236話 故郷を思い返して
ウサギ耳の子たちは私の家の前に転移してくると何故か家を眺め始めた。
(この子たちはこんな家を見た事無いのだろうか……)
「ほら家の中に入ろうね~」
「ぷい?」
私はウサギ耳の子たちを家に迎えた。そして簡単な手料理を作り始めた。
(あの子たちの口に合うか分からないけど作ってみるか)
「少しだけ待っててね~」
私の料理の光景をウサギ耳の子がじっと見ていた。だがそのまなざしは何処か奇怪な目だった。
「珍しいの?」
「……ぷぅ」
「美味しそうだね~」
そして私は料理を皿に盛りつけていき、ウサギ耳の子たちにふるまった。
「んなな」
「美味しそうに食べてる……よかった」
(口にあってよかった。でもこの子たちプイとかププとかしか言ってない……意思疎通は難しいな)
私はこの子たちの意思疎通を諦めかけていたがウサギ耳の子の1人が人の言葉のようなものを話し始めた。
「んなんな」
(人間の言葉を話したような……気のせいか?)
「ぷいっ」
「ぷぷ」
「んな」
(いや……明らかに人の言葉を話してるな!?)
私は少し驚き、人の言葉を話し始めたウサギ耳の子に話しかけた。
「あなた、人の言葉が分かるの?」
「ん……」
人の言葉を話したウサギ耳の子は急に手をあげた。手をあげた意味は分からない。
「もしかして私が話してる言葉を学習してるの?」
「る……う?」
(私が今考えてる仮説が正しいかな……他の子が人の言葉を話すのは後になりそうかな)
私は人の言葉を話し始めたウサギ耳の子に人の言葉を教え始めた。そして人の言葉を覚え始めたウサギ耳の子は普段話している言葉と人の言葉の意味を結び付け始めた。
「ごはん……カリカリ……」
「うんうん、それで?」
「うまい……まづい」
(人の言葉を話せるようになってきたけど所々で言葉に躓く、仕方ない所でもあるけどこの子の学習能力は凄いな)
「ふわふわ……」
そして言葉を教える事数時間、私の体力が底をつきかけてくるうちに外が夜になった。
(もう夜か……とても時間の流れが速いように感じる)
「ってどこに行くの!?」
ウサギ耳の子たちは急に家の外に出ていった。それに驚いた私はウサギ耳の子たちを追いかけていった。するとそこで見た光景はウサギ耳の子たちが月を見ているという何とも異様な光景だった。
(3人一緒の方向を見ている……そして目線は二つの月……そんなに珍しい物なのか?)
私は何故ウサギ耳の子たちが月を見ているのか今は分からなかった。だが人の言葉を話し始めたら何故月を見るのか判明するだろうと私は思った。
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