捜索
話が終わり、2人は酒場を出る。
「まさか、俺の地元に魔人街があったなんて。それより、アジトを見つけろって、どうすりゃいいんだよ。」
「まずは、聞き込みからだな。ここら一帯は港町で、酒場も多い。手当たり次第になるが、聞きこんでいく。」
「そうか、じゃあ俺は向こうからやってくるぜ。」
「ダメだ。」
勢いよく歩き出すトロスを引き止める。
「なんでだよ、手分けしてやったほうが効率いいだろ。」
「お前、馬鹿なんだから、1人で突っ走って何か起きたらこっちが対処できなくなる。」
「な、誰が馬鹿だ。」
「いいから、行くぞ。」
キレかかるトロスを置いて、宏斗は歩き出した。
「待てって!」
ヒエルという名前の酒場。
「俺たちは、お前ら人間に虐げられてんだ。そりゃ反乱したくなるだろ。こんな結界の中に閉じ込められて、まるで俺たちは飼い殺しにされてる気分だ。わかったなら、とっとと失せろ。」
いわれたとおり、宏斗は酒場を出る。
トロスも遅れて出てきた。
「なんだよあいつ、昼間っから飲んだくれてるだけで、俺たちに愚痴言いやがって。」
「怪しさはあるが、有益な情報ではなかったな。次だ。」
ファルシュという名前の酒場。
「反乱を企てる?ガハハハ、なんでこんな気楽に生きていける環境で反乱なんか考えんだよ。てことはそいつは、ずいぶんと頭が悪いってことだな。ガハハハ。」
「酒くせぇ奴らだな。どこのどいつも飲んだくればっかじゃねえか。」
「ここは違うな。次。」
エルケンティスという名前の酒場。
「知らねえな。ここらじゃそんな奴は排除される。監視の目がきついんだ、反乱なんて企ててみろ、即刻処刑される。」
宏斗は、中にいる魔人たちの異質さに気付く。
そして、ある共通点に気が付く。
「そうか、でも近いからこそ、気づきにくいってことも考えられる。」
魔人は少し動揺する。
「何が言いてえ。」
「灯台下暗しってやつさ。」
「じゃあ、てめえは奴らの回し者か?」
そういうと、店内にいた魔人たちが一斉に立ち上がる。
「さあ、どうだろうな。」
「うがあああ!!」
魔人たちが一斉に襲い掛かってくる。
しかし、宏斗は冷静に対処する。
魔術も使わず、肉弾戦をする魔人を相手に、防御魔法で応戦する。
トロスも、慌てて応戦する。
数分間の格闘の末、数人を逃すが、ほかは捕縛することに成功した。
「はっ、魔術すら使えねえ奴らがどうやって俺たちに勝つってんだ。」
嘲笑するトロスを余所目に、宏斗は問いかける。
「お前たちの頭はどこだ。」
「ふん、死んでも話すか。お前らに俺たちは止められねえ。」
「そうか…。ハノールさんに報告しよう。」




