情報
「なるほどねー。私たちの情報とは、少し違っていたようね。」
「そちらの情報はこちらに渡してくれないんですか?」
「ダメよ、秘匿情報なの。彼らのプライバシー保護も重要なんだから。」
「しかし、向こうの出方がああだった以上、こちらも強く出なければ、飲み込まれるのは時間の問題ですよ。」
「まあ、そうなんだけど。ところで、あなたたちが最初に言った酒場、なんか変じゃなかった?」
「確かに、反乱については肯定的でしたが…。」
「違う。店の中の様子はどうだったって聞いてんの。」
「明らかに敵意を感じましたが、そうなるのも仕方ないこと…。だけど、酒の匂いは特段きつかったし、魔力の揺らぎも大きかった。」
「そういうこと。彼らは、私らの足元にわざと隠れておいて、本陣は別に隠している。そして、そこには私たちが探している重要人物がいる。」
「重要人物?」
「名はヴェルスティル。年齢50歳前後、身長230センチ。」
「なぜその情報を共有していなかったんですか。」
「これも秘匿情報だったの。でも、あんたたちが来る少し前に彼に動きがあって、非公開にする必要がなくなったの。それで、彼は一度私たちの保護観察下に入ったことがあった。いわゆる前科持ちみたいな感じね。」
「ほかに情報は?」
「…これ以上はないわ。」
暗い路地裏、大柄な男が泣きながら拳を血まみれにしていた。
「もうやめてくれ…。俺を人殺しにしないでくれ…。」
息をしない死体に、そう投げかける。
「俺は…、俺は…。」




