290話 異世界の穴
私とロンは世界樹の根に出来ていた穴に入り、謎の場所に辿り着いた。そしてこれから何を調査しようか話し合うことになった。
「これからどうしようかな」
「この周りを少しだけ探索してきます。ですので少しだけお待ちください」
ロンは龍の姿になって周りを探索していた。その間私は暇なので雲を調べてみた。
(硬い……でもふわふわしてる。なんだかダイラタンシーのような感じだ)
「美味しいのかな」
一度は思った事があるだろう、雲はどんな味なのだろうかと。
「……味が無い」
(そうだよね……水蒸気ってのは無味だもんね……)
少し残念と思ってるとロンが戻ってきた。
「城しかなかったです」
「……本当?」
「ええ、仕方ないですが城の方に向かいましょう」
「……本当に仕方ないなぁ」
私とロンは遠くに見えている城に向かって歩き始めた。
(あの遠くに見えてる城に行かないといけないのかぁ……あの翼の生えた奴がいっぱい居そうだな)
「ロン、あの城の周りに何が居そうだと思う?」
「さっき出会った白い翼の生えた人が居ると思います、瑞希さんはどうですか?」
「私も同意見、どうなる事やら」
「……遠すぎますね。瑞希さん、私が連れていきますので掴まっててください」
「また龍の姿になって飛ぶの?体力を使うんじゃないの?」
「ええ、体力の消費は凄いです、ですが数秒の変身だと体力の消費は少ないのです」
「そうなのね……それじゃ頼もうか」
「お任せを」
ロンは龍の姿に変化し、私は小さな腕に掴まって遠くに見えている城に向かっていった。
(凄い速さだなぁ……これだから体力の消費が凄いんじゃないのかなぁ)
その時、龍の後ろから白い翼をはばたかせながらランスを持った奴が追いかけてきていた。
「ロン!奴らが追ってきている!」
私はロンにその事を伝えるといきなり私を上に放り投げた。
「ってえぇ!?」
ロンは私を上に投げたと同時に人の姿に戻っていて追ってきている奴を墜とそうと構えた。
「瑞希さん!少しだけお待ちを!」
「分かってる!分かってんだけど!!」
(とっても怖いなぁぁ!!)
いきなり何もない場所に投げ飛ばされた私の頭の中はパニックに陥りそうなほどに恐怖心が湧き出ていた。それに対してロンは目の前から来ている奴を撃墜しようとしていた。
「やっ!」
「あぁっ!!」
ロンは飛んでいる奴の左の翼に当たり、そのまま下に落ちていった。その光景を見たロンはすぐさま龍の姿に変わり、私を受け止めた。
「心臓が止まると思ったよ……」
(しかし私たちを追ってきたと、もしかして敵認定されてるのかな)
「ロン、あの城に着くときに奴らの数を見てほしい。もしかしたら一斉にこっちを襲ってくるかもしれない」
私はロンにそう伝え、目の前に見える城に向かっていったのだった。そしてこの城に住まう長と会う機会があるのだったが明らかに一触即発の空気になるのだった。
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