198話 にぎやかになった高原
まず私たちはアンドロイドを製造するのに必要な設備を私の家の前に運び込むことにした。
「少し待ってろ、こいつらに運ばせる」
「こいつら……ってあのアンドロイド?」
どうやら待機状態のアンドロイドにいろんな設備を運ばせるようだった。
「人間に出来ない事はアンドロイドに任せるんだ」
「確かにこんな重そうな物を持ち運ぶのは儂でも無理なのじゃ」
「何キロぐらいあるんだろう……」
「多分だが人の体重より重いかもな」
アンドロイドたちは施設から設備を建物から運び出していき、家の方向に向かって歩いて行った。
「そういやこのアンドロイドたちってどのようにして操ってるの?」
「命令を出せば自ら考え、そして行動するんだ。一部例外があるんだけどな」
池田渚はそう言ってササを見た。
「何か用か?」
「用はない、何か命令を出せば今度こそ真っ二つにさせられそうだな」
「今何か言ったか?」
「いーや?」
(なんだかこの二人、仲がいいのかわるいのか分からないようになってきたな……)
「とりあえず家の前に戻ろうか。マーチャ、ここからは私たちの仕事だよ」
「建物を建てる、瑞希はそう思ってるのじゃ?」
「必要なものは用意するよ、だからがんばって建ててね」
私たちは一旦家に帰ってくるとマーチャは程よいスペースを探した。だが池田渚はこんな注文をしてきた。
「出来る限りこの山の中に研究施設を建ててほしい。出来るか?」
「山の中……まぁ建築魔法と土魔法の併用魔法で出来なくは無いのじゃが……とても難易度は高いのじゃ」
「魔法か……この世界は僕の予測を軽く超えてくるのか」
「予測って、ここは転生者や転移者からしてみれば異世界なの。何が起きても不思議じゃない」
そしてマーチャは運ばれてくる設備を見ていくと必要なものを私に言ってきた。
「まず木材を大量に欲しいのじゃ。研究施設の外壁は土魔法の派生魔法で土を石に変えて無菌のようにするのじゃ」
「分かった、その他の資材は?」
「そうじゃな……鉄が欲しいのじゃ」
「鉄ね、木材は今すぐだと難しいと思うけど鉄は今すぐ持ってこれるから少し待ってて!」
私は資材置き場に向かい、ヴァイスがちょうど金属と向き合っていたので事の経緯を話すことにした。
「ヴァイス、金属と向き合って何をしてたの?」
「この光景を見てみろ、壮観だろ?」
ヴァイスが見ていたのは金や銀、銅にタングステン、その他金属類が綺麗に仕分けられた棚だった。
(確かに凄い、すぐに使えるようにブロックの形にしているから勝手に持っていっていいのかな?)
「ねぇヴァイス、鉄を少しだけ貰っていってもいい?」
「ああ、いいぞ」
私は綺麗な鉄のブロックをヴァイスから4個ほど渡された。
「これぐらいだろう」
「ありがとうヴァイス!って重いなぁ」
「仕方ないだろう、あと鋼いるか?ちょうど鍬を作った鋼をブロック状にして冷やしたんだ」
「欲しいかも、あと木材の在庫ってある?」
「少ししかないな……よくグリュックと一緒に森林伐採をしてすぐ木を生やしているんだが生産よりも消費スピードが速いんだ。少し待ってくれたら木を伐って木材にする」
「ヴァイスほんと頼もしいよ~よろしくね~」
私はヴァイスに木材の調達を任せ、鉄のブロック4個と鋼のブロック1個を持ってマーチャの元に戻ってきた。
「マーチャ、持ってきたよ」
「ありがとうなのじゃ~ってなんだか色が違う鉄があるんだけどこれは何なのじゃ?」
「鋼っていう物だ。鉄よりも頑丈なんだよ~」
「鋼……あるのかそんなの!?」
鋼というワードに池田渚が反応した。
「ある、製造が大変だったけどいっぱいあるよ」
「少しだけ分けてくれないか!?鋼とボーキサイト、シリコンさえあればアンドロイドが無尽蔵に作れる!」
「動力コアはどうするの?」
「動力コアはこちらで作れる。だが明らかに市販品と比べると何かが足りないんだ」
(何かが足りないのに動いているのはどうしてなんだろう?)
その時、池田渚は私の持っているエーテルロジックスタッフを見て何かを閃いたようだった。
「その杖の先についている結晶は何だ?」
「エーテルっていう結晶だけど……何か閃いたの?」
「ああ、これさえあれば動力コアはさらなる進化を遂げると思うんだ……どこで手に入れた?」
「エーテル地域で掘ってきたんだ、もしかして行こうと思ってるの?」
「発展のために行くに決まっているだろう」
「一応言っておくけどエーテル地域は本当に危険、とあるポーションを飲んで入らないと体がすぐ変になる。多分だがアンドロイドもその影響を受けるね」
私は池田渚にエーテル地域の危険性を言った。すると池田渚はポーションについて聞いてきた。
「エーテル地域に長く居るにはポーションが不可欠なのか?」
「そうだ。どうする?エーテル地域に行くのか?」
「行ってみようかな。とりあえずササ、命令をしていいか?」
「……なんだ?」
「この現場の指揮を、リーダーシップのあるあなたなら簡単でしょ?」
「一応言っておくが私は特殊戦闘型のアンドロイドだ、だが雑な命令じゃなさそうだから受けるが」
ササは少し呆れた様子を見せていたが他のアンドロイドに指示を飛ばし始めた。
「それじゃ、醸造施設に行こうか」
「そこでエーテル地域に長く居れるポーションが……手に入るのか」
こうして私と池田渚はエーテル地域に向かうために醸造施設に向かい、フェアシュタントにエーテルポーションを醸造してほしいと頼み込むのだった。そしてエーテルと今までの工学技術があわさることによって動力コアは一段階、二段階と性能がうなぎのぼりのように上がっていくのだった。
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