324話 密航の事実
私は今この状況を打破するために頭を必死に巡らせていた。
(ルーピンはフェアリーガードの事を隠したかった、だがこいつはフェアリーガードとは何なのか追及しようとしている……一体どうしたらいいのか……)
「一体フェアリーガードとはなんだ?おい!!」
爆発したかのような怒りを目の前に私は声を出せずにいた。それを見たルーピンは私に助け舟を出してくれた。
「どうしてそこまでフェアリーガードに興味を示しているのか分かりませんが……伝えましょう。フェアリーガードとは私たちエンルージュの姿を模倣し、生物の生命維持に必要な食事や睡眠をとる必要のない者です」
「つまりそれは俺らエンルージュじゃないと言う事だな?」
「エンルージュではないです。ですがフェアリーガードの製造者は私たちと同じエンルージュだと言う事を教えてあげます」
「……なるほどな。だがそのフェアリーガード、実在してるんだよな?実在してるのなら見せてくれ。さすがに嘘をついていたら分かるだろうな?」
「……瑞希さん、いいですか?」
「何かコソコソ話をするのですか?」
「言っておくが俺は地獄耳だ。逃げようなんて言ったら分かっているのだろうな?」
ルーピンは私の傍に近づき、とあることを言ってきた。
「もうここまで来たら奴をフェアリーガードに会わせるしかないか」
「そうだね……」
「なら私が話の主導権を握る、瑞希はただついてきて」
私はルーピンにこの後の事を任せ、私はただただ後をついて行く存在になった。
「とりあえず移動しましょう、どこかでフェアリーガードに会えるかもしれません」
「どこかか……ただ時間稼ぎをしようとしているのじゃあないんだよな?」
「ええ、運が良ければ居るかもしれませんので外に来てください」
「……少し席を外す」
自警団のリーダーは渋々ルーピンの後をつけ、外に出た。
(フェアリーガードに会えると良いんだけど……)
「そういやフェアリーガードはどんな見た目なんだ?さすがに飛べる翼は生えてないだろう」
「いいえ、最近飛べるようになりました」
「……へぇ」
その時、幸か不幸かあのフェアリーガードが飛んで私の元にやってきた。
「どうかしたの?」
「報告、不審船を1隻確認」
「……これがフェアリーガードなのか?」
「運が良かったですね、探していたフェアリーガードですね」
「運が凄くよかったな。だが不審船……なるほど。俺が出る幕という事か」
「……そうですね」
「ならいざ行かん!!」
自警団のリーダーは一人で不審船を発見した地点を聞きもせずに飛んでいった。
「瑞希さん、少し体に触りますね」
「はいはい、不審船に向かうんだよね」
「そうです。フェアリーガード、道案内を」
「了解いたしました」
私たちは遅れて不審船の元に向かうことになり、裏切者のエンルージュの正体を判明させるのだった。
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