269話 怠惰の人間もどき
話を始めて数十分後、いつの間にか話している人は私とルナの巫女、そしてロンの三人だけだった。
「……いつの間にか眠ってるね」
「そうだな、起こすか?」
「いえ、この人は起きています」
ロンは例の人を膝枕にするとゆっくりと目を開けた。
「ほら、起きていました」
「……ただ話すのがだるいだけ」
「そうなのね……」
「あと名前、言ってなかった。話しかける時に。ヒナ」
さらっとロンに膝枕をされている人が名前を言った。
「ヒナって言うの?」
「……」
「答えるのもめんどくさいのか……」
「……」
「そうらしいですね」
「何も話さないのならな、少し体を調べてもいいか?」
ルナの巫女はヒナの体が気になるようで服に手を突っ込んだ。すると勢いよくルナの巫女の手はヒナの服から出てきた。
「っ……」
「何かあったの?」
「いや……まさかな」
ルナの巫女は急にヒナが来ている服をめくった。普通ならヒナの体があるはずだ、だがそこにあったのは触手と何かの核だった。
「……これ?」
「人の体じゃない……」
「ああ、人の体にすることもできるけど一番楽なのはこれ」
(通常なら見えないからほどいてるのか……だから楽なのか)
その時馬が鳴き声を上げながら立ち上がった。
「ヒヒィィイン!!」
「おっ、起き上がったようだね」
「なら早く封宝玉の元に向かうぞ。今探知したが明らかに力が弱まっている。能力を使われたか……」
「能力を使われたの?」
私はさらっと言ったルナの巫女の言葉を聞き逃さなかった。
「ああ、能力が使われたから力が弱まっているんだ。だから急ぐぞ!」
ルナの巫女は急げとロンをせかしていた。
「分かりました、それでは走らせます」
ロンは急いで馬に鞭を入れ、急いでルナの巫女の封宝玉の場所に向かい始めた。
「力が弱まって何分が経ちました?」
「分からない、だが凄い力を使っていて判別が難しかった。まずい事が起きているのは確実だ」
「……力が必要?」
「物による、生物相手だとヒナは大いに役に立つ。その時は動いてほしい」
「……」
(肯定なのか否定なのか分からない……ルナの巫女も分かってなさそうだ……)
そして私たちは封宝玉の場所に向かい、封宝玉を盗んだ犯人と対峙するのだった。だが盗んだ犯人は思った以上にパワーアップしていて全員の力を合わせないと勝てない強さになってしまっているのだった。
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