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「えええぇぇぇ!ら、ライエル君は一緒に行かないのか・・・・・」
「俺的には何でそんなに懐かれてるのか解らないんだけど・・・・・ま、まぁ、一応昼食の用意はしておくけど、気にせずのんびりして来ると良いよ」
商業組合に行くために家を出ようとした所、残ってお菓子の試作をすると言うライエルに晶が不満を言った。普段女扱いされないからライエルの反応が嬉しかったんだろうなぁ・・・不憫な奴だ。
商業組合で晶やミゲル達の登録とエデン商会の商会証を追加で二枚作って貰った。最初に作った奴は俺が、今日作った奴はライエルとミゲルに預けるつもりだ。最初に作ったカードからライエルとミゲルに渡すカードに必要経費や売り上げ等の入出金をするのだ。
組合で晶達の登録序に俺の会員証の更新をした。商品登録数が八に増えてるな。アルバートさんが何か商品化に成功したのかな?後で行ってみよ。
「なぁ、ジンさんよ、馬車が出来たら何処に置くつもりなんだ?屋敷に置くんだったら厩が必要だと思うんだが・・・・・」
「あ・・・・・全く気が付かなかったわ・・・ははははは・・・・・誰か馬の世話とか出来る奴いるか?」
「そいつは問題無い。俺達ゃ商会の護衛の仕事もした事が有るからな。四人とも乗馬も含めて問題無く出来るぜ」
「おお~、そいつは助かったぜ。厩の方は店を建てて貰った大工に頼むとしても、馬の世話とかは如何にもならんからなぁ。本当に助かるよ」
馬車なんて馴染みが無いからすっかり忘れてたけど、ミゲルのお陰で何とかなりそうだ。マジで拾いもんだったな。
組合での用事も無事終わったので、ここからは別行動だ。俺は宮殿へ、他の連中は服とか日用品のを買いに行く。
「晶、ミリーとエレナの護衛頼んだぞ」
「フッ・・・任せておけ。さぁ、二人ともさっさと終わらせて帰るぞ」
「何言ってるのよ、アキラさんは日用品何も持ってないじゃない。さっさとなんて終わらないわよ」
「いや、仕事着と他に服を二着も買い足せば良いだけだろう?日用品は家に有る物を使えば・・・・・」
「あれはお客様用でしょ。ちゃんと自分用の買わなきゃダメ」
「服だって男物じゃない。スカートを履けとは言わないけど、ちゃんと女物にしないとでしょ」
「そ、それじゃ昼までに帰れないじゃないか!私はライエル君のお昼ご飯が食べたいんだ!」
「これから毎日食べられるし、ジン兄ちゃんに教わったんだから、ライエルが考えた物でもないから。さあ、行くわよ」
項垂れる晶を引き摺るように連れて行くミリーとエレナ。なんか心配になってきたけど、買い物の方は大丈夫だと思いたい。
「そんじゃミゲル、そっちは頼むぞ・・・・・酒ばっか買うんじゃねぇぞ」
「ああ、あんたの金で無駄遣いなんてしねぇよ。酒は自分等の金で買うし、明日からの訓練に支障が出る程飲ませねぇよ」
そんな訳で皆と別れて宮殿へ。門番に教皇に取り次げないか聞いてみたら、今日は無理だが明日の午後なら時間が取れると言う事なので明日に謁見する事になった。
時間はまだ昼前だし、アルバート商会に馬車の進捗でも聞きに行くかと西地区へと向かった。
「・・・・・なんか遠巻きに見られてるような・・・気のせいじゃねぇよなぁ・・・・・ハァ・・・・・」
ジェイを引きずって宮殿まで行ったのが拙かったか、顔まで売れてしまったようだ。まぁ、そのうち落ち着くだろうとアルバート商会に向かっていると、子供達に握手を求められた。
「俺もジンさんみたいに強くなって皆を守るんだ!」
「・・・そうか、頑張れよ」
無邪気な子供の夢と、過去の自分の切実な願いが被って見えた。
「よく来たね、ジン君!乾燥機の製品化に成功してね、雨期に向けて貴族家に売り込んでみたんだが、これが大当たりで嬉しい悲鳴が止まらないよ!ははははは!」
「おお、それは良かったです。今日は馬車の進捗を聞きに来たんですが、そっちは如何なってます?」
「やはり軽量化が思うように行かなくてね・・・軽い金属と言えば魔力石位なんだが、価格も高いが強度が出ないし・・・・・・ああ、サスペンションとベアリングの方は耐久試験は問題なさそうだが高価過ぎて一般には使えそうにないね。一応貴族家に売り込みに行くつもりだけど・・・・・・」
「そうですか・・・そう言えば魔力石って見た事無いんですけど、見せて貰う事って出来ますか?」
「構わないよ。それで何かいい案が出るならそれに越した事はないからね」
で、魔力石を見せて貰うために工房へと移動した。
「これに魔力回路を刻んで魔道具に組み込むんだ。生成には雷属性の魔法使いが必要になるからその分他の金属より高価になる。そのために昔は『雷銀』なんて呼ばれてたんだよ」
見せて貰った金属は白っぽい銀色をした塊・・・アルミニウムだった。生成に雷、電気を使うって本で読んだ気がしたし、見た目だけでなく触感もアルミだ。
「・・・・・アルバートさん、これに他の金属・・・確か銅とか亜鉛なんかを混ぜて強度を増す事が出来る筈です」
正確には覚えていないが、確かジェラルミンがアルミの合金だった筈だ。
「ほ、本当か?!生成した魔力石を合金にするなんて聞いた事が無いが・・・・・いや、だからこそ挑戦する価値がある!ジン君!悪いが今日はこの辺で。クックックッ・・・面白くなって来たぞおおおぉぉぉ!!」
なんかアルバートさんは叫びながら俺を置いて何処かに走り去ってしまった。近くに居た魔道具職人さんと顔を見合わせ苦笑いをしてアルバート商会を出て家に帰った。
そして夕方近くになって大荷物を抱えほくほく顔のミリーとエレナの後に疲れ切ってヘロヘロになった晶が両手両脇に加え、背中に荷物を背負って帰ってきた。
「・・・・・仁・・・私は女に成れそうもない・・・・・・」
「いや、お前は元々女だからな。まぁ、これからも二人が出掛ける時は付いて行けよ、護衛なんだから」
「・・・・・ら・・・ライエル君助けてえええぇぇぇ!」
「え、何で僕?!ちょっ、ちょっと止めて!抱き付かないでアキラさあああぁぁぁん!」
昨夜は女子会とか言って女らしい事をして喜んでいたのになぁ。やはり男として育った晶に女性の買い物はきつかったようだ。俺も出来れば付き合いたくないし、晶には俺の平穏の為に頑張って貰おう。そしてライエルには犠牲になって貰おう。
「ゆ、夕飯!夕飯の準備があるから!離れてええぇぇ!」
ライエルはしがみ付く晶を引き摺りながら調理場へと消えて行った。仲が良くて何より、と言う事にしておこう。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




