205話 生物であり鉱物
グレードⅤのエーテルが成長し終え、私はエーテル鋼のツルハシで採掘し始めた。
「エーテルって成長するのね」
「エーテル地域の中心に近いほど成長速度が早くなるの。だからどんどん採掘してもらって構わないよ」
「うわっ……エーテルの断面から新たなエーテルが……」
(なんだか生きているようなエーテルだ……魔力が濃いから成長速度が上がっているのだろうなぁ)
魔力によって植物が屈強に育つことを私は知っているが魔力の与えすぎもよくないと聞いたことはある。
(魔力が多い地域で生えてるからそれだけ魔力を一杯蓄えれるのね……そう考えるとエーテルって植物なのかな……?)
「とりあえずエーテルの大きい塊を7つぐらい、手押し車に載せて帰ろうかな」
「7つぐらいしか載せられないサイズだから仕方ないわね」
「でも大きなエーテルの塊が7つがあれば何でもできるから十分だね」
「もしかしてだがその杖を改造するのか?」
インフォルマチオンは私のエーテルロジックスタッフの先端についているエーテルを突いた。
「そのエーテルもグレードⅤのエーテルに変えようと思ってるし一番の目的が動力コアのアップグレードだね」
「動力コアという物は何だ?」
「池田渚はアンドロイドっていう奴を造り出すんだ、その時に絶対必要な物なんだ」
「それで池田渚は今何処に居るんだ?」
「……エーテルコアを見てるね」
「何かを閃いたのか分からないがじっくり見ているな」
池田渚はエーテルコアの周りに漂うエーテルをガン見しており、ひたすら動きを見ていた。
「池田渚、何か閃いたのか?」
「動力コアをさらに活用できる方法を閃いた。エーテルはもうすでに採掘してあるのか?」
「採掘してるよ。材料はしっかり確保してあるから心置きなく開発していいよ」
「いいのか!?なら今すぐ帰って開発を……って研究施設はもう建築し終えてるかな……」
「多分建築は終わってる。後は設備の搬入だけだと思うけど……」
池田渚は動力コアの改善案を閃いたようだ。そして私と池田渚は一旦インフォルマチオンに別れを告げようとした。だがインフォルマチオンはとあることを提案してきた。
「とりあえずはここでインフォルマチオンとはお別れかな」
「少し聞いておきたいことがある、いいか?」
「なんだ?」
「醸造施設にいたあのエルフが作ったエーテルポーション、今手元にあるか?」
「あるけど……」
「少しだけ見せてくれないか?」
私はフェアシュタントからもらったエーテルポーションをインフォルマチオンに渡した。
「……これマンドラゴラ入ってるな」
「マンドラゴラ?」
「マンドラゴラをポーションに入れるとな……効果時間が長くなる代わりに味が地獄になるんだ……よくこれ飲めるな」
「そんなこと言われちゃうの!?」
「ああ、味が地獄すぎて私でも飲みたくない。もしかして醸造している場所に立ち会っていないのか!?」
「エーテルポーションが出来上がるまで外で待ってたね」
「……叫び声とか聞こえてこなかったか?」
「聞こえてた!まさか!?」
「そうだ……あの叫び声こそマンドラゴラの断末魔だ……ただうるさいだけの根っこだがうざいんだ」
インフォルマチオンはそう言いながら私にエーテルポーションを返してきた。
「……一緒に連れてけ、そのエルフのポーションの知識を一から叩き直してやる」
「いいのか?」
「いいぞ。ポーションという物を一から教え込ませる」
私はフェアシュタントのポーション知識をインフォルマチオンに正してもらうために家に来て貰うのだった。そして大きなグレードⅤエーテルを7本手押し車に載せ、転移魔法で家に帰った。すると研究施設や家が出来上がっており、池田渚は再び指揮を執って研究施設の中に設備をアンドロイドに運び込ませるのだった。
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