321話 人が不可能な事でも機械なら
転移魔法で王城に向かった私は研究室に向かった。
「誰かいる?」
「……居るぞ、どうかしたのか?」
「少し力を貸してほしい事があるんだ」
私は率直に手伝ってほしい事を伝えることにした。
「今のエンルージュって長時間飛行できないよね、もしかしたらフェアリーガードでその問題を解決できるのかなぁって思ったんだ」
「確かにエンルージュは長時間飛行できないな。少しやってみるか」
少女は出来上がっているフェアリーガードを呼び寄せ、背中をじっくり観察してみた。
「今のフェアリーガードの翼ははっきり言って防御用だ、それを飛行できるように改造は少し無茶だと言えるかもな」
「無理なのかな?」
「いや、無理ではないと思うのだが……はっきり言って難しい仕事になりそう」
「どんなところが難しいの?」
「あたいらの翼は柔らかいんだ、そして空気を混ぜるように飛んでいる。だけどフェアリーガードは鉄の体、鉄の羽根でね、飛ぶには凄い速さと出力じゃないといけないんだ」
(飛行機で例えたらまぁ考え方は楽になるかもなぁ)
そして少女は私にとある物を要求をしてきた。
「とにかく硬くて軽い素材、無いか?」
「……ちょっと待って」
(こういったことは全く分からないんだよなぁ……ヴァイスに聞いてみるのはありかぁ?)
私は分からない事を質問され、脳内の中で役に立ちそうな人にアドバイスを聞きに行こうかと考えていた。
「分かった、少しだけ待ってて」
(ヴァイスなら何かわかるはずだ。頼む!知っててくれ!!)
私は転移魔法で縋る気持ちでヴァイスに硬くて軽い素材はあるかと聞きに行った。
「ヴァイス!今って時間大丈夫?」
「とんでもなく暇だ。どうかしたんだ?」
「硬くて軽い素材ってある?」
「硬くて軽い素材か……これしかないぞ」
ヴァイスが出してきた素材、それはラビィスチールだった。
「ラビィスチールだね、これが今ある素材の中で一番硬くて軽いの?」
「そうだ、持っていくといい」
「ありがとうヴァイス!」
私はラビィスチールを持って再び研究室に戻った。
(ラビィスチールの事を忘れかけてたなぁ……後でラビィたちに会いに行かないといけないかな)
「持ってきたよ」
「……白い金属なのか?」
「そうだね、これは私がいる世界でしか取れない物だから貴重だよ」
「貴重な金属なのか、こりゃ頑張って翼を作らなければいけないな」
彼女はラビィスチールを材料にして翼のモジュールを作り出した。
「しかしこの金属は軽いし硬い、これならいけるかもしれない」
「どんなものが出来上がるのかな……」
「とりあえず試作品を作る、そこから失敗を繰り返して完成品を作る」
こうして私と彼女はフェアリーガードの翼を作り始め、失敗と再設計を繰り返していくのだった。そしてフェアリーガードが飛行能力を獲得した時はエンルージュの戦闘部隊と同じぐらいの戦力になるのだった。
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