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いつも、どんなときも

ついに、最終回です。ちょっとさびしい。

応援してくださったかた、ありがとうございます。




虹色マカロン 最終話 いつも、どんなときも



「ごめん、俺、美紅の気持ち考える余裕がなくて」

「ううん、ほんとに大変だったんだもんね。でも、昨日と今日でやっとちょっと自信がもてた。蒼くんもあたしのこと好きでいてくれたんだって」


そういえば、バレンタインの告白以降、「好き」って言っていなかった。

そのうえ、ひと月近くもろくに会ってないなんて、普通なら愛想つかされても仕方がない。俺、彼氏失格だな・・・。


「俺は初めて会ったときから美紅が好きだったよ。一目惚れ」

「ホントに?じゃあ、あたしと一緒だね」


え・・・?


「マジで?美紅も初めから俺のこと・・・」


信じられない。ずっと片思いだと思っていたのに。


「すごく心配だったんだから。教育学部って女子多いし、蒼くんはかっこいいから取られたらどうしようって」


いや、それは取り越し苦労っていうか、心配無用だけど。

俺達、最初から両思いだったのか。

なんかもう、叫びたくなるくらいうれしい。


「ところで今日、これからどうするの?」


美紅の質問に俺はちょっと考えた。


「そうだな、とりあえず・・・。これからペアのカップ買いに行くってのは?」

「あ、それいいな、賛成!」


笑い声が重なる。

幸福なひととき、これから幾度もこんな幸せな朝をふたりで迎えられるといい、そう、心から思った。







夕刻。

俺はいつもより少し早めに駅まで美紅を送ってきていた。

本当はもっと一緒にいたかったけど、昨日急に泊まらせてしまったから、あまり遅くなると家の人が心配するだろう。

それに・・・。

たとえ一緒にいなくても、俺達の心は繋がっている、そう信じられるから。


「じゃあ、またあした・・・」

「あ、美紅。ちょっと待って」


改札の向こうで、笑顔で手を振る美紅を呼び止める。


「え?なに、蒼く・・・」


俺は美紅の肩を掴んで引き寄せるとその唇に軽くくちづけた。

駅の構内にいる人たちの視線が一斉にこっちに集まったのを感じる。

だけど、もう少しも恥ずかしいとは思わなかった。


俺は美紅を愛している、この気持ちのどこにも微塵も恥じるところなんてない。


「おやすみ・・・」


美紅の耳元で囁く。

美紅はびっくりしたように俺を見て、小さく「おやすみ」と呟くと、ホームへと歩き出した。

が、

2、3歩歩いたところで、彼女は体ごとこちらを振り返った。

そして口元に両手を添えると


「蒼くん、大好き!」


と叫び、つぎの瞬間、踵を返してホームの階段を駆け上った。


だ、大胆。

周りの視線がまた一斉にこっちに集まったのを感じる。

さすがに少し気恥ずかしいけど、でも、美紅が俺にはっきり「好き」って言ってくれたのは初めてのことで、すごくうれしい。

やっと、本当に気持ちが通じ合えた。そんな気がする。



周りの好奇の視線に晒されながら、俺は駅を出た。

3月の夜風はまだ冷たいけれど、一月前のように寒くはなかった。

それは、心の中が温かいからかもしれない。


この数日間、本当にいろんなことがあった。

嬉しかったり、驚いたり、慌てたり。

とても忙しかったけど、そんないろんな思いを経験する中で、俺達の絆はとても強くなった、と思う。


今、俺の左側に美紅はいない。

でも、たとえ傍にいなくても、俺の心の中にはいつも美紅が寄り添っている。

楽しいときも、辛いときも、

どんなときでも・・・。


俺は歩き出した。

美紅の心とともに・・・。




                               END







やっと、終りました。感無量です。


始まってから約4ヶ月。

当初はこんなに長くなるなどとは思ってもみませんでした。

蒼祐と美紅は思いがけずたくさんの方に愛していただき、感謝にたえません。

みなさんの温かい励ましに支えられたおかげで、ふたりの不器用でもどかしい恋は幸せなゴールにたどり着きました。本当にありがとうございます。


このお話は、恋物語であると同時に、主人公の成長物語でもあります。

1話と最終話で主人公の心が変化し、確かな成長が感じられる、そんな話にしたかったのです。

もし、お時間が許しましたら1話を読み返してみてください。その答えが最終話ということですね。


そんなこんなで全体の流れは最初から決まっていたので、すぐ終るだろうと高を括っていましたら、えらいことになりました。

外の動きが激しいストーリーと違い、これといった事件が起きるわけではないのですが、心の動きをていねいに書こうとすると思いのほか、時間と字数がかかるものですね。

かなり苦労した部分もありますが、その部分も含めて「虹色マカロン」は私にとって忘れられない作品になりました。


さて、このお話は今回で終わりですが、二人の恋は終ったわけではありません。むしろ、まだまだこれから、です。

蒼祐と美紅は今後もたびたび登場することと思います。

実はそのための布石もこっそり打ってあります。それが生きるのはいつになるかわかりませんが。


これからの予定は、まだはっきりとは決めてないです。

マカロンのサイドストーリー的なものをやるか、全く新しいものに取り組むか。

ちょっと考えます。

たまに蒼ミク観戦記みたいな、おバカな小話も書くかもしれません。

オチで笑わす話好きなんですよ、大阪在住のせいかしら。



今まで応援ありがとうございました。


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