220話 ドロドロしたアンドロイド
私は渚たちが高原まで登って来るまで家の前で待った。
(しかし転移魔法で連れて行ってもらえるような考えだったのか……自身の体を見てほしいなぁ)
数十分後、やっと渚たちが息を切らしながら登ってきた。
「これで……いいんだな……?」
「泥だらけの体で転移魔法を使わせてもらえると思わないで」
「ああ……そうだな……」
渚は自身についている泥を取りながらそう答えた。
「……とりあえず風呂の前にシャワーをしてね。風呂場が泥で汚れるのを防ぐためにね」
「分かった、だがここに風呂があるなんて思わなかったな……」
「まぁまぁ、そんな事を言わずに早く入って」
私は渚たちを風呂場に連れていき、そして大人しくシャワーの前に連れて行った。
(何かいたずらを受けないだろうか……何だか心配だ)
「泥を落としてから風呂に入って」
「分かった、TS-43とTS-01はそこで大人しく……ってもう遅かったか」
アンドロイドの片割れが勢いよく湯船に飛び込み、湯船全体に茶色く濁ったお湯が出来上がった。
(……てめぇ……)
「瑞希、落ち着いてくれ!!!」
「ああ、分かっている。だがこれは……許せるわけがないぞ!!!」
私は勢いよく湯船に走り、湯船に突っ込んだアンドロイドを引き上げた。
「綺麗になったぞ?」
「……渚、少しだけ暴れてもいい?」
「ああ、いいぞ。そいつは体が頑丈だからな……やってもいいぞ」
渚からGOサインが出たことによって私はアンドロイドの首を脇で絞めた。
「このっ……」
「いてててて」
「湯船を汚して……何をしてくれてんだ!?」
「ただいたずら心が働いてぇ~」
「いたずら心があってもこれは駄目!許さないから!」
私は心を鬼にしてアンドロイドに説教をしていた。
「渚、どうしたらいいと思う?」
「風呂掃除でもさせたらどうだ?」
「確かにそうだね、さぁ、やろうか。風呂掃除を……」
私はアンドロイドにそう詰め寄ると何故かアンドロイドは涙を少しだけ流していた。
「ごめんなさい……」
「泥は一瞬で取れるかもしれない、だけど他に使う人の事を考えないといけないんだぞ」
私はいたずらをしたアンドロイドに対して風呂掃除を命じた。その光景を見ていた渚はどこか感銘を受けている様子だった。
「渚、少しだけ待ってて」
「分かった、だが風呂が沸きあがるまでどうしていたらいいんだ?」
「そうだな……あそこに使っていない風呂があるから少し手伝ってくれない?」
私はお湯が入っていない湯船を指さした。
「そこにお湯が入るのか!?」
「そう、だけど少しだけ準備をしてからお湯を入れるから」
私はウォーターで湯船を水で満たし始め、そして湯船の下にある空間にファイアを放ち、水を温め始めた。
「それで手伝ってほしい事は何だ?」
「そこに居るいたずらアンドロイドをシャワーで洗ってほしい、私じゃ手に負えなさそうだから」
「分かった、おーいTS-01、少しだけ体を洗うぞ」
「良いのか?」
「まだ汚れがあるかもしれないからな、仕方なくだ」
渚はTS-01こといたずらアンドロイドを洗い始め、私はせっせと風呂の準備をしていた。
(しかしこのアンドロイドにあの謎の動力コアを取り付けるのか……??)
私は渚に何故問題大ありのアンドロイドに動力コアを取り付けるのか疑問で質問をするのだった。そして渚はこの二人に特別な何かを感じているのだと分かるのだった。




