人?
「まったく、何度言えばけんかをやめる。結界の外にまで出るなんて。」
2人は並んで立たされ、カハイドは怒った口調で言う。
「どうします、学長。」
「うーん。」
「明日の研修、こいつらを一緒に生かせればいいんじゃないか。」
「な…、シューイチさん、そんなことをして何になるんです。」
「シューイチの意見に私は賛同する。」
「学長まで…。」
翌日、現ドイツ北部港町。
「なんで俺が、お前なんかと一緒にやんなきゃならねぇんだよ。」
愚痴をこぼすトロスを無視し、宏斗は歩き出した。
「お、おい!待てよ!」
暗く、恐ろしい雰囲気が漂う港町を、2人は歩く。
ある酒場の前で、宏斗は立ち止まる。
2人はその中に入る。
入ったすぐ、大きな鳥に呼び止められる。
「おい、見ない顔だな、何しに来た。」
甲高い声を響かせながら尋ねてくる。
「ハルクヴァール魔法大学から来た。要件は通っているはずだ。」
鳥は、2人の制服見る。
「なるほど、確かに話は通っている。まっすぐ奥の部屋に入れ。」
宏斗は言われるまま、奥の部屋へ歩き出し、トロスは慌てて追いかけた。
コンコンコン、部屋の扉をノックする。
「入れ。」
女性の声が聞こえ、扉を開ける。
声の主を見た瞬間、トロスは恍惚とした顔になる。
そこには、金髪の爆乳の美女が座っていた。
そんなことは気にせず、宏斗は話し始めた。
「で、俺たちは何をすればいい。」
「ふーん、聞いていた通り、生意気だね。ま、そんなガキは嫌いじゃない。私の名前は、ハノール。お前たちの名前は既に知っているから聞かなくていいな。本題に入ろう。お前は気づいているだろうが、ここは魔人街だ。」
「魔人街!?」
驚くトロスをしり目に、ハノールは話を続ける。
「私らは、彼らを監視する役割を担っている。まあ、監視といっても、警察みたいなもんだ。悪いことをしていればちゃんと罰する。それが、私たちがやってることだ。しかし、20年前のことで、彼らの活動は活発になっている。特に、反乱を起こそうとしている集団の活動が顕著になっていて、そのために、監視の数も増えてる。そこでお前たち、お前たち2人には、その集団のアジトを突き止め、彼らを止める、それが今回やってもらうことだ。政府は、彼らを完全に排除する気でいる。殺すこともいとわない。私らにも、そういう指示が出てる。でも、私らは彼らと共存を望んでる。だから、できるだけそうならないようにしてほしい。」
ハノール 本名ハノール・デスティエルト。魔人監察局局員。酒癖が荒く、酒場に入り浸っている。
魔人街 悪魔と人間の混血種族、魔人が暮らす居住区。もとは、フランスあたりにあったが、現在はヨーロッパの各地にある。
しゃべる鳥 ゴンドレラという種の鳥。しゃべれるのは、ほかの同種より頭がいいだけだから。




