322話 白銀の翼
再設計と失敗を繰り返す事数十回、どことなく形は掴めてきた私たちは失敗を繰り返してきたことに心底疲れてきていた。
「……疲れたね」
「そうだな~……形はつかめてるけどどことなく動きが悪い」
(翼を展開するところまでは出来た、だが動きがあまりにもお粗末ですぐに墜落してしまう……どう作ったら浮けるんだろうか?)
私はふと彼女の翼を見て少しだけのアイデアが湧き出てきた。
(この翼……なんだか柔らかい、まるでシルクのような肌触りだ。これで空を飛べるのか……)
「ねぇ、どうやって飛んでるか分かる?」
「急にそんな簡単なことを聞いてくるのか、そりゃ翼を動かして飛んでるんだ」
「だったらフェアリーガードの翼の羽根の部分をチップに置換したら……どうかな?」
「それってつまり一つ一つ翼に羽根となる部品を?」
「つけていくっていうことになる、骨が折れる作業だけどこれが成功したらフェアリーガードが空を飛べるようになるんだよ」
「……やってみるしかないか」
彼女はまず翼のフレームを作り、そして小さな羽根の代わりとなる小さなパーツを作り出していき、少しだけ失敗したパーツは出来上がったものの見事な作りになっていた。
「この翼はこのフェアリーガードに装着するとして……なんだか不服そうだな」
「もしかして自我を搭載してるの?」
「自律的に指令を遂行できるように自律思考を与えている。まぁ長時間ここに拘束してるから不服そうにしてるんだろうな」
「何だか人間らしいなぁ」
彼女は作った翼をフェアリーガードの背中に取り付け、配線をしっかりつなげた。
「多分これで動くはずだ……」
「……」
フェアリーガードは背中につけた翼を慎重に動かし、動作を確認していた。
「どうだろうか……」
「動いてるけど本命はそこじゃないんだよね……飛べるかが問題だ」
翼は作った、後は飛べるかがどうかだという段階だ。フェアリーガードはどんどんと翼のはばたきの往復回数を増やしていき、それと同時に部屋の中にある埃や削りカスが舞い上がり始めた。
「うわぁぁ」
「ごほっ……さすがに掃除をしてなかったからか!!」
そしてフェアリーガードは埃と削りカスを舞い上がらせながら飛びあがった。
「これは成功ってことで良いんだ……ごほぉ」
「ああ……げほっ……そゴホォ」
私と彼女はあまりの部屋の汚さにせき込むのを止められなかった。そして部屋の埃や削りカスが落ち着くまで数分かかった。
「ゴホッ……」
「もう埃は舞ってないよね……」
「ああ……室内で飛ぶのはやめた方がいいな」
(ごもっともだ……私もせき込んでしまったからなぁ……)
そして私たちはフェアリーガードの翼を作り、念のため量産できるように設計図を書きまとめたのだった。そしてこのフェアリーガードを外に解き放つととんでもない速さで空を飛び続けるのだった。
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