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 バートさんと応接室で悪巧み?をしていると、ドタドタと足音が聞こえてきて、ノックも無しに行き成り扉が開くと、そこには小太りの男がこちらを睨むように立っていた。

 そいつは何も言わずに部屋の奥に有る一人掛けの椅子に乱暴に座り、


「で、何の用だ。下らん用件なら唯ではおかんぞ」だと。遅くなった事への謝罪所か自己紹介も無しかよ。


「ジン君、行きましょう。利益を齎しに来た商談相手を散々待たせておいて取る態度では有りませんから」


「え?ええ、そうですね。俺もこんな奴に儲けさせたくないし、他を当たりましょう。初めから北地区に行けば良かったですね、時間の無駄でした」


 立ち上がったバートさんに続いて部屋を出ようとした所で組合長と思われる男が俺達を止めた。と言うか怒鳴り散らしてきた。


「ふざけるな!中堅程度の商会如きに会ってやるだけでも有り難いと思え!解ったら話だけは聞いてやるからさっさと座って話をしろ!」


「いえいえ、結構ですよ。唯登録した支部なので義理を果たしに来ただけですから。態々〝南支部長殿〟の手を煩わせる事もありませんしね。それでは失礼します」


 何か支部長ってのを強調してるけど嫌味なのかな?ああ、組合長の方が偉そうに聞こえるからか。正式には南支部長だけど周囲には組合長と言わせてるとかそんな所かな。


「待てと言っている!この私にその物言い・・・それ程の物なのだな?取り合えず遅くなった事だけは謝罪してやるから話せ」


 なんか駆け引きとか有るんだろうけど、面倒臭くなって来たので口を挟む事にした。こんな奴と長々とやり取りしたくないし。


「バートさん、面倒なんでさっさと引導渡してやりましょう。あのですね、俺がウォータードラゴンを狩って来たんですよ。欠損は左目だけで、後は左右の後ろ足の骨折位でほぼ完品です。俺としてはバートさんに恩を返せれば後は如何でも良いんで、バートさんを馬鹿にしている貴方には売りたくありません。以上ですけど、理解出来ましたか?」


「ハァ・・・貴方って人は・・・・・仕方ありませんね。持ち主である貴方がそう言うのでしたら私も従うしか有りません。支部長、そう言う訳ですので」


 何か口をパクパクさせてる支部長を放置してバートさんと部屋を出た。廊下を進んで会員登録をしたホールに出た所で支部長が追いかけて来て、大声で俺達に声を掛けてきたんだけど、


「ま、待ってくれ!ウォータードラゴンと言ったな?!本当にウォータードラゴンを狩って来たんだな?!幾らだ?!いや、それが本当なら二十億だ、二十億で買い取るから行かないでくれえええぇぇぇ・・・!!」


 って、俺の足に縋り付いて引き止めようとしてきたよ。そう言うのはおっさんにやられても嬉しくないんだよ!つーか、取引内容大声で話すな!ドラゴン連呼しやがって!周囲の職員や商人達の視線が怖いんだよ!


「こう言ってますけど、如何します?ジン君」


「いや、取引云々の前に言う事があるんじゃないですかね?普通は名前も知らない奴の相手なんかまともにしませんし、自分の恩人に失礼な態度を取った奴なんて許さないでしょ」


「す、すまん!いや、すまなかった!私が悪かったから行かないでくれ!この通りだ!!」


 土下座をする支部長と唖然とする周囲の人達。俺が如何した物かと頭を捻っていると、バートさんから助け舟が出た。


「取り合えずここでは人の目と耳が有りますし、戻って話だけでもしますか?」


「まぁ、バートさんがそう言うのなら・・・・・」


「おお!助かった!誰かお茶を!最高級の奴だぞ!急いで応接室まで持って来るように!!ささ、お二方はこちらへどうぞ」


 と言う訳で、応接室に戻って話をする事になったけど、気持ち悪い位の掌返しと言うか、こいつはプライドとか無いのか?二十億とか言ってたけど、もっと搾り取れそうだな。でもなぁ、金ばかり有っても・・・ああ、家具付きで土地と家でも貰うか。後はバートさんに嫌がらせとかしないように釘刺しとこう。


 応接室に戻って俺達が上座に、支部長が下座の床に正座・・・と言うか、また土下座して平謝りしつつ名乗ってたけど、こいつの名前とか覚える気も無いんで聞き流した。こいつは〝支部長〟で良いだろ。


 で、その後は順調にこちらの要求が通って二十億メルと八人前後の住める家具付きの土地家屋と交換となった。これでも十分利益が出るんだろうなぁ。


「そ、それで、ドラゴンはどちらに?バート商会の倉庫でしょうか?でしたら直ぐにでも引き取りに参りますが・・・・・」


「あ?何言ってんだ、ギルド主催のオークションに出す通達と正式な契約書を書いて出せ。それと、俺の気に入った家を引き渡してからに決まってんだろ。オークションで得た利益を如何使ったかの報告も忘れんな。商業組合として適切な利用をするって書類もだぞ」


 こいつ個人が利益を得るような真似が出来ないようにしとかんとな。引き渡した瞬間、掌返しそうだし。


「さ、流石にそれは現物を見ない事には・・・申し訳有りませんが一度だけでも確認させて頂けませんか?」


 確かにそれもそうかと隣のバートさんを見ると頷いていたので、人払いをした倉庫でドラゴンを見せてやった。


「言わなくても解ってんだろうけど、俺とその関係者に何か有ったらお前のせいって事で制裁するから下らねぇ真似すんなよ。俺は一人でこいつを狩れる・・・人一人消す位、誰にも気付かれずに出来るからな」


 青い顔をしてコクコクと頷く支部長は「今日中に何としても全ての用意を整えますのでご容赦を」と言っていたので取り敢えずは大丈夫だろう。


 そして明日には家の下見と書類の引渡しをする事が決まり、バートさんと帰る事にしたんだけど、ホールでは豪い騒ぎになっていて商人達に職員達が詰め寄られていた。


 で、俺達を見た商人達がこっちに押し寄せてきたもんだから、身動きが取れなくなってしまい、近い内に組合でオークションに出す事が決まったから詳細は支部長に聞けと言って逃げてきた。あいつが大声で連呼したせいなんだから、あいつに後始末をさせるのは当然だしな。


 早く帰ってミリーとエレナに癒して貰おう。明日も色々面倒な事が多そうだしなぁ。


 あ・・・リザードマン売るの忘れてたよ・・・・・

ここまで読んで頂き有難う御座いました。

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