247話 急流
マーチャが大木の周りに木を生やしてくれたおかげでいかだを作れるようになった私たちは早速いかだ作りに取り掛かった。
「でも斧って今無いよね?」
「そうじゃな」
「もしかして手持ちの物で伐るのか?」
「そう言うことになるのじゃ」
私たちはマーチャが考えていたいかだの設計図を甘く見ていたようだ。
「……仕方ないなぁ~」
「リーベ、何か木を伐る方法があるの?」
「少しずつだが伐れる方法はある」
リーベは背中に背負っている矢筒から矢を5本取り出した。
「まさかだがその矢先で……?」
「そうするしかなかろう」
「……とても時間がかかりそうなのじゃ」
こうして私たちは矢についた金属で木を伐っていくのだった。だがこの小さな金属では思ったより木は伐れにくい事に気が付いた。
(とても切れにくい……マーチャも同じように苦戦してる。でもリーベはあの技で木にヒビを入れてる……)
リーベはさっき私とマーチャに見せてくれたあの技を使い、木にヒビを入れていった。どうやらヒビを入れていき、ある程度ヒビが入ったところで木を押せば倒れるということらしい。
「簡単に木が倒れてく……凄い」
「その矢先で木は伐れないのか?」
「どう考えたって伐れるわけが無いのじゃ」
「そうか、ならこの縄を使って丸太を縛ってほしい」
リーベは腰に提げているポーチから少し大きめの縄を取り出した。
「分かったのじゃ、瑞希も手伝ってほしいのじゃ~」
「分かったぞ~」
私とマーチャはリーベが倒した丸太を転がして一列に並べ始めた。そして5本ぐらい並べ終えると途中でバラバラにならないように縄で丸太を固定していった。
「一応強固にするために魔法でもかけておくのじゃ」
「いいの?」
「このまま川を下って縄がちぎれたら……どうするのじゃ?」
「一本の丸太にしがみつくしかないかな」
「そうならないために儂は縄や丸太を強固にしているのじゃ」
マーチャは丸太と丸太同士の隙間に土魔法を敷き詰めていき、そしてリーベはいかだの出来具合を見た。
「とりあえずは大丈夫かな」
「後はこのいかだを川に持ち込むだけだね」
「のじゃ……重いと思うのじゃが頑張るしかないのじゃ」
私たちはいかだをひきずって川に運んで行った、だが力を入れても全くびくともしなかった。
「全然びくともしないねぇ!!」
「ああ、これは重すぎたか……」
「のじゃぁぁぁ」
その時、幽霊はこの光景を見ており、しれッと力を貸してくれていた。
「幽霊はこの程度の重さは持ち上げられるの」
「ありがたいのじゃ~」
「このままの勢いでいかだを川に持ち込むぞ!」
私たちは勢いよくいかだを川に浮かべ、それと同時にいかだの上に飛び乗った。
「全員乗ってるよね!?」
「ああ、乗ってるのじゃ」
「ここから川の流れに沿って世界樹に向かっていくか……分かれ道の時は任せてくれ」
こうして私たちはいかだを作り、川を下り始めた。そして道中激流や滝が現れない事を祈るのだった。




