309話 エンルージュに似ているメカ
エンルージュの街に足を踏み入れた私とアルパイトは進攻してきている人間を捕まえるべく二手に分かれた。
(多分私は人間だから奴らは一瞬仲間かなと躊躇するだろうなぁ)
街中を歩いていると窓からエンルージュがのぞいていてこっちに来たら殺すという雰囲気を出していた。
(まぁ仕方ないか。ここに住んでるエンルージュからしてみれば攻めてきてる人間と同じように見えているようだろうな)
「おい!そこに居る女……」
遠くから人間の声が聞こえてきた、だが人間は私の事を仲間じゃないと気が付いたのかいきなり突撃してきた。
「へぇ、仲間を覚えてるタイプなのね」
私はそう軽口を言いつつエーテルロジックスタッフを握った。だが私の事を見ていたエンルージュが何事かと思いっきり外の様子を見ていた。
(とりあえず一般のエンルージュに危害が加わらないようにしないといけないな)
「やっぱり縛ることにするか!」
私は束縛魔法でこっちに向かってくる人間を難なく捕縛した。
「テメェ!!何も戦いもなくして勝つなんて大人げないぞ!!」
「戦いっていうのは賢く勝つって事なんだけどなぁ……まぁいいや」
私は動けなくなった人間の傍を通って残党が他に居ないか探していった。だがほとんどの残党はアルパイトが高速で殲滅しているためかほとんどの通路に人間の死体が転がっていた。
「アルパイト、もしかしてだけどこの街に居る残党を全て倒したの?」
「ああ、瑞希がとろいからな」
(そんな事を言わなくてもいいじゃないかぁ……)
「まぁ……事実だから仕方ないかぁ」
「それで瑞希が拘束してある人間は居るのか?」
「居るよ、こっちに来て」
私は拘束した人間の元に向かった。アルパイトは殺すことをせずに話を聞くことにした。
「おい、どうしてここを進攻してきた。答えろ」
「何故か?お前らの市場の価値を知らないのか?世間知らずのハーピーだな!」
「童や同胞の事をあの鳥のように言うのか、ならここから落ちてもらう」
アルパイトは私が拘束した人間を持ち上げ、一気に街の外に持っていった。
「待て!ここから落ちたら死ぬじゃないか!」
「ああ、死んで来い」
アルパイトは人間を放し、おまけに蹴りを入れた。
「うわぁぁぁああ!!」」
「生き残り長ければ羽を生やせ。まぁ人間は羽を生やすなんてことは出来ないからな」
アルパイトは私の元に戻ってくると何故か抱きしめてきた。
「どうしたの?」
「戻るぞ、上でとんでもない爆発音が聞こえた。しっかり掴まってろ」
(しっかりホールドしてきてるから何事だと思ったら飛ぶための準備かぁ)
私はアルパイトに掴まり、そしてアルパイトと共に飛んだ。そして城が建っている上層に辿り着くとエンルージュに似た何かが空に浮かんでいる飛行艇を撃ち落としているところを目撃した。
「何だあれは……」
「分からない、けど私が今まで見たことがない物ってのは確か」
エンルージュに似た何かの後ろに居たのは鉄の生命体を作る彼女だった。
「何だ、手を横に振ったら一斉に射撃を止めた……もしかして……」
「そういう事だな。着陸するぞ」
アルパイトは彼女が見せたジェスチャーで何をしてほしいのかを感じ取り、エンルージュに似た何かの後ろに着陸した。
「これは一体なんだ?」
「へへっ、鉄が一杯あったから作れた。エンルージュの姿を模した人型の生命体、その名もフェアリーガード!!あたいが名前を付けた!」
「そうか、あとハルモニーと瑞希の連れは何処だ?」
「少し負傷しちゃったから城の中に居るってさ」
「……そうか、ならここから童らに任せろ」
「地上からはフェアリーガードが援護をするよ。でも誤射とかしちゃうかもしれないから気をつけて」
「ああ、では行くぞ!」
アルパイトは私を掴み、空に飛び立った。
「どうして私を連れていく必要が?」
「魔法で奴らを轟沈させてくれ!童には船を轟沈させる力はない!だから瑞希の力が必要なのだ!」
「……分かった、なら爆発魔法が使いやすい間合いまで飛んでほしいね」
「ああ、分かった!」
私とアルパイトは空に一杯浮かんでいる船を轟沈させるため、空に飛んでいったのだった。当然下から援護射撃があるものの少しばかり精度はお粗末な物な物で警戒しながら轟沈させていくのだった。
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