206話 アップグレード
家に帰ってきた私たちは醸造施設にインフォルマチオンを案内し、フェアシュタントの指導を頼んだ。
「フェアシュタント、ポーションの事なんだけどね……一度インフォルマチオンに学んでくれ」
「……このエーテルに汚染されたサキュバスに?」
「あなたね……毒にマンドラゴラを入れるのは分かるけどエーテルポーションにマンドラゴラを入れるのは論外!!!ポーションの知識を叩きなおしてやる!!」
私はそっと醸造施設を離れ、池田渚の元に戻った。
「大丈夫だったか?」
「フェアシュタントは地獄を見てしまいそうだね……それで設備はこれですべてなの?」
「生きている機材を運び出したのならこれが全部だろうな。ササ、お疲れ様」
「やっと帰ってきたのか、遅いぞ」
池田渚は待機しているアンドロイドに命令をしていった。
「この機材を研究施設に運び込んでこい」
「しかしこのアンドロイド全部、池田渚が作ったのか?」
「全て作った。知性の文字に宿る神の力を行使してな」
(知性の文字に宿る神……どんな力なのだろうか?頭の回転が良くなる?それとも分からない事を理解できるのか?)
「どういう能力を使ったんだ?」
「知性を一時的に増加させる。説明されたのはそれだけだ」
池田渚はそう言うとグレードⅤのエーテルを見た。
「しかしエーテル地域を抜けるとグレードⅤのエーテルの色が異常だと言うことが分かるな」
「あまりにも毒々しいから仕方ないよ……」
(さて、3本ぐらい持って資材置き場に置きに行こうかな)
「エーテルを3本ほど持っていくねー」
私はエーテルを4本手押し車からおろし、資材置き場に持っていった。するとちょうど休憩に入ろうとしていたヴァイスがいた。
「あっ、ヴァイス」
「その結晶はエーテルなのか?でもエーテルにしては毒々しいな」
「グレードⅤのエーテルなんだよ。少しだけ頼みごとがあるんだけど……いい?」
「暇になったからいいぞ。何をするんだ?」
「私のエーテルロジックスタッフの先端についてるエーテルをこれに変えたいんだ」
「分かった。少しだけ待ってくれたら完璧に付け替えが出来るだろう」
私はエーテルロジックスタッフをヴァイスに渡し、エーテルを1本渡し、残りの2本を資材置き場に置いた。
「それじゃ、私は池田渚を相手してくる」
「ああ、お互い面倒事を処理していこうか」
池田渚はグレードⅤのエーテルの透明度を見て光を当てていた。
「池田渚、何をしてるんだ?」
「このエーテル、光を当てると全反射しているんだ。興味深いな」
「確かに光を当てるとエーテル全体が光ってるような気がするね」
「動力コアに使えば凄い性能をひねり出すだろうな……いいぞ」
そして設備をあらかた運び終え、私と池田渚は2本ずつ持って研究施設に入っていった。
「……電力が無いから仕方ないよね~」
「ああ、動力コアはあるか?」
「買ってこようか?」
「頼む。出来ればハイスペックでお願い」
私は池田渚のおつかいに向かうことになり、私はヴァイスの元に向かった。
「……どうした?」
「鱗貰ってもいい?」
「いいぞ、だが大量に市場に流れると値崩れするから偶にブラックドラゴンの鱗を持っていった方がいいぞ。ブラックドラゴンの鱗はホワイトドラゴンの買取値段より劣るがそれでも大金になるからな」
「分かった、その事を頭に入れておくよ~」
私はヴァイスの話を聞き、そしてヴァイスの部屋にあるホワイトドラゴンの鱗を15枚ほど貰った。
(とりあえずこれで足りるかな)
私はホワイトドラゴンの鱗を持って機械がいっぱい国中を闊歩している国に向かうのだった。そして池田渚は動力コアを利用して電力を生み出すのだった。
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