293話 不思議な資料
私とロンは転移魔法で家に辿り着き、這いずりながらリョウの家に入り込んだ。
「ハイルング居るかぁ~」
「助けてくださいぃ~」
私とロンは家の中にハイルングが居るかどうか分からず、大声で問いかけた。するとハイルングは何故か外からやってきた。
「どうかしたの?ってどうしたのその血の量!?」
「足を斬っちゃってね……治療してくれない?」
「無理無理無理!!!これは回復魔法と治癒魔法を掛け合わせても難しい……少し待ってください!」
ハイルングは何処か急いだ様子で家の中に入っていった。そして持ってきたのはサラリーマンが持っていそうなバッグのサイズの箱だった。
「それは?」
「応急医療箱です、魔法での治療が間に合わない場合にのみこれが役に立つのですよ」
「そう……ですか」
「今から治療しますね」
ハイルングは私とロンの後ろに回り込むと回復魔法と治癒魔法を同時にかけ、それと同時に私の太ももにベルトを巻き付けた。
「イデデデデデデ!!」
「痛い……ぞぉ」
「もう、動かないでください。きちんと締まらなくなるじゃないですか」
「何をしてるんだ……イデデ」
「止血帯を巻き付けて一旦血を止める。そして回復魔法をまだまだかける!」
私の足はハイルングの回復魔法に反応するかのように脈打ち、筋肉や腱が形成し始めていた。
「うわぁ……」
「無理やり再生能力を高めてるからこの後はいろいろなものを食べた方がいい」
「……疲れが来ますね」
「再生能力を高めているからね、そういうところは仕方ないの」
数分経たないうちに私とロンの足は元に戻った。だがどこか慣れないような気がしていた。
「何だか動きがとろいような……何だろう」
「確かにそうですね」
「無理やり再生能力を高めた弊害だね。でも動けなくはないからね」
「……ありがとう」
「それでは世界樹の元に行きましょうか……少し気になることがあるのです」
「気になる事?」
「ええ、あの翼の生えた方々の情報について何か無いか世界樹に聞いてみたいのです」
ロンはそう言うと私に近づいた。
「早く行きましょう」
「……ハイルング、本当にありがとうね」
「はいはい、どういたしまして」
ハイルングはまた私が面倒ごとに巻き込まれていると感じたようで呆れているようだった。そして私は休む暇もなく転移魔法で世界樹に向かうのだった。だが短時間で複数回の転移魔法を使用したことによって世界樹の目の前でゲロるのだった。
「ウォエェェエ」
「うわっ!ゲロッ!」
「転移魔法を複数回使うとこうなるんだ……だから私は転移魔法を使うのにためらっていたんだ……」
「……すいませんねぇ」
私はゲロをこぼしながら世界樹が集めた資料室に向かった。そこで私とロンは翼を生やした人の事について書かれている物を探すのだった。
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