320話 不法入港
自警団のエンルージュはエンルージュの中に裏切者が居ると私たちに語った。
「それってエンルージュの中に裏切者が居るって事!?」
「そうと言っただろう。もしかしてショックだったのだな」
「ですがその情報源は一体どこから……?」
「王国の奴らは警備しにここに来ないからな、不法な方法で調べた。だがそれはもう時効だし現行犯じゃないから逮捕はないだろう?」
「悔しいがそうだ……」
「それでこの情報を聞いた後、どう行動するんだ?」
「その裏切者はどういう動きをしているのか分かるの?」
私の問いに自警団のリーダーはとある紙を出してきた。
「主な活動はエンルージュの誘拐だ。まぁ誘拐された後のエンルージュがどうなったのかは知らないが……大体は人身売買や奴隷だろうな」
「その情報は何処から?」
「勘だ。まぁ女の勘ってやつは意外と当たるっていうから急いだほうがいいかもな」
私は紙をじろじろと見ているととある特徴を見つけた。
「このエンルージュが裏切者なの?」
「そうだ、だがこの写真に写っている裏切者の髪型や服装は毎度毎度変わっている、つまりこの街を探したとしてもこいつがこの写真に写っているエンルージュとは異なるから見つからない」
(……写真に写ってるのは裏切者のエンルージュと誘拐されたエンルージュ……ほかに何か特徴は)
「それにこの写真が撮られた場所はバラバラだからな……」
(そもそもどうやって気を失ってるエンルージュを運んでるんだ?)
私はどうやって気絶したエンルージュを運んでいるのか気になった。
「ねぇ、この気絶したエンルージュをどうやって人間の国に持っていくのかな……?」
「分からない、だが一つだけ言えることはある。エンルージュはどれだけ鍛えたとしても重い物を持って数十分飛行できない。たった一つの補助装備をのぞいて」
「だとしたらどうして私はアルパイトにしがみついて長時間飛んでたけどそれは……」
「それが補助装備だ。翼の付け根に取り付けるアクセサリーで飛行する体力を調整してくれる。だが俺らみたいな一般の民には配られない物だ」
「私の翼に言っていたアクセサリーが付いてるので瑞希さん、見てみますか?」
「どんなものなのか気になるから見るよ」
私はルーピンの背後に回り、翼の付け根の部分を見た。
(確かにバッチみたいなものがある、これは何かの印なのかな)
「ありました?」
「あった、この印って何なの?」
「それは王国の紋章で、特殊な製法で作られていて何かの力によって身体能力が上がっているのです」
「なるほど……」
「ただこれを作るのに手間がかかるので量産は出来ていないのですよ」
その時、私はとあることに気が付いた。
(長時間重い物を持って飛行できないのなら人間がここにきて裏切者のエンルージュと……?)
「ねぇ、もしかしてなんだけど人間が船でここにきて裏切者のエンルージュと接触してるのなら……」
「人間と裏切者を同時に捕まえられるかもな」
「だとしたら今すぐにでも船を探そうよ」
「長時間は飛べない、そしてこの街の外周はとてもじゃないが飛んで一周できない。もしやるならば大人数、同時に飛ぶ人数は8人、そして休みなしだ」
自警団のリーダーは私が考えた作戦にこういった。
「それにお前は人間だ、飛べるわけがない」
(飛べない私は何をしたらいいのか……結界魔法で周りに結界を張って不審な船が近づいてきたら知らせるように……って駄目だ。私の魔力量じゃここ一帯を包む結界は作れない。だとしたら何をすれば……)
私は考えに考え、とある答えに辿り着いた。
「そうだ……あの力を借りれば……何とかなりそう」
「あの力?どんな力だ?」
「少しだけ待ってて!ルーピン、フェアリーガードとあいつは今どこに?」
「王城の3階の研究室に」
「少しだけ言ってくる!ルーピンはここで待ってて!」
私は転移魔法で王城に向かい、フェアリーガードで何とかならないかと考えた。そしてその考えをフェアリーガードを作るエンルージュに伝え、そのアイデアからフェアリーガードに翼をつけ、飛行性能を付与するのだった。
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