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 取り敢えず全員連れて寮の説明をした。風呂とか洗濯の魔道具の使い方知らねぇんだよこいつら。


「家財道具や日用品で必要な物が有ったら遠慮なく言えよ。後ベルガー達三人はこっちに来てくれ」


「「「へ~い」」」


 晶を交えて詳しい話を聞く事に。俺は自分のバッグからスポーツドリンクとカロリーバーを出して四人に勧めた。


「俺はこっちに来る時に誰にも会って無いんだけど、こっちの言語と最低限の知識を植え付けられて、気が付いたらこの街の近くの遺跡に居たんだ。特にスキルとか貰って無いけど、バッグがマジックバッグになっていたのと中に入っていた消耗品が元に戻るようになってたんだ。あんたらは各属性の神に会ったみたいだけど、そいつは本当に信じられるのか?」


「私が会ったのは光の神で間違いないと思うぞ。なんか凄い光ってたし」


「ああ、俺のは燃えてたな」


「俺のはなんか黒くて土の塊みたいだった」


「俺のは人型の水だったぞ」


 なんかそれっぽいのに会ったみたいだけど信じられるかは別だろ。更に聞いてみれば、別に特殊な力は貰って無いらしい。晶は治癒、フィリップは身体強化、ベルガーは防御力が上がり、クリフトは状態異常回復だそうで、本当にしょぼい。


「なんでも強力な力を与えるとバランスが崩れるからとかなんとか・・・・・」


「バッグもジェイの以外は普通の奴だしなぁ・・・・・」


「しかもジェイ以外の奴には使えないんだぜ、武器も含めて。それで大陸の端の国から中央の~・・・何て国だっけ?」


「ロードルデルフ王国だよ、忘れんな。そこの聖堂前に集まって、儀式を止めろって言われたんだよ。金だって十万メルしかくれなかったし、神様の癖にケチな奴だよな」


 そこは初めから一か所に集めとけよ。集合前に死んだら如何すんだ?つーか、十万って・・・こいつら良く死ななかったな。あれ?俺、ジェイのバッグ使えるんだけど・・・まぁ、黙っとこ。


「儀式はジェイが止めただろ?それなのに帰れないとか意味解らねぇし、これ以上如何すれば良いのかの指示も無い。だから俺達の好きなようにやらせて貰おうかなって事になってな。ミゲル達と会って良かったと本当に思ってるよ」


 しかし、益々何で俺が呼ばれたか解らなくなったな。こいつらの事も放置しっぱなしだし、近いうちに連絡してくるのかね?


「儀式の方は俺から教皇聖下に話しておくから、神達から連絡が有ったら教えてくれ。仕事の方はお前達が突然帰る事になっても大丈夫だからさ」


「そうそう、それそれ。俺達は何すりゃ良いんだ?ミゲル達と一緒って事は狩りか?」


「狩りと言うか仕入れだな。南のクランゼル領に行って魚を仕入れて来て貰う。道中に魔物とか盗賊に襲われるかもしれないから、ミゲル達だけだとちょっと不安でな、お前達が居て貰えると助かるんだよ。まぁ、そのための馬車がまだ出来てないから、出来上がるまではミゲル達と連携の訓練だな」


 と言う訳で、神達の物凄く杜撰な計画の被害者である晶達と俺が関係有るのかすら解らないまま話は終わった。


 で、夕方にヒースとニックが帰って来てから顔合わせをしたんだが、当然のように揉めた。と言うか、反対しているのは主にミリーとエレナだけだから何とか説得を試みた。


「そこまで毛嫌いする事無いだろ。ミゲル達だって反省してるし謝罪もしたし労役も終えてんだから」


「ちーがーう!ミゲルさん達の事はもう良いの!ヒース達から真面目に働いてるってバート商会での評判も聞いたし、ジン兄ちゃんのやりたい事に必要なら構わないの!」


「ええっ・・・じゃぁ晶達か?こいつら俺と同郷だし、お前達も冒険者やってたんだから解るだろ?長距離の移動に危険は付き物だって。ミゲル達だけだと不安なんだよ」


「いや、ジン兄さん、そこじゃないから。何で解らないかなぁ・・・アキラさんだけ家に住むのはおかしいでしょって話なんだよ。雇うのは構わないけど、そこは全員寮でないと」


「ん?何でだ?晶は昔馴染みだし、一緒に旅をしてた事も有るから信用出来るぞ。と言うか、こいつは騙す側じゃなくて騙される側のマヌケだ」


「おい、仁!マヌケは無いだろう!」


「ハァ・・・ほんと、何で解らないの?ミリーとエレナはジン兄さんが居ない時に襲われないか心配してるんだよ」


「「は?」・・・何で晶が~・・・ああっ!そうか、お前ら勘違いしてるぞ、こいつはこんなんでも女だ」


「「「「「ええぇっ!」」」」」


 と驚く俺と晶以外の一同。って、おいベルガー達三人、お前ら一緒に旅してきて気が付かなかったのかよ。


「・・・俺、アキラが川で体洗ってる所見た事あるのに・・・まさかこいつが女だなんて全く気が付かなかった・・・・・」


 なんかフィリップはショックを受けてるし。解る、どうせ晶の事だから『一緒にどうだ』とか『背中流してくれ』とか言ったんだろ。


 と、言う訳で誤解も解けたので晶が家に住む事になったんだが、今度はライエル達がなんか微妙な顔になった。俺より年上で男としか思えない女性が同じ家に住む・・・まぁ、直ぐに慣れるだろ。


 そして夕食後に風呂から出てきた晶達女性陣が、大量のお菓子と飲み物を取りに調理場へと入っていった。


「クックックッ・・・可愛い妹達との女子会・・・あの子達から女性らしい仕草とかを学んで貴様を見返してやるぞ、仁!」


「まぁ、明日は店の定休日だから構わないけど、商業ギルドとか服屋に行くんだから徹夜とかすんなよ。それと、今の笑い方は如何見ても変態にしか見えなかったから」


「も、もしかしてアキラさんって、そっちの趣味が・・・・・」


「え・・・な、何だ?そっちの趣味って何なんだ?おい!仁!余計な事言うな!私は変態じゃないぞ!え、エレナちゃん?!じりじり離れるのは止めてくれ!!」


 冗談ですと笑いながら二階へ上がって行くミリー達を見送った。一番奥の大部屋に布団を持ち込んでやるんだそうだ。晶は彼女らの護衛でもあるんだし、仲良くなると良いな。


 で、翌朝、ライエルと朝食の準備をしている所に晶だけが項垂れてやって来た。


「うぅ・・・彼女達に『お店に出るならそのままの方が良い』と説得されてしまった・・・・・解る・・・解るんだが・・・・・」


「まぁ、あれだ、家の中だからって人前に出る時は身嗜みに気を付ける処から始めろ。ライエルが目のやり場に困ってるから」


「む・・・ライエル君はこんな私でも女だと意識してくれているのか!?良い子だなぁライエル君は!お姉さんに出来る事が有ったら何でも気軽に言ってくれな!」


「じゃ、じゃあ先ずは服のボタンを留めて下さい。その・・・胸元とか色々見えそうなんで・・・・・」


 こいつ昔よりがさつになってないか?もしかして、こっちに来てからずっと旅してきたのが男だけだったから影響されたかな?

 戸惑い顔を背けるライエルに「すまんすまん」と言いながらボタンを留め、ズボンに手を突っ込んで服装を直す晶を見て「こいつ何も解ってねぇ」と溜息をつく俺だった。自室に戻ってとは言わんが、せめて風呂場の脱衣所かトイレでやれよ。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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