308話 飛行艇の爆破
私は大量の鉄を持ってエンルージュの世界に戻ってきた。
(転移魔法は本当に便利だ、こんな重い荷物も軽々とここに持ってこれるなんて)
「戻って来たよ~多分鉄の入った手押し車はここに入らないから少しだけ手伝って」
「お帰り、どのぐらい持ってきたんだ?」
アルパイトは部屋の外に出てきて鉄の量を確認した。
「多いな……一年で持ってこれる量の4倍ぐらいはあるぞ」
(どれだけ鉄が貴重なのよ……)
「よし、これを使って」
アルパイトは鉄の多さに興奮しているようですぐさま彼女に大きめの鉄の生命体を作れと命令しようとした。だがその直後、大きな地鳴りの後に雷の音が聞こえてきた。
「何だ!?」
「……この音は!ロン!」
私は急いで出口に向かって走り出した。それに反応したアルパイトは私に続いて走り出した。
「何事だ?」
「ロンが雷を放った音が聞こえた。まさかもう人間の攻撃が来たのか?」
「ロンはむやみに攻撃をしない、するとしたら敵対している奴のみだと私は思ってる」
「……遅い!連れていくぞ!」
ロンは私の体を抱き上げ、一気に出口に向かって飛んでいった。
「やっぱり、人間が攻めてきてた!」
「だが奴らはどうして天空の地に来れるのだ?」
「分からない、だがどこかから登ってきているのは確実だね。城の周りを飛び回って探そ……」
(いや待てよ、城が今襲われているとなると下の方に住んでいるエンルージュは一体どうなってる?)
私の脳内に嫌な予感が走り、アルパイトにとあることを伝えた。
「アルパイト、いますぐ下のエンルージュの街に向かってくれ!何か嫌な予感がする!」
「分かった、加速度に耐えてくれ!」
アルパイトは一気に下降し始め、私とアルパイトに凄い加速度がかかった。
(凄い……一気に目の前がモノクロに……)
「なるほどな、上で陽動してから下で同胞を攫う……どこまでカスなんだ」
「あれは飛行艇か……だとすると奴らは飛行艇を使ってここにきていることになるのか」
街の端に飛行艇が浮いていて何かを待っている様子だった。
「アルパイト、私を一旦放してくれ」
「どうしてだ?」
「あの船を爆破する。爆破してから再びキャッチしてくれ」
「……リスクは高いが分かった。行ってこい」
アルパイトは私を飛行艇の真上で手を離し、自由落下し始めると私はエーテルロジックスタッフを握った。
「うりゃぁぁ!!二隻同時に沈め!!」
私は爆発魔法を放ち、黄色い玉が飛行艇に当たって二隻同時に大破して下に落ちていった。
「アルパイト!」
「分かっている、きちんと掴む」
アルパイトは私の手をしっかり握り、きちんとキャッチしてくれた。
「さっきのは魔法だったのか?」
「そう、爆発魔法の応用だね」
(さっきの爆発魔法は即興で発動させたけど、なかなか使い勝手は良さそうだなぁ)
船がいきなり爆発したと思った人間は驚きだし、沈んでいく船を見ていた。
「ここからは童が突撃する、しっかりつかんでおけ」
「振り落とされないように頑張るよ」
アルパイトはさっきまで船があった場所から街中に入っていき、片手剣を使って神速の速さで人間を斬っていった。
「ぐあぁぁ!!」
「瑞希、もう掴まなくてもいいぞ。ここからは残党狩りでも行こうか」
「……分かった。でも人間を殺すのには少しだけ抵抗感があるかもなぁ」
「そうだな。無理に狩らなくてもいい、こちらで処理しておいてもいいぞ」
「……その方がいいかな」
私とアルパイトはそう言い、二手に分かれて残党を狩ることになるのだった。だが私は狩ることをせずに捉えることにしたのだった。その裏で鉄を使ってこの状況を打開できる物を作ろうとしている彼女が居たのだった。
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