうか?」

「弱らせておけば飛べないし反乱する可能性もない、こ(・)っ(・)ち(・)としてはありがたいんだよ!」

(こっち?ちょっと待てよ?)


私は裏切者のエンルージュに近づき、ルーピンの顔を押しのけた。


「もぎゅ」

「ねぇ、あなたの他に数人、繋がってるエンルージュ居るの?」

「は?そんなこと言うわけないじゃないの!」


聞いても正直に答える事は無いだろうと考えていた私は手のひらに電気由来の魔法を溜めた。


「そんな言い草、仲間は何人か居るって事だよね?」

「さぁ?居ても居なくてもそう言うわ、まぁ分かりっこないでしょうに」

「……一応言っておくけど私は転生者、そしてこの世界の人間じゃないの。念のため言っておくよ」


私は水魔法の応用、塩を混ぜた水を裏切者のエンルージュにかけた。


「わっ……塩辛い……」

「この世界の拷問や拷問器具は知らない、けど私の世界であった拷問は少しばかし知恵にある」

(まぁその知恵は深夜アニメでたまたま見かけた後、気になって調べたんだよな……まぁうろ覚えでしか覚えてないから再現はほどほどにしかできないか)

「おむつは穿いてるか?」

「何を言ってるんだ……?」

「ルーピン、そこから離れておいた方がいいかも、というか離れて」

「……どういうことだ?」


私は裏切者のエンルージュに向かって電気由来の魔法を溜めた手で触れた。すると裏切者のエンルージュの意識が一瞬で吹っ飛び、痛みで意識が戻り、その繰り返しが1秒の間で数回行われた。。


「ぎゃぁぁぁぁ!!」

(さすがに私にも塩水がかかってるから少しばかりダメージは来る、アンチサンダーシールドが無ければ死んでた……)

「いてっ……瑞希さん……これは?」


私の手が裏切者のエンルージュから離れ、息が絶え絶えの私と裏切者のエンルージュだった。


「これ……さすがに私もダメージが……はぁ……」

「大丈夫ですか!?」

「ああ……アンチサンダーシールドが無ければ死んでた……」


私の行動に後ろからついてきていたロンが話し始めた。


「……瑞希さん、それってあなたの世界で言うところの電気椅子という物でしょうか?」

「どうしてその情報があるのか分からないけど……まぁその応用だね」


電気椅子、それはアメリカの西部開拓時代の終わりごろから近年まで行われていた処刑方法で私が行ったのはそれを大幅にマイルドにした物だった。何故おむつを穿いているかを確認した意図は……言いたくもない。


「ですがまだ生きてますが……どうするのでしょうか?」

「これ以上電気を流したら本当に死んじゃうからね、まぁ回復魔法を交えたら何回でも流せるね」

「何を言ってるのか分かりませんが……とりあえず無事なのでしょうか?」

「少しばかり体が損傷してる気がするけど……まぁ……大丈夫かな」

「少し時間を空けて言わないでください!?!?」

「大丈夫だと思うけど、後はルーピンに任せた」


私はルーピンにバトンタッチし、再び聞き始めた。


「他に裏切者のエンルージュは居ますか?」

「……言うわけ」

「瑞希さん」

「あいよー」

「言います!!言いますから電気だけは!!」


裏切者のエンルージュは私の電気ビリビリがとても嫌らしく、簡単にゲロり始めた。


「この街にまだ2人のエンルージュが居ます!!だからビリビリだけはぁぁ!!」

「お前ぇぇ!!!国のために教育したのに!!この悪魔どもめぇぇぇ!!」


フェアリーガードに押さえ付けられている男は動けないので叫んでいた。


「まぁそうだよね、あなたたちから見たら私たちは人の形をした悪魔、でも私たちからしてみればあなたと裏切者のエンルージュは侵略者で悪魔……一方から見たら悪でも一方から見たら善みたいな理論だね」

「瑞希さん、こいつはどうします?」

「何かをゲロってもらうにも価値は何もなさそうだし……」


私は手に電気魔法を溜め始めた。


「まぁ……裏切者のエンルージュに見せるために……どれだけ私が優しかったのか、見せてあげるための犠牲者になって」

「何をするんだ……よせ……」


私の手が男の心臓に近づくにつれて男の呼吸が荒くなり、腕や足が激しく動き始めた。


「フェアリーガード……今すぐ男を離し、ルーピンの元に行け」

「はい」


フェアリーガードの拘束が解けた男はすぐに逃げようとしたがそれよりも先に私の手が男の胸に当たった。それと同時に男の筋肉がすぐに硬直し、焦げ臭い煙が出始めた。


「あぁぁああああああ!!!」

「……本当はこんなことはしたくない、だけど理由が理由だから……仕方ないの」


男に数秒触れただけなのに体から炎が出てきていて動きが止まった。


「分かった?」

「……あ……ぁ」

(さすがに私のキャラじゃなかったな……心が痛む)


私は無意識に心臓がある位置に魔法を解除した手で触れていた。


「手、大丈夫なの?」

「……手は大丈夫、だが心は大丈夫じゃない……後始末を済ませてから帰ろうか」


私は意気消沈したまま戦闘部隊が来るのを待つことになり、その間私は洞穴の壁にもたれかかるように座って気分が落ち着くまで待つのだった。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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