金獅子は愛を乞う
今更ながら、こちらに隊長視点を追加致しました。
シリーズの短編として掲載するには短く感じたもので…
良ければご覧下さい。
※作中で犯罪名を直接表記致しており、大人なシーンを匂わせる単語も御座いますので、苦手な方はご注意下さいますようお願い申し上げます。
※3/12少し加筆等の手直しを加えました。
流れとしては変わりありませんが、宜しくお願い致します。
ブックマークや評価を頂けて嬉しいです!
有難う御座います!
※ハマス視点※
慰労会の翌朝、目を覚ませば、隣で健やかな寝息を立てるジョージアナの顔が目に入った。
あの会場で、熱烈な愛の告白をしてくれた彼女を自分の部屋へと連れ去り、私からも彼女へと愛を告げた。
そうして、心身共に結ばれる事が出来た私は国一番の幸せ者だろう。
ちゃんと彼女の両親へも交際の許可を得に行かねばならない。
彼女は実家に仕送りをする為に、騎士を目指したと聞く。
きっと、家族も離れて暮らす娘が心配でならないはずだ。
これからは私が上司としてだけでなく、恋人として彼女を全身全霊を掛けて守ると伝えなければ。
ゆくゆくは生涯の伴侶として迎えたい事も、まずは本人に伝えよう。
そんな事を彼女の寝顔を見つめつつ考えていれば、寝返りを打ち起きる気配がした。
「いたた…頭痛が痛い…いや、頭痛が痛いとおかしいよね。え?ここ、何処?慰労会会場じゃ、ない?あれ?誰かの服…」
「おはよう、ジョージアナ。昨日はだいぶ飲んでいたようだ。頭痛以外に体調がおかしいとかはないかい?」
寝惚けた彼女は少し辿々しい口調で可愛らしい。
起き抜けの顔が早く見たいと思い声を掛ければ、彼女は体を硬直させた。
「え!?ハマス隊長!?!?ど、どうして!?何で裸なんですか!!!…あれ?私も?じゃあ!あの血塗れの服!わ、私!!!」
「どうした!?落ち着きなさい。何も慌てる事はないんだ!」
ガバリと音を立てて私へ振り返り声を上げた彼女は、いきなりボロボロと大粒の涙を零し始めた。
窓から入る朝日を浴びて、キラキラと彼女の銀色をした髪と瞳が輝く。
その輝く瞳から溢れる涙は、まるで小さい水晶粒のように美しかった。
彼女が少しでも落ち着くように、私は彼女の肩へとシーツを掛け、その上から抱き締め背中をゆっくりと摩る。
流石に朝から素肌に触れる訳にはいかないと、混乱した頭で理性を総動員させた結果、シーツの上からとなったのだ。
好いた女に無様な姿は見せたくなかったのもある。
頑張ってくれ!私の理性!
「私、昨日の慰労会でマルロウ隊長から強いお酒を…あぁ、あの時ワインボトルで彼奴の頭をカチ割れば良かったのよ。あんな奴、いない方が良いんだから!それなのに、何て事をしてしまったの!!!自分も酩酊状態だからといって、合意も得ず欲望のままやらかすなんて!ハマス隊長に流血する程の暴行を加えて、反抗すら出来なくなった所を襲うなんて!強制性交等罪なんて犯罪、人として最低だわ!!!犬畜生以下じゃない!!!」
「ジョ、ジョージアナ…?」
錯乱状態のようになった彼女は、昨日のように良く分からない言葉を交え声を上げて泣き続けた。
主にマルロウへの不穏な言葉が見え隠れしているが、錯乱状態なら仕方ないだろう。
私は彼女の両頬を掌で包み込み、視線を合わせる。
「ジョージアナ、落ち着いてくれ。私は君に暴行を加えられた訳ではないよ。昨日、君から熱烈な愛の告白を受けて私も愛を返した。覚えていないかい?」
「へ!?…あ、愛?」
昨日あった事を伝えれば、目を見開き首まで真っ赤に染めてしまった。
驚き過ぎて涙も止まったようだ。
何と愛らしい姿だろう。
昨日の事を覚えていないなら、今度は私から彼女へ愛を乞えば良いだけなのだ。
「ジョージアナ、私は君を愛している。キースとリリアンの為に頑張る君に惹かれたんだ。今は他の者が君に触れる事すら嫌だと思ってしまうくらいだよ。こんな風に、浅ましく愛を乞う姿は隊長としては失格かもしれない。けれど、どうか私との未来を考えてはくれないかな?」
「ほ、本当に…?こんな背が高くて平凡な私を?好きでいてくれるんですか?」
愛を告げれば、また彼女は銀色に輝く瞳から涙を落とす。
私の言葉に感情を揺らす姿は、何と愛しい事か。
というより、ちょっと彼女は自身への自己評価がおかしいかもしれない。
見た目も職務能力も平凡とは無縁なのだから。
後でしっかりと話し合いをする必要がある。
「君じゃないと駄目なんだ、ジョージアナ。それとも、こんな情けない私では君に釣り合わないだろうか?」
「そんな事ありません!!!ハマス隊長は私の憧れです!どんな隊長だろうと愛しております!ずっとずっとお慕いしておりました!」
私の胸に顔を埋めるようにして抱き付く彼女を、私も離れないようにと抱き締め返す。
擦り寄るようにしてくる彼女に、またしても理性を総動員させる。
「なぁ、ジョージアナ。私は独占欲が強いようなんだ…君と恋人になったばかりだが、まだ足りない。どうか、結婚を前提にして欲しい」
「うひゃ…ひゃい…」
彼女は、今度は全身を真っ赤に染めてしまい返事も噛んでしまっている。
だが、これで言質は取った。
ああ、ジョージアナは何処までも愛おしい。
そんな彼女に私はゆっくりと口付けたのだった。
その後、ジョージアナは正式に私付きの秘書へと移動になり、他の隊長への手伝いは私から断りを入れた。
事務方だけは、繁忙期には少しだけ手伝いに行かざるを得ないままだが。
副隊長のダグラスからは、性急ではないですか?とお小言も貰ったが反対する気はないようだった。
キースには、ジョージアナが幸せなら良いと思いますけど…と半目で言われたので、安心出来るよう訓練では直接指導を増やしてやろうと思う。
そして今日も私の最愛は、とても美しく愛らしい。
お読み頂き、有難う御座いました!




