250話 小さな妖精
私たちは世界樹の近くまでいかだで移動し、世界樹の根元にある町の寸前まで来ると私たちはいかだから飛び降りた。
「……ここが世界樹なのね」
「のじゃぁ……大きいのじゃぁ」
「ああ、大きすぎて世界樹の上の葉がうっすらとしか見えないな」
(遠くからでもわかってたけどこれほどまでに成長した世界樹って凄いなぁ)
私たちは町の中に入っていき、雰囲気を調べてみた。建物は私たちがギリギリ入れそうなサイズで背が大きい人からしてみれば人形の家と誤認しやすい家だった。
(家が小さい、でも建物が縦に伸びてるから相当の人数が住んでるんだろうなぁ)
「ここって妖精が住んでるのかな?」
「多分そうなのじゃ。まぁ……あれを見ればその性格は分かるのじゃ」
マーチャが指さした先、そこには家は燃え、妖精たちが暴動を起こしている様子が見て取れた。
「……攻撃的なのね」
「あんな攻撃的だとは思わなかったな」
「なぜあんなことになってるのか儂らには知らないがこの妖精たちを束ねてる長は大変そうなのじゃ」
そして私たちは暴動を横目に、世界樹の根本付近に向かっていった。だがその道中で妖精の警備に止められた。
「少し待て」
「どうした?」
「見ない顔だがどこから来たんだ?」
「どこから……そうだな……スプリット高原から来た」
「知らない所だな、もしかして遠くから来たのか?」
「遠くから来たね。でもどうして私たちを止めるの?もっと止めるべき人が居るでしょ」
私は警備の妖精に暴動の事を言った。
「あれはいつも起きている暴動だ」
「いつも……なのか」
(あれでいつも起きている事ならとても治安が悪いな)
「それでどうしてここに来たんだ?」
「ルナの巫女の事について調べに来たんだ」
「ルナの巫女……?」
どうやらこの警備の妖精はルナの巫女の事について知らないようだ。
「知らないのね」
「知らない。とりあえず書庫なら世界樹に入っていけば見つかるはずだ」
「ありがとうね~」
「どうか目的の本を見つけてほしい」
そして私たちは世界樹が生えている場所に向かっていき、上を見上げた。
(物凄く高い……これが世界樹なのね)
「マーチャ、これほどまでに高い物って見たことある?」
「無いのじゃ……瑞希はあるのじゃ?」
「ある、でもこれほどまでに高い物は初めて見たかも」
(転生する前、都会に行った時に高層ビルを見た時と同じ感情だなぁ……)
私たちは世界樹を見上げ、そしてその中に入っていった。
「……ここが書庫なのかな」
「本が大量に本棚に収納されているから多分そうだろう」
「とても古い本の匂いがするのじゃ~」
私たちは世界樹の中にある書庫に辿り着き、ここからルナの巫女について調べ始めるのだった。だがこの本の多さをすべて読むとなったら一生読んでも読み切れなさそうと直感させるのだった。
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