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翌日、朝食を摂ってから商業組合に向かった。子供達に家が貰える事を伝えたら、とても喜んでいたのでちゃんと選ばないとな。
組合についてカウンターに向かうと、向こうから声を掛けてくれて直ぐに支部長を呼んできてくれた。けど・・・職員のお姉さん達の獲物を狙うような視線が怖い。俺が手に入れる金が目当てなんだろう、色んな意味で襲われない様に気を付けよう・・・・・
で、支部長と幾つかの物件を回って見てみたんだけど、どれもこれも兎に角広い、と言うかデカイ。
先ず門がデカイ。次に庭が広い。そして屋敷もでかくて、使用人用の寮まで付いてる。使用人とか雇う気無いし、庭も半分位で良いんだけどなぁ・・・・・
「ジン様のご要望ですと、どうしてもこれ位になってしまいます。一番小さな物でも最後に見た下級貴族の方が使っていたものですので・・・・・」
「でもなぁ、あれだと浴室が付いて無いじゃん。兄弟達が商人見習いみたいな感じだから、身奇麗にする為に浴室は欲しいんだよ。後で付けると時間が掛かり過ぎて引渡しが遅くなるだろ」
「そ、それはうちとしても困ります!しかしそうなりますと、やはり最初に見て頂いた物件と言う事になりますが・・・・・」
最初に見たのは元子爵家の別宅だった奴だ。部屋数十で、同時に三人程入れる浴室付。リビングとか執務室とか応接室なんかも付いてて、家具もそのままで手入れもされていたので即時入居可能。と、かなりの好物件なんだが、周辺が全て貴族の別宅とかなんだよな。貴族街では無いんだけどさ。
「うちは俺も含めて全員孤児なんだよ。何か面倒な事に為りそうなんだよなぁ・・・・・」
「貴族と言っても爵位は持っておりませんし、両隣は騎士様ですから治安も良いです。特にヴェルテール様は平民だ孤児だと差別するお方では有りませんから問題無いかと。寧ろドラゴン討伐者として名が広まれば難癖を付けて来るとは思えませんが」
「それもなぁ・・・俺は有名になりたくないんだよ。出来るだけ広めないで欲しいんだ。特に権力者の相手はしたくないから、オークションでも名前を出して欲しくなかったんだけど・・・・・」
オークションの規定で、如何しても討伐者の名前は必要なんだそうだ。
「仕方ないか・・・最初の家に決めるよ。使用人とか要らないから勝手に雇うなよ。後、俺の個人情報も漏らすなよ」
「はい、解っております。職員達にも徹底させますのでご安心を」
と言う訳で住む所も決まり、商業組合に戻って各種手続きやら何やらを終わらせ、ドラゴンを引き渡して金を受け取った。序に税金の支払いもしたら六億ちょっと取られたよ。三公七民か?
会員証の裏を見ていたら今まで無かった記述が有るのに気が付いた。『商品登録数2』って事は、アルバートさんが何か登録したみたいだ。これからは配当も入るから狩りはそこそこでも良いかもしれない。バートさんが必要な物だけ狩れば良いかな。
無事に終った事とオークションが十日後に決まった事の報告も兼ねてバート商会にリザードマンを売りに行った。
「まぁそんな訳で、鍵も受け取ったし今夜から住もうと思ってます」
「そうですか、ヴェルテール様のお屋敷がお隣なら、狩りに行っていて子供達だけになっても安心ですね」
結構有名な奴みたいで安心した。それでも貴族だから最低限気を付けないとだけど。
「それで、昨日忘れてたリザードマンの取引なんですけど・・・・・」
バートさんと倉庫に向かい解体工のおじさんの前でバッグから取り出して行った。十、二十、三十と積み上げて行くとおじさんから待ったの声が掛かった。
「ちょっと待てええぇぇぇい!!お前一体何体狩って来やがった?!幾ら何でも多過ぎだろ!俺を殺す気か?!」
「え?・・・まだ半分も出してないんだけど・・・・・」
「ジン君、ドラインさんの事もですが、あまり一度に市場に出しては値崩れを起こします。今日の所は三十匹で、残りは・・・そうですね、二十日後にしましょう」
「はい・・・あ、あの・・・全部で百五十三匹なんですけど・・・・・如何しましょう・・・・・」
額に手を当て天を仰ぐ二人。何かすみません・・・・・
「ま、まぁ、仕方ありません。相場を見ながら私からお願いしますから、その時にと言う事で」
何か暫くリザードマンを売るだけになりそうだが、「他に欲しい獲物はありませんか?」と聞くと、これ以上出されても他の人が持ち込む獲物の解体が出来なくなるので、先に解体工を探さないといけないそうだ。
「暫くはゆっくり休んで下さい。新しい家にも慣れないといけないでしょうし」
と言う訳で暫く暇になりそうなので食器等の日用品を買いに道具屋へ向かった。まぁ狩るだけ狩ってバッグに入れて置くってのも有りだけど、まともな家に住む事自体初めてだし、退屈するまでのんびりするのも有りかな。
道具屋でそこそこ良い値段のする食器を見ていると、店員が話し掛けてきた。何でも最新技術で作られた画期的な物が有ると言うので見せて貰ったら、中空構造のコップやポットだったよ・・・何か店員が豪い興奮して説明してきたけど、知ってるから!俺が教えた奴だからね!
取り合えず新商品は暫く様子を見て、改良された頃にすると言って店を出た。あ、ちゃんと全員分と、少ないけど知り合いが来た時用にも幾つか買いましたよ。
次は食料品だなと店を見て回り、肉に野菜と小麦粉(米は無かった)を中心に買い漁った。塩と胡椒と砂糖以外の調味料と、卵とチーズにバターは高かったが気にせず大量購入。牛乳も欲しかったが保存技術的な問題か売ってなかったので、チーズを売っていた店の店員に聞いてみたが、牛、羊、山羊、の乳は高価な上に予約以外受け付けてないそうだ。少し悩んだが毎月樽で配達して貰うように注文した。驚かれたし心配されたけど問題無いと言って店を出て帰路に付いた。
因みに食料品をバート商会で買わないのは、バート商会が卸売業だからで個人には売らないからだ。「一人位ならと言って、皆がやったら経済は回りません。だから他がやっていても私はけしてやりません」と言われたよ。こうやって信用を得て、顧客を増やして行って今が有るんだなぁと思った。
何だかんだで二十万メル程使ったが全く問題無い。それこそ死ぬまで働かなくても生活出来るんだろうな。尤も、子供達の事を考えたらそうもいかないけど。
宿に帰っておかみさんと親父さんに話をして、最後に皆で夕食を摂ってから全員の荷物を俺のバッグに仕舞って自宅となった屋敷へと向かった。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




