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翌朝、皆と一緒に家を出た。ん?朝っぱらから門の前に誰か居るんですけど・・・・・
「お前等、そこで何やってんの?」
「おはよう御座います!聖下の命で周辺の警護を交代でする事となりました!」
「あっそ・・・もう勝手にしてくれ・・・・・」
あの野郎喧嘩売ってんのか?いやいや、ここはタダで門番が手に入ったと思おう。その方が精神的に宜しいしな。
衛士達を放置して先ずは宿屋へ向かい、おかみさんに挨拶をしてまた後で来ますと言ってバート商会へ。
「あっ!おはよう、ケビンさんにミリアちゃん、久しぶり」
近隣の町か村へ運ぶ品を積み込んでいる最中のケビン親子と久しぶりに再会した。
「やぁ、おはようジン。色々持ち込んでるらしいじゃないか。バートさんが喜んでたよ。俺も紹介した甲斐が有るってもんだ」
「ジンさん、おはようご座います。あの~、お友達に知り合いでリザードマン狩れる人が居るって自慢して良いですか?」
「ま、まぁ、良いけど、あんまり広めないでね?」
ドラゴンって言われないだけマシだと思いたい。ケビンさんの手伝いをして、配達に行くヒースとニックも一緒に見送った。ヒース達の手伝いはしない。始めたばかりだから、自分達だけで全ての手順を繰り返す事が重要なのだ。
「おはよう御座います、バートさん」
「やぁ、ジン君おはよう。帰りにヒース君達に頼もうと思っていたんですが、丁度良かったです。二、三頭で良いのでブラウンボアを狩って来て頂けませんか?ここ数日で急に需要が上がって品不足になってるんですよ」
「解りました。明日から行って来ますんで、期待してて下さい。十日以内に戻りますから」
バートさんからの依頼を受けて西地区へ。先ずはライアン修理工房で靴と調理器具を受け取り、序に鋲の出て無い爪先と踵を金属で包んだ靴を二足頼んでおいた。今履いている靴も大分減ってきたしな。
次にアルバート商会で掃除機と乾燥機にエアコンと扇風機の提案をしてきた。この辺りは大陸の南側なので夏場はかなり暑くなるらしいし、冷房機器の需要は有ると思う。冷蔵庫の開発は順調で小型の試作機が近々出来上がるそうだ。
「あ、冷蔵馬車なんて作れないですかね?市場や商店で魚介類を見なかったんで、海産物を運べたらかなり儲かる気がするんですけど」
「ふむ・・・車重の軽減が出来れば・・・・・いや・・・車輪や車軸が持ちそうに無いか・・・しかし、かなり儲かりそうですし、こちらも研究させましょう」
やはりサスペンションやベアリングを作る技術が無いと無理かな?その辺は狩から戻ってから覚えている限り紙に書いてまた来よう。出来そうに無かったら自分で取りに行くのも良いか。海産物食べたいし。
食料品を補充しつつ宿屋へ戻り、おかみさんと親父さんの二人と話をした。
「昨日テッド君が結婚するって聞きました。おめでとう御座います。それで、お嫁さんが来る分、人が余りそうなんですよね?」
「ああ、余ると言うか楽をし過ぎたって所だな。テッドの奴は調理に専念できて良かったんだが、娘のノーラがな・・・散々使っといて悪いんだが、このままだとノーラの為にならねぇんだよ」
必要以上に人が居ると堕落しちゃうもんなのかね?親父さんは本当に済まなそうにしてるし、おかみさんも苦笑いだ。無理言って悪かったなぁ。
「そんな、気にしないで下さい。俺が無理言って使って貰ったんですから、悪いのはこっちですよ。あいつ等に色々教えて頂き、本当に有難う御座いました。後、これテッド君の結婚祝いって事で、良かったら使ってみて下さい」
ライアンさんから買った調理器具を結婚祝いとして渡して帰った。泡立て器は使うか解らないけど、スライサー付き下ろし金とピーラーは重宝すると思うんだよね。あ、勿論自分ちの分は別に確保してますよ。
家に帰って夕食の支度をしていると、ハルがカクカクとしたロボットみたいな動きでやって来た。無料門番が居るので、家に居る時は門は閉めない事にしたのだ。誰か来る度、門まで行かなくて済むのは楽で良いな。
「っ・・・本当に・・・これで・・・父上にっ・・・勝てるようにっ!・・・なるのだろうなっ?!・・・ぐぁ・・・も、もう・・・足が・・・まともにっ・・・動かんのっ!・・・だがっ・・・・・」
「・・・さ、最初はそんなもんだ。その内慣れるから毎日続けろ。十日もすれば効果を実感出来る筈だ・・・・・」
ハルがピョコピョコと飛び跳ねているのを、笑いを堪えながら眺めた。良い暇潰しになるなこれ。ハルが真剣な顔をしているのが、更に笑いを誘う・・・ヤバイ、腹が痛てぇ。
皆が帰宅し、夕食時に明日からの予定を話した。夕飯は残ったクリームシチューを使ったグラタンだ。マカロニが無いのでパスタを自作して代用してみたが中々の出来だ。後はサラダと野菜スープにパンだが。パンを軟らかくしたいんだよなぁ。ドライイーストって如何やって作るんだろ?何か代用出来る物無いか考えよう。
「明日からバートさんの依頼で狩に出るから食事は外で食べてくれ。その間の掃除と洗濯は各自できちんとやるんだぞ。帰って来て家が散らかってたら当分デザートは無しだからな」
「「「「「は~い」」」」」
「わ、私は如何するのだ?戻るまで同じ事を繰り返すのか?」
「当たり前だろ。毎日繰り返さないで如何するよ。剣の素振りと同じで、唯繰り返すだけでもダメだけどな。まぁ一日も早く達成出来るように頑張れよ」
「な、なぁ、ジン兄さん。このサラダに入ってる胡瓜なんだけど・・・なんか変・・・じゃない?やたら薄いのに、全部厚みが揃ってる気がするんだけど・・・・・」
ライエルがフォークに刺した胡瓜の輪切りを見ながら言った。お、良く気が付いたなこいつ。
「そいつはライアンさんに作って貰った調理道具を使って切ったんだ。スライサーって言ってな、決まった厚さに切る事が出来るんだよ。他にも便利な道具を作って貰ったから、狩から帰ったら料理を教える時に使い方を教えてやるから楽しみにしとけ・・・あれ?親父さんにも渡したんだけど使ってなかったか?」
「ん~?・・・そう言えば生姜を変な道具でゴリゴリ削ってたかな?あれ、ジン兄さんから貰ったのか・・・・・あ~・・・明日で最後かぁ・・・・・大変だったけど楽しかったなぁ・・・・・」
「そうだね・・・忙しかったけど、楽しかったなぁ・・・・・」
留守中も心配だが、三人の仕事も考えてやらないとな。後こいつ等の身分証もか。帰ったら商業組合に相談してみよう。いざと為ったら支部長にリザードマン二、三匹渡しても良いか。え?賄賂じゃないよ、付け届けだからね。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




