238話 カタコトでも伝わる言葉
数日後、私はふとウサギ耳の子たちが居る場所に近づいて行った。するとウサギ耳の子たちは私に気が付き、近づいてきた。
(警戒心はとっくに無くなってるね……)
「どうも……?」
「元気ですか?」
「……どうして疑問形なのよ」
今まで人の言葉を話せなかったウサギ耳の子たちは私に覚えたての言葉で挨拶をしてきた。
「……ここはハテナ違う。はっきり言う」
「難しいよぉ」
「うん」
「いやとてもうまくできてると思う!うん!」
(ここはほめたたえる方向にしようか)
私は頑張って人の言葉を言ったウサギ耳の子たちをほめたたえた。すると一人は顔を赤らめ、もう一人は当然だろと言わんばかりにどや顔をかましていた。
「ふふーん」
「褒められるの初めて……」
(反応は三者三様だなぁ……って聞かないといけない事があるんだった)
私はウサギ耳の子たちが何処から来たのか確定させることにした。
「聞いておかないといけない事があるんだ。あなたたちは何処から来たの?」
「……どこから?」
「しらなーい」
「はるか上から、夜に見える二つの場所から来た」
ウサギ耳の子の中で悠長に人の言葉を話せるようになった子がそう言った。
「月から来たの?」
「……分からない」
「月?なにそれー」
「……多分そう」
(ダメだ、この二人はノイズでしかない。でも何も話さないでと言うのは絶対ダメだ)
そして私は人の言葉を悠長に話すウサギ耳の子に詳しいことを聞き始めた。
「月から来たのね」
「多分そう」
「ならあなたたちはいったい何者なの?」
「……ラビィ」
「ラビィね、しかしあなたはとても賢そうに見えるけど実際はどうなの?」
「……賢いのかな」
どうやら今、目の前にいるのはラビィという種族で月から来た種族だと言っていた。
「名前は何なの?」
「分からない、名前って何?」
(もしかして名前が無いのか?)
「私の名前は瑞希だ。あなたの名前は?」
「……分からない」
「もしかして名づけられてないの?」
「たぶんそう」
どうやらこのラビィたちは名前が無いようで私はこのラビィたちの名前を付けていくことにした。そしてこのラビィたちを狙う不届きものが静かに私たちを監視していて、私は未だその事に気が付いていなかった。
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