313話 国の元首たる苦悩
2日後、人間たちが飛行艇でエンルージュの王国に襲撃した傷跡はまだ残っており、私とロンはアルパイトに泊まっていけと言われ、渋々泊まることになっていた。
(なんだかアルパイトの様子がおかしい気がする。どうして私とロンをここに泊めたのだろう?)
私はここ2日すれ違いざまにアルパイトの様子を見ていた、表向きの様子は国家元首のような顔つきだったが動きの一つ一つがいつもより遅いように感じていた。そんなことを考えていると私が止まっている部屋にハルモニーが入ってきた。
「ねぇ……今っていいのかな?」
「ハルモニー、怪我は大丈夫なの?」
「傷薬を塗ったから大丈夫、何か悩んでたの?」
「ハルモニーのお姉さん、アルパイトが何だか調子が変というかなんというか……」
「お姉ちゃんの事ね、あれはいつものの事だから大丈夫なの」
ハルモニーはアルパイトの不調を感じている様子はなく、自分自身の楽しみの事を考えてるようだった。
「お姉ちゃんはいつもあんな感じ……国民と同じく嬉しいときは嬉しいし悲しいときは心を曇らせてる……私よりもお姉ちゃんのほうが国を統治してる方がいいのに……」
「ハルモニーも立派に国を統治してる気がするけど……」
「いいや、私はただただわがままを言ってお姉ちゃんやルーピンを困らせてるの。だから私じゃなくお姉ちゃんがこの国を導いてほしいんだ」
ハルモニーは自身よりもアルパイトの方が国民に寄り添っているから国を導いてほしいと私に言った。
「……ハルモニーはそれでいいの?」
「うん」
「私はハルモニーがアルパイトを支え、アルパイトはハルモニーを支えて国を導いて行った方がいいと考えてる。今もそうだ、アルパイトは国民を誘拐した奴らをどうしようかと悩んでるはず」
「でも私は何も役に立たないよ?」
「役に立たなくてもいいんだ、あなたはアルパイトの心の支えになってあげて」
私はハルモニーにアルパイトの心の支柱になってあげてと伝えた。
「どうしたらいいの?」
「ただそばに居てあげるだけでいいかも」
「そばに……わかった、行ってみる」
ハルモニーは部屋を出ていき、恐らくアルパイトの部屋に向かっただろう。
(なんだかハルモニー、アルパイトの事は気にしてないと言いつつも、腐っても姉妹なんだなぁ……)
私はアルパイトの部屋でどんなことが起こっているのか気になり、アルパイトの部屋に向かうことにした。
(確認しに行ってもバチは当たらないよね……)
こっそりアルパイトの部屋に向かい、こっそり中を覗いてみた。すると見えた光景はあまりに微笑ましい光景だった。
「……お姉ちゃん」
「ああ」
「お姉ちゃん」
「ああ」
二人は声を掛けながら仕事をしているようでアルパイトの気分がよくなっているのを私は感付いてるのだった。
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