232話 オートマタ農業
数日後、ふと高原から街を見下ろすと大勢の人が農作業をしているのが見て取れた。
(もしかしてこの人たちって街の人なのかな……それとも渚が造り上げた……)
「瑞希、街の方を見てどうしたんだ?」
「渚か……あの人影って街の人なの?」
「あれは僕が作ったアンドロイドだ。ちなみにあの人型のロボットは私とメルセデスの合作だ」
メルセデスという名前は聴いたことが無いので私はメルセデスの事を聞いてみた。
「ねぇ、メルセデスって一体誰なの?」
「瑞希が連れてきたんじゃないのか?」
「……もしかしてだけど数日前に渚に会わせた奴?」
「そうだ、奴の知識と僕の知識を組み合わせたらあんなものが出来上がった」
どうやら二人の知恵が合わさったことによって新たな機械生命体が誕生したらしい。
「とりあえず新しい知見が得られたことに感謝だ。だがこれほどまでに優秀な奴がこの世界にいたとは思わなかったな」
「まぁ……新しい労働力を手に入れれた事だし……」
「とにかく街の人が楽になってくれればいいのだが……」
「だね」
こうして私たちは新たな労働力を手に入れ、農業は最適なものになったのだった……そして工業はヴァイスの願いはやっと形になった。
「これが工房か……」
「ああ、今まで作った工作機器をこの建物に詰め込んでる。だから工房と言ってもいいだろう」
「……ありがとう、これで雨や風の影響を受けずに作業ができるよ」
ヴァイスは自分だけの工房が出来たことによって少しだけ作業の質が上がるとぼやいていたのだった……
そして私たちのあずかり知らない所でとあることが起きていた。それは私たちがいる場所からはるか上空、二つのルナが並んでいる所で事件は起きていた。
「プイ」
「ププイ」
「プ?」
ルナに住まう住民は何かの異変に気が付いたのか上空を見上げた。すると小さな隕石がルナにぶつかり、ルナに住まう住民は隕石で飛び散ったルナの破片に3匹しがみついた。
「プゥゥゥ!!」
「プイィィ!!」
ルナに住まう住民はパニックになりつつもルナの破片にしがみつき、そして地上のとある場所に落下していくのだった……




