215話 最高出力
私たちは作り出した動力コアが叩き出した出力を見て体が固まっていた。
「凄いなこのエーテルは」
「質がいいエーテルですからね、これぐらい序の口ですよ」
「エーテルとやらは凄いな……」
職人は動力コアをみていて何か異常が無いか確認していった。
「異常は無し、これがこの動力コアの実力なのか……」
「……ねぇ、この動力コアを5個ほど量産してくれないかな……もちろん材料はあるでしょ?」
「……分かった、少しだけ加工をするから少し待ってろ」
職人はそう言うと奥からハイスペック動力コアの材料を持ってきた。
「少しだけ待っていてくれ。一つ一つ手作業で作っていく」
「もしかしてそれってハイスペック動力コアの材料?」
「そうだ、これがハイスペック動力コアになる。そしてこのパーツ一つ一つが高価な貴重品だ」
(貴重品なのか……それをポンポン買ってた私がとてもじゃないがバカに見えるな……)
私は大金ビンタで高価なものを買っていたと感じると急にバカバカしく見えてしまった。
「瑞希、どうした?」
「いや……何でもない」
(渚にばれたか?この感情を……?)
職人がハイスペック動力コアを組み立てていく中、私と渚は職人の手を見ていた。
「瑞希、職人の手が傷だらけに見えるだろう?」
「ああ、とても苦労してるんだなって思うけどどうしたの?」
「あの手、とてもじゃないが数多くのハイスペック動力コアを作ってきた手なのだろうな」
渚はそう言ってしまうと私からしてみれば職人の手は大金を生み出してきた打ち出の小槌のように見えてきた。
(ダメだ、金目的でここに来たわけじゃない。ハイスペック動力コアを求めてここに来たんだ……)
「瑞希、どうした?」
「少しだけ邪な考えが頭の中に流れ込んできた、大丈夫だ」
「大丈夫なのか……?」
「多分大丈夫だ……」
そして金属同士がぶつかる音や削れる音が鳴り響くこと数時間、ハイスペック動力コアが4個出来上がっていた。
「あと一つできるぞ」
「高価な物がここに4個……うっ、欲が」
「確かに欲が湧き出てくるのは分かる、俺だってこれを担いでこれを販売店に売り込みたいからな」
「そういえば代金を払わないとね」
「いや、このエーテルが代金の代わりでいい。これはハイスペック動力コアの何倍もの値段だからな……」
「いいんですか!?」
「ああ、少し待ってろよな」
職人はハイスペック動力コアを組み立て、そしてエーテルをさっきの動力コアの通りに並べていった。
「とりあえずこれで完成だな……いいぞこれ」
「ありがとう!!」
「あと時間があれば少し悩み事を聞いてくれればよかったが……後で話そうか」
私と渚は謎の動力コアを手に入れ、この謎の動力コアを最初に取り付けるのはあの苦労人だった。
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