248話 狭いダンスフロア
川をいかだで下っている途中、私はリーベの事について気になる事を聞いた。
「リーベ、こういう場だから聞いておきたいことがあるんだけど」
「どうした?」
「古代エルフの人たちってさ……一応平均年齢ってどれぐらいなの?」
「年齢か。平均年齢と言われれば……軽く千年は超えているだろうな」
「千年……!?」
「儂でもそんな生きてないはずなのじゃ」
「この中の誰よりもこの世界の事を知っているという事だ。だが何故、唐突に年齢の事を聞いたんだ?」
「幽霊の存在って知ってたの?」
私はなぜリーベが幽霊を怖がったのか聞いた。
「幽霊の事は噂レベルで聞いていた、だがこうして目の前に現れるとは思わなかった」
「つまり幽霊の存在は聞いたことあるけど見たことはなかったのね」
「そうだ、貴重な体験だ」
いかだが川を下っていき、水しぶきと共に会話が盛り上がっていった。そしてマーチャはとある刺客の襲撃を感じ取った。
「何か来るのじゃ」
「マーチャ、何が来るの?」
「……ここは平原、そのど真ん中を流れるいかだ……逃げ場なしって言う事なのじゃ」
マーチャはそう言うと頭上に紫色の球を生成した。
「これは?」
「儂の意思とは関係せずに敵を撃墜する魔法なのじゃ。まぁこれは儂がめんどくさいと思った敵にしか使わない魔法なのじゃ」
「紫の球から何かが出てる、もしかしてこれって敵に向かって飛んでるの?」
「そうじゃな~」
紫色の球は敵をどんどん発見していき、弾を射出していった。
「とりあえずこれで安全に川を下ることが出来るのじゃ~」
「……なんだかあっさりだな」
「だね~」
その時紫色の球の弾幕を避けていかだに飛び込んでくるゴブリンを私は見た。
「ゴブリンだ!!」
「なにっ!?」
「かいくぐってきたのじゃ!?」
マーチャは紫色の球の弾幕を避けて飛び込んでくるゴブリンに驚いていた。そして飛び込んできたゴブリンは持っていた棍棒を私たち目掛けて振ってきた。
「あぶねっ」
「狭い……でもこれは相手も同じだ」
「そうなのじゃ……蹴とばすのじゃ!」
マーチャは飛び込んできたゴブリンを蹴り飛ばし、川に落とした。
「さすがにいかだ狭かったのじゃ……」
「いや、これぐらいじゃないと川を通行できないと思うんだけど」
「そうだな……しかしゴブリンが飛び込んでくるとは思わなかったよ……」
「のじゃぁ……」
私たちは飛び込んできたゴブリンが川に流されて行くのを見届け、そして世界樹の方向に向かって舵を切ったのだった。だがマーチャはあのゴブリンの実力はまだ伸びるとブツブツと言っていたのだった。
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