303話 人間の負の面
私たちはこの世界の人間が住む土地が何処にあるのか調査するためにエンルージュの城から飛び立った。
「そういえばあなたの名前を聞いてなかったよね」
「そうだな」
「……教えてくれないの?」
「誰も居ない場所だからな、教えてやる。アルパイトだ」
「アルパイト……分かった~」
その時、ハルモニーがゆっくりと私とアルパイトが飛んでいる場所に近づいてきた。
「ねーねー、何を話してたの?」
「名前を言っていただけだ。ほら早く遠くに行ってくれ」
「分かったぁ~」
「……はぁ、妹がとても迷惑をかけたな」
「いいや、全然迷惑をかけられた感じが無いんだけど」
「それならよかった。あいつは無邪気でまだ子供のような精神性なんだ。だからこれからも子供らしい事を起こすかもしれない。そこのところは目をつぶってくれ」
そして数十分飛んでいると緑色の大地が見えてきた。
「緑の大地だ……」
「この世界にも土があるのね、とりあえず人は住んでいそうだ」
「そうだな。人間が住まう土地を探すか」
「……ねぇ、気のせいかもしれないけどさ……速度上がって来てない?」
「確かに上げてるな。それがどうした?」
「後ろついてきてるの?」
「エンルージュの飛行性能を舐めるな。これぐらいは戦闘部隊でもついてこれる」
明らかに速度が上がっていく中、私は物凄い風圧で顔を下に向けていた。
(凄い風圧だ……)
「あれは……街か?」
「何か……あったの?」
「ああ、街だ。速度を落とせ!街をよく見る!」
「分かりました。お気をつけて」
速度が落ちてきて高度が低くなってくるとアルパイトは街をじっくり見ることにした。
「……少しまずいか!」
「えっ?」
「すまない!急上昇する!」
アルパイトは私を掴みながら一気に上空に上がった。それと同時に矢が街から数十、数百本が対空射撃のように飛んできた。
「うわぁぁ!?!?」
「……胸糞だな」
ルーピンたちがこっちにやってくるとアルパイトは私をルーピンに託した。
「ルーピン、頼む」
「どうかなされました?」
「矢がここまで届かないから今は話せる。あの白いローブを着た奴を見ろ」
「あの兵士の後ろにいる奴です?」
「そうだ」
(全く見えない……もしかしてエンルージュは目が良いのか?)
ルーピンはアルパイトを思いっきり止めていた。
「待ってください、今突撃したら勝てるかどうか……」
「そうだな、一旦この場所は記録しておいて城に戻ろう」
「……待ってて」
私たちは街の場所を確認し、城に戻ることにした。だがエンルージュが見た物は一体何だったのか、私とロンには分からないのだった。
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