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 三人で他愛のない事を話して暫くしたら子供達が帰ってきた。


「ただいま~。ジン兄さん、何か家の門の所に騎士様が居て・・・・・あ、あの・・・どちら様ですか?」


「ジ、ジン兄ちゃん・・・まさか、その人と結婚する・・・の?」


「えぇっ!そ、そんなぁ・・・・・ジン兄ぃ・・・あたし達じゃダメなのぉ・・・うぅ・・・うええぇぇぇ・・・・・」


「ほ、ほんとに?!ジン兄さん結婚するの?!そ、それじゃ俺達どうする?出て行った方が良いのかな、ライエル兄さんどうしよう?」


 俺が説明する前にミリーが憶測で言った一言でエレナが泣き出し、ニックとヒースがライエルとうろたえ出し、リビングは一瞬でカオスになった。


「お、おい!まて、勘違いすんな!こいつはアンジェリカって言ってこの国の皇女で、俺は結婚なんてしねぇぞ!だから泣くな!出て行くとか言うな!ここはお前達の家だからな!寧ろ出て行くとしたらこいつ等の方だから心配すんな!」


「そうですよ、心配は要りませんわ。私がジン様と結婚したら、貴方達は私の兄妹になるのですからね。皆で仲良く暮らしましょう」


「おいいぃぃ!てめぇは何口走ってんだ!余計な事言うんじゃねぇよ!ハル!お前も静観してないで何とかしろ!」


「ん?ああ、良いんじゃないか?既に教皇聖下の許可も得ている事だし、私にとっても、この国にとってもその方が都合が良いしな」


「お前等ぁ!いい加減にしやがれええぇぇ!!」


 俺の怒りの拳骨がハルとアンジェリカの頭に炸裂し、ゴンッ!と言う大きな音と共に二人は涙目で頭を押さえて蹲り、子供達は驚きの余り目を見開いて固まり事態は一応の収束をみた。かなり力技だが。あ~先が思いやられる。





「・・・え~、と言う訳で、ハルに続いてアンジェリカも遊びに来る事になった。近所のお兄さんお姉さん的な扱いで構わないので仲良くするように」


「ジン兄ちゃん、流石に皇女様にそんな扱いする訳に行かないよ・・・・・」


 ライエルに賛同し、コクコクと頷く子供達。


「あのな、良く聞けお前達。これからこいつ等はうちに遊びに来る事を仕事だと言って飲み食いして帰るだけの生活をするんだ。しかもそれで給金が貰える。こいつ等の給金は本を正せば俺達が払った税金だ。俺はこの間六億以上の税金を払ったと言うのに、こいつ等の飯代で更に取られるんだぞ。そんな奴等に敬意とか払わんで宜しい」


 俺の言葉に子供達の白い視線が二人に突き刺さる。


「まてまて!その言い方は止めろ!まるで私達が集りに来た極潰し見たいではないか!流石に不敬が過ぎるだろうが!」


「わ、私には別に公務があって、毎日来る訳ではありませんから!」


「どんな言い方や言い訳をしようと事実は事実だ。タダ飯喰らいに払う敬意なんてねぇよ。それとも何か?『この私が食べに来てやってるんだ、有り難く思え』なんて言うんじゃねぇだろうな?それが嫌なら聖下に直接言って取り下げて貰うか働け。それで初めて対等になれるってもんだ。ただし、この世界じゃここでしか食えない物ばかり食ってんだ、それ相応の労働にはなるだろうがな」


 クックックッ・・・聖下にやられた分は今ここで返す!


「・・・ぅ・・・私に出来る事が有れば良いのですが・・・・・」


「あ、流石に皇女殿下に下働が出来るとか思ってないし、やらせる訳にも行かないから、その分はハルにやらせるから、心配すんな」


 ホッと、あからさまに安堵の息を漏らすアンジェリカと、


「ちょっと待てええぇぇい!何故私が二人分働かねば為らんのだ!」


 怒りを顕に不満の声を上げるハル。ここだ!ここがこいつを追い込むチャンスだ!


「え、お前年下の女の子で、しかも上司の皇女殿下に『お前も働け』なんて言うの?そんな事、俺でさえ言わなかったのに・・・信じらんねぇ・・・・・」


「ヴェルテール様・・・俺ちょっと見損なったよ。守護騎士様が皇女殿下に働けなんて言うと思って無かった・・・・・」


「あたしも・・・ちょっと幻滅しちゃった・・・・・皇女様でさえ助けてくれないって事は、あたし達なんか何が有っても助けてくれなさそう・・・・・」


「俺も幻滅した・・・皇女様は自分の出来る事はやろうとしてたのに、自分は働きたく無いなんて言うと思わなかったよ・・・・・」


「もしかして、ヴェルテール様の噂って全部嘘なんじゃ・・・・・」


 ハルの株が大暴落した瞬間である。子供達がハルに『女を食い物にして生活してるクズ野郎』を見る様な視線を送った。イケメン死すべし。


「い、いや、違う!違うぞ!働かないとは言っていないし、皇女殿下に働けとも言っていない!」


 見る間に青褪め、見苦しい言い訳をするハルに引導を渡す。


「えっ?さっきお前『何故私が二人分働かねば為らんのだ』って言ったじゃん。それって皇女殿下に働けって事だよな?」


「あ・・・いや、その・・・申し訳・・・有りませんでした殿下・・・・・私にお任せ下さい・・・・・」


 申し訳なさそうにハルを見るアンジェリカと、悔しそうに俺を睨むハル。そう言う流れに持って行ったけど、自業自得だからな?


「初めからそう言っときゃ良かったんだよ。まぁ、そう睨むな。お前にとっても為になる事をやらせるんだから」


「・・・・・貴様、一体私に何をやらせるつもりだ」


「ハル、お前、ガルバデスに勝ちたくないか?俺に教わればあいつ所か、素手で熊を倒せるようになれるんだが・・・・・如何だ?」


「わ、私が父上に?それは、あのオボロとか言う技を教えてくれると言う事か!?」


「馬鹿言え。あの技は俺でさえ習得するのに八年掛かってんだ。そんな簡単に身に付く訳ねぇだろ。成長期を過ぎたお前が身に付ける事は先ず不可能だ。秘技ってのはそう言うもんなんだよ。お前はそこそこ身体も出来てるし、あいつに勝つだけなら三ヶ月は掛からないかな?流石に熊相手だと一年以上は掛かるだろうけど。まぁ、その辺はお前さん次第だな」


「本当に父上に勝てるようになるのだな?だが、それがお前の利益になるのか?とても仕事とは思えんのだが・・・・・」


 ハルが懐疑的な目で俺を見る。まぁそう思うのは仕方ない。


「俺のと言うより俺達のだな。お前が強くなれば俺がいない時に子供達を守って貰えるだろ」


 尤もらしい理由だが、実は俺がハルを扱くのが楽しみなだけだ。こいつ一人鍛えた位で別れて行動する子供達を守り切れる筈が無い。そもそも、子供達の行動範囲の治安は良い。元貧民街出身だ、危険な所は熟知しているから近寄らないしな。西地区の裏町から切れた今、こいつ等を狙う者はいないだろう。


 そんなこんなで、何かとんでもない一日だったが、漸く落ち着いたので、夕食の為に皆でダイニングへと移動した。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ハル君を上手く扱ってるのがとても面白いですよ ハル君のパパ越え修練がどうなるのか楽しみです
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