294話 カロリー不足
私はロンを連れ、転移魔法を使って世界樹の元に向かった。だが転移魔法の連続使用によってゲロを吐いてしまい、気分は落ち込んだまま世界樹が集めた資料を見るのだった。
「大丈夫ですか?」
「いや……とても気分が悪いんだ……どうしたらいいと思う?」
「少し休んでいてください。水はあそこにありますので」
私はロンに用意された椅子に腰かけ、水を飲み始めた。
(しかし転移魔法を使いまくったな……少しだけ休ませないといけないか)
「少しだけ聞いておきたいことがあるんだけど、いい?」
「どんなことを聞きたいのですか?」
「……世界樹って一体何だろうね」
「簡単な質問ですね。世界樹とはこの世界の情報が集まっている場所だと……」
「情報が集まってる場所ってのはロンの考えなのね。私は少し違う解釈を持ってるんだ」
「どんな解釈を持ってるんですか?」
「ロンの考えてる事に加えて、世界樹と世界樹をつなぐんじゃないのかな……」
私はロンに今考えている事を言った。
「それってどういうことですか?」
「ここの世界樹とA世界の世界樹が何かしらの作用を起こし、根に穴を開けてゲートを作るのじゃないのかな」
「……つまり世界樹同士がお互いの存在を感じ取って行き来できる穴を作る、という事ですか?」
「そうだと私は考えてるんだ」
ロンは私の解釈を聞き、少しだけ悩んでいた。
「その解釈もあり得ますね」
「解釈の通りだとしたら世界樹の根の数だけ繋がっている世界があるのかな……」
(だとしたら世界は私が思ってるより広いのかな……)
ロンは世界樹が集めた資料を必死に読み漁っているととあることに気が付いた。
「瑞希さん、もしかしたらあの翼を生やした人たちの事についての情報のありかについて分かったかもしれません」
「本当?」
「ええ、少しこっちに来てくれますか?」
「いいけど、どこに行くの?」
「少しだけ場所を移動するだけです、ですが体力的にきついと思いますのでおんぶしていきます」
ロンは私をおんぶすると世界樹が集めた資料の部屋の奥に入っていった。
「何だか新しい紙の匂いがするんだけど」
「ここは新たに世界樹が資料を集めてきて私がまだ分類していない場所です」
「……案外未分類の資料って少ないのね」
「ええ、いつ新たに資料が追加されてもおかしくないので今ある資料から目当ての資料を引き当てましょう」
「私も手伝うよ、これは違うね、これも」
私とロンは未分類の資料を仕分け、目当ての資料を見つけるまで仕分けていった。その作業はなんだか地味で私の顔が死んだ魚の顔みたいになるのだった。それと同時に頭が働かなくなり、腹が減ってきたのだった。
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