230話 思想は同じ
数十分後、聴力が回復したであろうタイミングで職人が再び騒動の犯人の髪の毛を引っ張った。
「おい、どうしてこの騒動を起こした」
「言うわけ……ないよ……どうせ俺の事なんて理解しないだろうな……」
騒動の犯人はそう言うと職人は真顔で拳を犯人の腹を殴った。
「ぐえっ!?」
「ちょっと……やりすぎだと思うけど……」
「おい、早く騒動を起こした理由を言え」
(とっても怖いなぁ……さすが職人だ……)
「わかった!わかったから!!」
騒動の犯人は職人の圧力で怯えたのか騒動を何故起こしたのか言い始めた。
「俺は一人が怖い。だからこんなことを起こして構ってもらおうとした。だけど……ロボットを操っても孤独って晴れないんだなぁ」
(なんだか渚と同じような感じだなぁ……)
「それで?」
「それ以外無いぞ!!だからこの縄を解け!」
騒動の犯人は体を必死に揺らし、拘束から逃れようとしていたがしっかり縛られているために拘束を解けなかった。
「それでこいつはどうするんだ?」
「審判にかけて牢屋に入るか永久に国外追放だな」
「そうか……なら少しだけ会わせたい奴が居るんだよね~」
「会わせたい人物が居るのか?」
「こいつみたいな考えの人が居るんだ。会わせてみたらどんな感じになるのかなって気になるんだ」
私はこの犯人を渚に会わせてみたらどうなるのか気になった。
「なら少しだけ審判員に懇願して見れば……永久国外追放に出来るかもな」
「それしかないんですか……?」
「ああ、この国の警備の根幹を揺るがしたからな、当然だ」
「……そうですか」
騒動の犯人はもうこの国に住めないと思ったのか力がすっと抜けた。
「まぁ、後でラストチャンスをあげる、そのチャンスを掴み取れるか……が運命の分かれ道だな」
「……分かった、とりあえず審判会で裁かれてくるか」
「だったら行くぞ」
職人は縄をほどき、騒動の犯人の手首を掴んで警官の元に持っていったのだった。
「……これで一件落着ってことで良いのね?」
「そうですね……とりあえずここで待っててください」
「分かったけどどうして引き留めるの?」
「あの人が再びここに戻ってきそうなのでね」
こうして私は警備ロボットの担当者の案内の元、ギルドの中で少しだけ居候することにした。その間警備ロボットの担当者は私にココアを淹れてくれた。そのココアはとても甘く、そしてコールタールのように黒かった。
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