264話 ルナの封宝玉
私とマーチャは急いでルナの巫女と敵のリーダーをおんぶして家に向かって走っていた。明らかに敵のリーダーの方が重傷で一時を争うような状況だったためにマーチャに運んでもらっている。
「なんだかまずいのじゃ!!」
「私を置いて行ってもいい!一秒でも早くつけばいい!」
「分かったのじゃ!!全速前進なのじゃぁぁ!!」
マーチャは一気に加速していき、そして一瞬で森を抜けていった。
(一瞬でこの森を抜けた……凄い)
「う……」
「起き上がった?大丈夫?」
「封宝玉……どこ……?」
ルナの巫女は私におんぶされながらとある物を探していた。だがどこにもない事に気が付いたルナの巫女は私が盗んだと勘違いしてきた。
「封宝玉返して」
「痛てててて!!肩を噛むな!!」
「んむぅー」
私はルナの巫女に肩を強く噛みつかれていた。一体封宝玉とは一体何だろうか……?
「私は封宝玉という物を知らないしどんな形のものか知らないんだ!それにどういう物か分からないんだ!」
「……盗んでないか?」
「ああ、盗んでない!」
そんな会話をしているとマーチャが迎えに来た。
「とにかく奴には治療を受けてもらっているのじゃ。それでどういう状況なのじゃ?」
「ルナの巫女が持ってた封宝玉が無くなったと言ってるんだ」
「封宝玉……知らないのじゃ」
「もしかしたら落ちてるかも。探してきて!」
「分かったのじゃ!」
マーチャは戦闘場所に戻って封宝玉を探しに行った。
「とりあえず治療は受けてもらう。話はそれから」
「……」
「どうしたの?」
「封宝玉が無いとルナに帰れない……」
「それって本当?」
「うん……」
私はその事を聞くと一瞬頭の中が一瞬ハテナを出し、そして一瞬にして脳内がフル回転し始めた。
(もしかして封宝玉が無いとラビィたちを連れて帰れないって事か……だとすると相当まずい事なのでは!?)
「帰れないとなるとラビィたちも……」
「そう」
「……相当まずいんじゃないの?」
「そう」
ルナの巫女はそう焦っていないように言っているが内心焦っているのだろうか、足が無意識に動いていた。
「急いでるのは分かってる。だけど今は治療に専念して」
私はルナの巫女に今は安静にしてと伝えた。そして家に辿り着くと私はハイルングが居るリョウの家に入っていった。
「ハイルング!こいつも治療お願い!」
「二人目……分かった。だけど軽傷っぽいからあとで!」
ハイルングは敵のリーダーを集中的に治療していた。そうやら危ない状況らしい。
「とりあえず私もここに居るね」
「ああ、とりあえず邪魔はしないで」
私はルナの巫女と話をするためにここに残り、治療の合間に封宝玉という代物の能力を聞くのだった。




