251話 嘘のクエストに騙された奴
私たちは世界樹の中にある書庫にてルナの巫女の事について調べ始めた。だが数万冊ありそうな本の中からピンポイントで探し当てるのは針に糸を通す事より難しそうだった。
「マーチャ……この本の山の中からルナの巫女の事についての本を探し出すのってどうなの?」
「不可能なのじゃ。アホすぎるのじゃ」
「ああ……とてもじゃないが気が引けるぞ」
私たちは本の多さに気が遠くなっているとどこかで聞いた声が微かに聞こえてきた。
「この辺りか……?」
「……なんだか聞き覚えのある声が聞こえてきたんだけど」
「儂も聞こえてきたのじゃ」
「私もだ……」
私たちは声がした方向に向かい、物陰から声を出した張本人を監視し始めた。監視対象は何故ここに居るのかと言いたくなる奴だった。
「違ったか……しかし調査対象の情報が書かれた本が世界樹の書庫にあるのか?」
(リョウだ……でも何かを探してるのか?だとしたらアホか?)
私たちは小声で何故ここにリョウが居るのかと相談し始めた。
「……マーチャ、どうするの?」
「声をかけるにしても……のじゃ……」
「とにかく話しかけるか」
「そうしよう、リーベ頼んだ」
「……分かった」
リーベは物陰から出るとリョウに向かって歩き出し、背後から肩を叩いた。
「おいお前、どうしてここに居るんだ?」
「……古代エル……リーベ!?どうしてここに居るんだ!?」
「それは私が言いたい。ちなみに例の二人も居るぞ」
リーベが私とマーチャの事を言ったので物陰から出た。
「瑞希にマーチャ……どうして!?」
「儂らはルナの巫女の事について調べに来たのじゃ。リョウはどうしてここに居るのじゃ?」
「冒険ギルドに情報を調べるだけでいいクエストがあったんだ、それを受けて今ここに居ると言うわけなのだが……その調べてほしい物はルナの巫女っていう奴らしいが……」
どうやらリョウと私たちが探している情報は一緒のようで、リョウが持ってきたクエストはなんだか私たちからしてみれば少しだけ怪しいように見えた。
「リョウ、その依頼主は誰か分かるか?」
「いや、依頼主の欄に名前は書かれていなかったな。それがどうしたんだ?」
「……実はな、儂らの家に不審者が近づいてな、そいつがルナの巫女と発言していたんだ」
「なるほど?」
「それでルナの巫女の事について調べに来たんだ」
「……もしかしてこっちのクエストが胡散臭いように見えているのか?」
「とっても胡散臭い」
私はリョウにクエストの目的が胡散臭いと伝えた。
「……確かに通常依頼主の欄に名前が書かれていなかった……違和感はあったはずなのになぁ」
「アホじゃん」
「分かった、とりあえずこのクエストの報告で嘘の情報を言う、そしてこのメンツだけでルナの巫女の情報を回そう」
「ありがとうリョウ、不審者騒ぎがあったからねぇ……こんなことになってしまってごめんね」
「大丈夫だ。ほらこの本の中からルナの巫女の事について探し出すぞ」
こうして私たちの仲間にリョウが加わり、4人で数万冊ある本の中からルナの巫女の情報を探し出すのだった。
最後まで見てくれてありがとうございます。
少しでも続きが気になる、それか面白ければブックマーク・評価・いいね・感想・レビューをお願いします!




