296話 糖分に糖分、さらに糖分
私とロンは黒い鎧のエンルージュに連れられ、長い廊下を歩いていた。
「来る感覚が短いように思えるのだが……どうしたんだ?」
「私たちお腹すいちゃってね~」
「足の怪我を治す時に一杯カロリーを使ってしまったのです」
「童が羽根を飛ばして負傷させたところか……」
「そうだね」
「初めて見る人間だったから警戒してしまったんだ、すまない」
そして大きい部屋に入っていくと私とロンは少し体がこわばった。
「広い……」
「そうですね……それにこの大きな机は、もしや応接の間ですか?」
「そうだ。少しだけ待っていてくれ」
黒い鎧のエンルージュはそう言って隣の部屋に入っていった。その間に私はこの部屋の内観を見てどういう場所なのかを推察した。
(ステンドグラスから太陽の光が差し込んでる……そしてこのランタンは何だ?火で灯している感じではなさそうだが……気になる)
「瑞希さん、周りを見てどうかしました?」
「ステンドグラスに描かれてる人物ってさ、もしかしてあの黒い鎧のエンルージュとその妹じゃないのかなって」
「確かに雰囲気は似ていますね……」
(だとするとこの城はいったいどちらの所有物なのだろう?というか私とロンがここに居てもいいのか?)
その時、黒い鎧のエンルージュを筆頭に、メイドの服を着たエンルージュがぞろぞろとやってきた。
「うわっ!?」
「……とんでもないおもてなしですね……どうしてここまでしてくれるのです?」
「負傷させた事を悔やんでいる、だから食事でおもてなしをと」
黒い鎧のエンルージュは急に入り口のドアのカギを閉めだした。
「どうかしたの?」
「……奴が来る。だからドアのカギを閉めているんだ」
「奴?」
「ああ、童の妹なのだがな……童より甘い食べ物が好きなのだ」
「もしかしてこのスイーツを食べようと?」
私たちの前にはいつの間にかスイーツが並べられていて何となく事情は分かった。
「なるほどね……」
「では、召し上がれ」
私とロンは黒い鎧のエンルージュに目の前のスイーツを食べていいと言われ、私は少しだけ警戒しながら目の前のスイーツを口に運んだ。
(これはマカロンか……なんだか私が一度死ぬ前の世界のマカロンと遜色ない味だなぁ)
「このスイーツってもしかしてこの城の中で作ってるの?」
「まぁそうだな。きちんとスイーツを作るだけの役割がある」
その時、ドアがドンドンと叩かれ、声が聞こえてきた。その光景はまるでゾンビが中に人が居るからか襲おうとしている光景とほぼほぼ同じなのだった。
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